Anthropic、Claude 利用者にインフォスティーラー 感染を通知 盗まれたログインセッションの悪用を確認

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Anthropic、Claude 利用者にインフォスティーラー 感染を通知 盗まれたログインセッションの悪用を確認

Anthropicが一部のClaude利用者に対し、端末に感染した情報窃取型マルウェア(Infostealer:インフォスティーラー)によってClaudeのログインセッションが盗まれ、第三者によるアカウント利用に使われた可能性があるとして注意を呼びかけています。

今回確認されているのは、Claude自体を経由してマルウェアに感染した事案ではありません。影響を受けた利用者に送られた通知では、WindowsでVidar、Lumma(LummaC2)、StealC、RedLine、Acreed、macOSの一部端末でAtomic Stealer(AMOS)が確認されたと説明されています。

Anthropicは影響が疑われるアカウントのセッションを終了し、保存済みの支払い方法を削除する措置を実施しました。不正と判断したClaudeの利用料金については返金したとしています。

ただし、2026年9月1日時点でAnthropicのNewsroomやClaude Statusには本件専用の公開アドバイザリは掲載されていません。今回の一次資料は、影響を受けたユーザーにAnthropicから送られた通知メールを当該ユーザーが公開したものです。影響件数や攻撃開始時期などは公表されていません。

Claudeのセッション窃取事案のサマリー

  • Anthropicは一部のClaude利用者に、Infostealer感染に関する通知メールを送付しました。
  • Anthropicの通知によると、攻撃者は利用者端末から盗まれたClaudeのログインセッションを利用し、Claudeアカウントへアクセスして利用量を消費していました。
  • Anthropicは、今回確認されたマルウェアについてClaude固有のものではなく、Claudeからインストールされたものでもないと説明しています。
  • WindowsではVidar、Lumma(LummaC2)、StealC、RedLine、Acreedが確認されたとしています。
  • macOSでは少数の端末でAtomic Stealer(AMOS)が確認されたとしています。
  • スマートフォンやタブレットが今回の感染に関与したとの情報は確認されていません。
  • Anthropicは影響が疑われるClaudeのセッションを終了し、保存済みの支払い方法を削除しました。
  • Anthropicは不正と判断したClaude利用料金について返金したと説明しています。
  • 影響を受けたアカウント数、感染端末数、攻撃開始時期、攻撃者の特定情報は公表されていません。
  • Anthropicの公式NewsroomやClaude Statusには、2026年9月1日時点で本件専用の公開アドバイザリは確認できませんでした。
  • Anthropicは公式ヘルプで、利用者がアクティブなClaudeセッションを確認・終了できる機能を提供しています。
  • EnterpriseおよびConsoleでは、管理者がセッションの最大有効期間を短縮する設定も利用できます。
項目 内容
公表・通知時期 2026年8月下旬。Anthropicの公開Webページとしての告知日は確認できませんでした
確認主体 Anthropic
インシデント Infostealerにより盗まれたClaudeログインセッションを第三者が悪用
Claude側の侵害 Claude自体が感染経路だったとの情報はありません。Anthropicは汎用Infostealerによる利用者端末の感染と説明しています
確認されたマルウェア Windows:Vidar、Lumma/LummaC2、StealC、RedLine、Acreed。macOS:Atomic Stealer(AMOS)
窃取された情報 Claudeのログインセッション。通知では、Infostealerが一般に保存済みパスワード、ブラウザのログインCookie、ローカルアプリの認証情報などを収集すると説明されています
対象件数 公表されていません
攻撃開始時期 公表されていません
対応状況 影響セッションの終了、保存済み支払い方法の削除、不正と判断したClaude利用料金の返金
攻撃者 特定情報は公表されていません
公式公開アドバイザリ 2026年9月1日時点でAnthropic Newsroom、Claude Statusには確認できませんでした

InfostealerがClaudeのログインセッションを窃取

Anthropicが影響を受けた利用者に送った通知によると、同社は汎用Infostealerによって利用者の端末からClaudeのログインセッションが盗まれ、その後、第三者が窃取データの中からClaudeのセッションを選別してアカウントへアクセスしていたことを把握しました。

通知では、Claudeの利用上限が回復した後、本人が利用していないにもかかわらず再び消費される現象が確認された場合、今回の不正利用が原因だった可能性があると説明されています。

確認されたマルウェアは、WindowsでVidar、Lumma(LummaC2)、StealC、RedLine、Acreed、macOSでは少数の端末でAtomic Stealer(AMOS)です。

