アルティウスリンク株式会社は、同社が受託運営する足立区の統合電話センターで発生した「従業員による情報の持ち出し事案」について、2026年2月20日更新の続報を公表しました。デジタルフォレンジック調査の結果、外部への情報流出や動画データのアップロード等の形跡は確認されず、第三者に渡った形跡も確認されなかったとしています。一方で、既報の2名分に加え、新たに3名分の個人情報が記録された動画の存在が判明したと報告しています(合計5名分)。
目次
概要
本件は、執務室内で従業員が他の従業員の勤務の様子を撮影し、その動画を自宅のPC等に保存していた事案です。初報(2025年12月15日)では、ペン型カメラで撮影した動画に、受付業務で復唱された足立区民2名分の個人情報を含む音声が記録されていたと説明されています。また、当時点で社内調査・聞き取り調査では、インターネットへのアップロードなど第三者へ渡った形跡は確認されていないとしていました。さらに、警察への相談(12月10日)と、足立区への報告(12月3日)、区からの追加調査指示(他に個人情報が含まれる音声がないか)も記載されています。
続報(2026年2月20日更新)では、初報後も調査を継続し、元従業員の自宅から追加の記録媒体(USBメモリー、Micro Mediaカード等)も回収したうえで解析を実施した結果、外部流出の痕跡はない一方、個人情報に該当する内容が新たに3件含まれる動画が見つかった、と整理しています。動画は2016年頃から執務室内で撮影され自宅PC等に保存されていたとしています。
原因
原因はサイバー攻撃やシステム侵害ではなく、内部者(従業員)による撮影・保存という「不適切行為」と、執務室内への撮影機器の持ち込み・記録媒体への保存を許してしまった運用面の弱さにあります。初報でも、ペン型カメラでの撮影と自宅PCへの保存が明確に書かれており、内部不正・内部規律の問題として位置付けられます。
影響
初報で確認されていた個人情報(2名分)
初報時点で、動画内音声として次が確認されたとしています。
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2025年10月4日撮影:住所・氏名・電話番号(1名)
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2025年10月10日撮影:住所・氏名・電話番号・生年月日(1名)
続報で追加判明した個人情報(3名分)
続報では、既報2名に加え、以下の3件が新たに確認されたとしています。
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2025年10月10日撮影:氏名(1名)
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2025年10月10日撮影:電話番号・生年月日(1名)
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2025年10月20日撮影:氏名(1名)
(結果として、個人情報が記録されていたのは合計5名分、という整理になります)
また続報では、回収した媒体に保存されていた動画を確認・解析した結果、当該元従業員が保存していた動画データはすべて特定・確認済みで、これ以上のデータが存在しないことを確認したとも述べています。
会社の対応
フォレンジックと媒体回収
続報の中心は、デジタルフォレンジック調査の実施と、追加媒体の回収・解析です。外部流出の痕跡がないことを確認しつつ、追加で個人情報が含まれた動画が見つかった点を公表しています。
処分
続報では、本件を重大なコンプライアンス違反を含む事案とし、当該従業員を懲戒解雇としたとしています。
再発防止(初報時点での方針)
初報では、再発防止として少なくとも次を挙げています。
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業務従事場所への文房具持ち込みを禁止し、会社配付品のみ使用
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個人情報取り扱い等の研修を通じた教育徹底
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抜き打ちの持ち物検査の定期実施
情報システム部門が押さえるべきポイント
本件は「情報漏えい=外部侵入」という前提を外し、内部者による撮影・音声記録が実害になり得る点を示しています。特にコールセンター型業務は「復唱」が品質担保のために不可欠である一方、それが録音・録画されると個人情報が音声として残りやすい構造があります。
対策は、セキュリティ機器の導入だけでなく、現場運用(持ち込み制限、監督、抜き打ち検査)と、委託元・委託先での統制(作業環境の監査、教育、違反時のエスカレーション)をセットで回すことが重要です。








