2026年5月11日、警備大手ALSOKグループ会社「ALSOK常駐警備(東京)」の元社員、大山剛容疑者(57歳・住所不定)が、業務で管理していた銀行ATMから現金計1億3,500万円を盗んだとして、警視庁築地署に窃盗容疑で逮捕されたと発表されました。
大山容疑者はATMの現金の運搬・管理を担当する現場責任者の立場にあり、同僚が別の部屋にいる隙を突いて持参した袋に現金を詰めて持ち出したとみられています。逮捕後の調べに対し容疑を認め、「仕事への不満があり、人生がどうでもよくなった。風俗や競馬、高級ブランド品の購入に充てた」と供述しています。
この記事のサマリー
- 逮捕者:大山剛容疑者(57歳・住所不定)=ALSOKグループ会社「ALSOK常駐警備(東京)」元社員
- 容疑:窃盗(2025年12月26〜30日の5日間、東京都中央区の銀行ATMから複数回にわたり現金計1億3,500万円を窃取)
- 役職:ATMの現金運搬・管理担当の現場責任者
- 手口:同僚が他の部屋にいる隙を狙い、持参した袋に現金を入れて持ち出した
目次
事案の経緯
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2025年12月26〜30日 | 大山容疑者が東京都中央区の銀行ATMから複数回にわたり現金を窃取。5日間で計1億3,500万円 |
| 2025年12月末以降 | 大山容疑者が会社を無断欠勤し行方不明に |
| 2026年1月中旬 | ALSOK常駐警備(東京)の確認作業でATM内現金の帳尻が合わないことを発見。会社が警視庁に相談 |
| 2026年1月中旬(前後) | 大山容疑者を懲戒解雇 |
| 2026年5月10日 | 京都で大山容疑者を発見・逮捕 |
| 2026年5月11日 | 警視庁築地署が逮捕を発表 |
手口の詳細—「現場責任者」という立場が犯行を可能にした
大山容疑者はATMの現金の運搬・管理・回収・集計を担当する現場責任者の立場にありました。逮捕容疑の期間は年末の12月26日から30日の5日間で、この間に複数回にわたって犯行が繰り返されたとみられています。
手口は「同僚が別の部屋にいる隙を狙い、あらかじめ持参した袋に現金を詰めて持ち出す」という単純なものでした。ATMの管理業務の性格上、現場責任者は現金に直接アクセスできる立場にあり、1人になる瞬間が犯行機会となりました。
逃走・発見の経緯として、大山容疑者は犯行後の年末から会社を無断欠勤し行方不明になっていました。約4.5か月後の2026年5月に京都で発見され、逮捕されています。
問題点
本件は「警備という信頼の職業にある人物が、その立場を悪用した」という典型的な内部不正(インサイダー不正)の事案です。
現場責任者という立場の悪用として、ATMの現金管理の現場責任者は物理的に現金にアクセスできる最前線にいます。複数人での作業が原則であっても、完全に1人になる瞬間をなくすことは現実には困難で、今回はその隙が繰り返し狙われました。
牽制機能の不全として、1億3,500万円という巨額を5日間で持ち出し続けたにもかかわらず、発覚は翌月中旬の帳尻確認まで遅れました。リアルタイムでの異常検知や複数人による確認・カウントの仕組みが機能していなかった可能性が指摘されます。
動機の管理として、容疑者は「仕事への不満があり、人生がどうでもよくなった」と供述しています。職場における不満や心理的SOSを早期に検知・対応する人事管理体制の重要性を改めて示しています。
逃走期間の長さとして、犯行から逮捕まで約4.5か月を要しています。この間、盗まれた現金が風俗・競馬・高級ブランド品の購入に使われたと供述されており、被害回復は困難な状況です。
ALSOK常駐警備(東京)・ALSOKグループのコメント
ALSOK常駐警備(東京)は「関係者の皆様にご迷惑をかけ、心よりお詫びする。引き続き捜査に全面的に協力し、再発防止に努める」とコメントしています。
ALSOKグループは「今回の事態を重く受け止め、直ちにグループの内部管理体制の改善強化を行うとともに、倫理教育、およびコンプライアンス教育など、社員教育を再度徹底し、ALSOKグループ一丸となって、信頼回復に全力を傾注し、再発防止に取り組んでまいります」とコメントしています。
セキュリティ担当者が確認すべきポイント
本件は警備会社固有の問題ではなく、現金・有価証券・高額資産を取り扱うあらゆる業種が参考にすべき事案です。
複数人確認の徹底として、現金の入出金・計数・管理のすべての工程において、1人作業の排除と複数人による相互確認を制度化することが基本対策です。「同僚が別室にいる隙」が犯行機会となった本件は、作業区域内での複数人同席の徹底によって防止できた可能性があります。
リアルタイム残高管理として、ATM内現金残高を管理システムで継続監視し、想定と実績の乖離を即時検知する仕組みの整備が重要です。本件では月中旬の定期確認まで発覚が遅れており、デジタルによるリアルタイム監視の導入が抑止・早期発見に有効です。
信頼性調査・バックグラウンドチェックとして、現金や機密情報を取り扱う役職への任命前後の定期的な適格性確認も、リスク管理の観点から検討に値します。








