
静岡県東部の県立高校で、教師が誤ってクラス全員分の成績表をクラウドにアップロードし、そのデータがSNS上で生徒間に共有される事態が発生しました。
静岡県教育委員会が3月5日にこの問題を発表し、学校側は関係する生徒や保護者に謝罪するとともに、個人情報管理の徹底を進める方針です。
目次
誤アップロードの概要
3月4日午後0時半頃、教師は2年生の1クラス、35人分の成績表や出席状況のデータを誤ってクラウド上にアップロードしてしまいました。
その結果、2年生全体の生徒282人が閲覧可能な状態となり、一部の生徒がこのデータを保存し、SNS上で共有してしまったことが確認されています。
教師は、パソコンのデスクトップ上に複数のファイルを保存していたために誤操作が起きたと説明し、成績表が流出したクラスの生徒や保護者には、学校側から3月5日に謝罪の連絡を行いました。また、今後はこうした事故を防ぐため、個人情報の管理ルールの厳格化を進め、再発防止策を徹底する方針とのこと
教育機関で発生したセキュリティインシデント事例
教育機関は以下のような一般的な民間組織では考えにくいセキュリティインシデントが発生しています。
札幌市立小学校の教頭が私物のUSBに児童と保護者の個人情報を無断で保存し紛失
札幌市教育委員会は2025年2月10日、札幌市立小学校の50代男性教頭が、児童および保護者約200人分の個人情報が保存されたUSBメモリーを紛失していたことを公表しました。
札幌市教育委員会によると、教頭は2011年から2016年にかけて、自宅で作業を行うために授業風景の撮影データ、座席表、児童の所見案などを記載した電子ファイルを私物のUSBメモリーに保存していました。
2016年2月以降、そのUSBメモリーを使用することなく、ジャケットのポケットに入れたまま放置。その後、2024年8月にジャケットごとリサイクルショップに売却したことにより、USBメモリーの所在が不明となりました。
紛失から約8年後の2025年1月29日、匿名の情報提供者から札幌市教育委員会にUSBメモリーが郵送され、情報漏えいの事実が発覚しました。
近畿大学付属福岡高等学校、GoogleスプレッドシートURLの誤送信による個人情報の流出
進路希望調査において、教員が回答管理に使用していたGoogleスプレッドシートを、一部の生徒が閲覧できる状態であることに教員が気付く。
閲覧できないよう設定を変更し原因を調査したところ、1つのクラスの生徒39人に対し、教員用のURLを誤送信していたことが判明。数名の生徒が個人情報を閲覧
広島県呉市の教諭がUSBを紛失、1,600人分の個人情報流出の可能性
広島県呉市教育委員会は、市立中学校の教諭が生徒や保護者、教職員ら約1,600人分の個人情報を含むUSBメモリーを紛失したことをセキュリティインシデントとして発表しました。
このUSBメモリーには、在校生と卒業生の氏名、住所、保護者名、成績、障害の有無などの情報が含まれていました。また、教職員や外部職員の住所などの個人情報も記録されており現在も見つかっていません。
参照