これらはClaude専用のマルウェアではありません。Anthropicは通知の中で、今回のマルウェアがClaudeに関連している、Claude経由でインストールされた、あるいはClaude上での操作によって感染したと考える理由はないとしています。

Infostealerは一般に、ブラウザに保存されたパスワードやCookie、各種アプリケーションの認証情報などを端末から窃取します。今回の事案では、その収集対象にClaudeの認証済みセッションが含まれていたとみられます。

セッションが盗まれると、パスワードだけの変更では不十分な場合も

今回の事案で重要なのは、攻撃者がClaudeの「ログインセッション」を利用していた点です。

通常、利用者がWebサービスへログインすると、認証後の状態を維持するためブラウザ側にセッション情報が保持されます。Infostealerがこの情報を窃取すると、有効なセッションが残っている間、攻撃者が既に認証済みの状態を悪用する可能性があります。

そのため、感染が疑われる端末でパスワードを変更するだけでなく、サービス側で既存のアクティブセッションを確認し、不審なセッションを終了させる対応が重要になります。

Anthropicは公式ヘルプで、Claudeの「Settings > Account」から利用中の端末やブラウザ、概算の位置情報、最終利用状況を確認し、個別のセッションを終了できる機能を案内しています。

また、Web版Claudeではすべてのアクティブセッションからログアウトする機能も提供されています。

セッションCookieの仕組みと企業リスクについては、セキュリティ対策Labの「クッキー(Cookie)とは?-セッション管理の仕組みから企業リスク・法規制対応まで徹底解説【2026年版】」でも解説しています。

Anthropicはセッション終了と支払い方法削除を実施

Anthropicは影響が疑われるアカウントについて、Claudeのセッションを終了させる措置を実施しました。

さらに、保存済みの支払い方法も削除しています。影響を受けた利用者は、端末からマルウェアを除去したことを確認した後、必要に応じて支払い方法を再登録する必要があります。

Anthropicは、不正利用と判断したClaudeの料金について返金したとも説明しています。

一方、何件のClaudeアカウントが影響を受けたのか、何台の端末でInfostealerが確認されたのか、攻撃がいつ始まったのかは明らかにされていません。

Anthropic公式サイトには本件専用の公開アドバイザリなし

2026年9月1日時点で、AnthropicのNewsroomには今回のInfostealerによるClaudeセッション窃取に関する専用記事は確認できません。

Claude Statusでも、8月下旬にはサービス障害に関する複数の記録がありますが、今回のInfostealer感染やセッション窃取をセキュリティインシデントとして掲載した記録は確認できませんでした。

今回の事案について外部から確認できる一次資料は、影響を受けた利用者が公開したAnthropicからの通知メールです。SecurityWeekやBleepingComputerも、この通知メールを基に内容を報じています。

したがって、影響件数や攻撃期間など通知に記載されていない情報については現時点で確認できず、規模を推測することはできません。

情報システム部門への示唆

今回の事案は、SaaS側に脆弱性がなくても、利用者端末に保存されたセッション情報が盗まれれば、正規ユーザーの認証状態が攻撃者に悪用される可能性があることを示しています。

特に、ブラウザ上で長期間ログイン状態を維持するSaaSでは、パスワードや多要素認証だけでなく、セッションそのものを管理対象として扱う必要があります。

AnthropicはEnterpriseおよびConsole向けに、管理者がセッションの最大有効期間を短縮できる設定を提供しています。Enterpriseでは1日、7日、14日、28日、Consoleでは1日、3日、7日から設定でき、設定した期間を超えたセッションは再認証が必要になります。

情報システム部門では、次の観点を確認しておく必要があります。

  • EDRやアンチマルウェア製品によるInfostealerの検知状況
  • ブラウザに保存されたCookieや認証情報を窃取された場合の対応手順
  • SaaSごとのアクティブセッション確認・一括失効手順
  • セッション有効期間の短縮可否
  • 不審な利用量、アクセス元、位置情報、請求の監視
  • マルウェア感染後にパスワード変更だけで対応を完了しない運用
  • 個人端末やBYODから生成AIサービスへアクセスする場合の端末管理
  • 非公式ソフトウェアや不審なアプリケーションの導入制限

セキュリティ対策Labでは、インフォスティーラーが業務サービスの認証情報を窃取した事例として、Vercelの不正アクセス事案も取り上げています。端末感染からクラウドサービスの認証情報窃取へ被害が拡大する点は、今回のClaudeの事案と共通するリスクです。

今回の通知を受け取ったClaude利用者は、支払い方法を再登録する前に、利用端末のマルウェア感染有無を確認し、既存セッションの失効、不審な端末の確認、関連する認証情報の変更を行う必要があります。

出典