
2025年3月18日、海上自衛隊は特定秘密の情報を適切な手順を経ずに取り扱ったとして、舞鶴地方総監部(京都府舞鶴市)所属の50代の佐官と、航空補給処(千葉県木更津市)所属の50代の1尉に対し、減給6分の1(2カ月)の懲戒処分を下しました。
事案の詳細
海上自衛隊による発表によると、2022年7月22日、1尉は特定秘密に指定された情報を、適切な取り扱いが許可されていない部隊のパソコンから送信しようとしました。
本来、特定秘密情報は厳格なセキュリティ環境下でのみ取り扱うことが許可されていますが、1尉はそのルールに違反した形となります。
さらに、当時の佐官はこのようなデータの取り扱いに関する点検を行わず、1尉への適切な指導・監督を怠っていたことが問題視されました。
このメール送信を、海上自衛隊の保全監査隊(東京都新宿区)の情報監視システムが検知し、事態が発覚しました。
調査の結果、情報が外部へ流出した形跡はなかったものの、佐官は「仮に情報が外部に流出していた場合、国民の信頼を失う事態になっていたことを深く反省している」と述べています。
軍事・防衛機関における情報管理の脆弱性
特定秘密に関する情報は、許可された環境でのみ取り扱うべきものであり、本件はその基本原則が守られていなかったことを示しています。
また、佐官が適切な指導を行わなかったことは、軍事組織内の情報セキュリティガバナンスが徹底されていない可能性を示唆しています。
また、このような事態を防ぐためには、「セキュリティクリアランス制度」の厳格化が求められます。
セキュリティクリアランス制度とは、政府機関や軍事機関の職員が機密情報にアクセスする際、身元調査や適性評価を行う制度です。
日本では、国家安全保障上のリスクが増している中で、この制度の拡充が急務となっています
参照