
Linuxの開発者であるリーナス・トーバルズ氏(Linus Torvalds)は、11名のロシア関連プログラマーをLinux カーネルプロジェクトから除外する決定を発表しました。除外の決定は2024年10月18日に実施され、主にAcer、Cirrus、Baikalなどのハードウェアドライバ開発に関わっていた開発者が影響を受けています。
排除の背景
Linux Foundationは、米国の対ロシア制裁に従うためにこの決定を下しました。対ロシア制裁はロシアへの技術とサービスの流れを制限することを目的としており、これによりプロジェクトに参加しているロシアの開発者との関係を見直す必要が生じました。
Linuxの開発は国際的なコミュニティによって支えられていますが、Linux Foundationは法的遵守を優先せざるを得ず、制裁対象のリスクを避けるために開発者の除外を決断しました。カーネル開発者のジェームズ・ボトムリー氏は、「除外が法的助言に基づくものであり、OFAC(米国財務省外国資産管理局)制裁リストに関連するリスクを回避するため」と説明しています。
また、Linuxの別の主要開発者であるクロア・ハートマン氏は、ロシアと関係のある開発者らは「さまざまなコンプライアンス要件」を理由にその職から外されたと述べ、「十分な書類が提出されれば、将来戻ってくることも可能だ」としているが、それの書類が具体的に何を意味するのかは明らかにしていません。
カーネルは、コンピュータのOSの中核で、Linux カーネルは、数百万行のコードで構成されるオープン ソース プロジェクトであり、メンテナーによって管理されるサブシステムに公開的に編成され、カーネルへ何か変更が発生した際には、Linux ユーザーに配布される前に他の開発者やメンテナーによってレビューされます。
OSSでの議論
Linux はソース コードを誰でも自由に閲覧、変更、配布できるようにするという 主要原則があり、この決定は原則に反しているという指摘もあり、様々な開発者からボトムリー氏やハートマン氏の曖昧な説明に関して詳細を求める声も上がっています。