Remogu(リモグ)を運営するLASSIC(ラシック)が元顧客のICHIGOを提訴
2024年6月28日 お菓子の越境EC「 TOKYO TREAT」、「SAKURACO」キャラクターのサブスクサービス「YumeTwins」などを運営する株式会社ICHIGOが、業務委託先のLASSIC(ラシック)社の再委託先であるフリーランスエンジニアに無断でソースコードをGitHubへ公開された事を公表しました。その後LASSIC社はエンジニアへの業務委託費用が支払われていないとして、ICHIGO社を提訴しました。
目次
ICHIGO社のソースコード 無断公開の経緯
ICHIGO社は開発業務の一部を、開発者である株式会社LASSICに委託していたが、
LASSIC社はICHIGO社のソフト開発業務を、同社の運営するフリーランスエンジニア紹介サービス「Remogu」に登録していた個人であるA氏に再委託していた。
LASSIC社とA氏との間で報酬に関するトラブルが発生し、2024年4月19日頃、A氏がLASSIC社に対する報酬の支払を要求する目的で、LASSIC社を通じてICHIGO社からアクセス権を付与されていたICHIGO社の知的財産であるソースコードの一部を「Github上」で公開したことが判明。
ICHIGO社からLASSIC社に対して抗議を行うと共に、公開されたソースコードにて紹介する全ての案件に従事した全てのエンジニアにおいて、氏名、経歴や技術等についての表示は自己申告のみであり、本人確認や支払額の確認を行っていなかったことが判明
なお、ICHIGO社は未だにコードが完全削除されているかどうか、A氏との交渉状況がどうなっているか全く共有されておらず、文字通り音信不通となっているとのことです
LASSIC社 提訴までの時系列
- 2023年7月28日:株式会社LASSICのから初接触。問合せフォーム宛にRemogu(リモグ)担当者から営業連絡あり。
- 2023年10月1日:基本契約書及び秘密保持契約書を締結。
- 大事な箇所だけを抜粋して添付します:
- 💼 株式会社LASSICとの基本契約書1、💼 株式会社LASSICとの基本契約書2、💼 株式会社LASSICとの基本契約書3
- 💼 株式会社LASSICとのNDA1、💼 株式会社LASSICとのNDA2
- 2024年2月13日:A氏との契約開始。依頼業務の性質上A氏には多くの機密情報へのアクセスを許可しました。
- 2024年4月18日:A氏にLASSIC社から報酬が支払われなかったことを理由に、ICHIGOのソースコードを公開すると脅迫。
- 2024年4月19日:A氏によって弊社のソースコードがGitHub上で無断で公開される。
- 2024年4月20日~24日:LASSIC社とA氏の間で交渉が行われる。A氏は脅迫など悪意を持って行ってきた人物だが、LASSIC社は単に電話やメールをしてA氏の自発的な行動を依頼するだけであったので、A氏の身元確認やソースコードの削除について進捗は見られなかった。
- 2024年4月24日:GitHubの公開状態が消えた。ローカルファイルの削除はLASSICからの着金確認後に行うとLASSICが報告。若山幸司社長が初めて弊社に来訪したが、今後についての対応策や提案などなく文字通り「手ぶら」での来訪。我々から定時連絡を要請し、LASSICは応諾した。
- 2024年4月25日:若山社長が再び弊社に来訪。LASSIC社から「これまでの業務委託費用の取り下げ」を提案してきた。資料では3, 4月分免除、口頭では2月分についても返金するということだった(しかし一転して、その後こちらは請求と訴訟までしてきた)。
- この際に業務委託エンジニアの本人確認とスキルチェックを適切に行っていないことを認める。
- 💼 株式会社LASSICからの提案書
- 2024年4月25日~5月1日:定時連絡はあったがデータが削除された証拠は共有されていない。
- 2024年5月2日:LASSIC取締役西尾氏より一方的に定時連絡を辞めるとの申し出あり。以降、定時連絡が一切なくなる。
- 2024年5月30日:LASSICの弁護士より内容証明が届く。内容は3月分請求の未払いについての催促。
- 💼 株式会社LASSICの弁護士からの内容証明:3月作業分の請求
- なお、2024年4月25日に若山氏と関根氏が当社オフィスに訪問した際に持参した資料には、「ご迷惑料として、3-4月分の業務委託費用の請求取下とさせて頂きます。」と記載あり。
- 2024年5月2日、5月13日, 5月22日, 5月30日, 6月10日, 6月21日:弊社からLASSIC社若山幸司社長宛てにデータを削除した証拠として認識できるものの提出を求めたが、いずれも返答なし。
- 2024年6月28日:2ヶ月間が経ち、進捗等の返答がなく、事件解決の見通しが全くなかったが、まずはこれ以上被害者を増やしたくないとの思いから近本よりXで注意喚起。
- 2024年7月1日:簡易裁判所から訴状が弊社本社宛に届く。情報漏洩させたエンジニアの作業分について支払いをするようにと被害を主張してきた。※ 6/28の夕方に裁判所内郵便局から発送されているので申請時期は6月中旬と推定。
LASSIC社 提訴内容
令和6年6月25日
東京簡易裁判所 御中
原告訴訟代理人弁護士 曽我紀厚
同代理人弁護士 中畑太一
当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり
業務委託費請求事件 訴訟物の価額 81万1299円 貼用印紙額 9000円
請求の趣旨 1 被告は、原告に対し、金81万1299円及びこれに対する令和6年5月1日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 との判決並びに仮執行宣言を求める。
請求の原因
第1 当事者 原告は、ソフトウェア受託業務等を主たる事業とする株式会社であり(甲1)、本件業務委託契約(第3にて定義する)における委託者である。 被告は、通信販売業務等を主たる事業とする株式会社であり(甲2)、本件業務委託契約における委託者である。
引用:訴状
LASSIC(Remogu)のしつこい営業DM
LASSIC(Remogu)ネットのSNSアカウントからDMやオープンで勧誘する営業手法で、エンジニアからも批判されています。
ICHIGO社からの返答には拒否していますが、営業行為は引き続き行われています。
変わらずSNSへ投稿し続けるLASSIC社員
LASSICの社員の回答では「本件は、警察や弁護士、有識者の指導をもとに迅速に対処し、問題の解決に努めています。」とのことですが、同社員は変わらずSNS投稿をし続けています。