
長崎市に本店を置く十八親和銀行は、2025年2月28日に、元行員の男性(58歳)が顧客から積立定期預金として預かった現金を約20年間にわたり着服していたことを公表しました。被害総額は数千万円に上る可能性があり、現在同行が被害の詳細を調査しています。
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20年間にわたる不正、現金でのやりとりが盲点に
同行によると、元行員は2005年、福岡市早良区にある西新支店に勤務していた当時から着服を始めました。その後の異動後も、この顧客を訪れては毎月20万円の現金を集金。顧客は、積立定期預金のための集金と信じ、長年にわたり預け入れを続けていたとみられます。
この不正は、2025年1月に発覚しました。別の行員が顧客から「長い間、毎月20万円を積み立てている」「毎月月末近くの土曜日が集金日」という話を聞き、本部に報告。不審に思った本部が調査した結果、不正行為が明らかになったといいます。
不正を認めるも…返済は一部のみ
元行員は調査の中で着服の事実を認め、「生活費や借金の返済に使った」と説明。自身の口座に残っていた約1,200万円を顧客に返済しました。しかし、被害総額は数千万円にのぼる可能性があり、全額の返済は不透明な状況です。
懲戒解雇と再発防止策
十八親和銀行は、元行員が転籍していたふくおかフィナンシャルグループ関連会社を2月28日付で懲戒解雇。同行は「深くお詫び申し上げるとともに、再発防止に努める」とコメントしています。
同行によれば、現時点で他の顧客への不正は確認されていないとのことですが、万が一心当たりのある顧客がいればサービス監査室(0120-333-284)まで問い合わせるよう呼びかけています。
参照
積み立て預金を20年間着服、十八親和銀の元行員 数千万円被害か
疑似のセキュリティインシデント
疑似のセキュリティインシデントは以下です。
群馬銀行の行員が約260万を着服
2025年2月7日、群馬銀行は、同社の行員(懲戒解雇済み)が顧客から約261万円を詐取するという不祥事件が発表しました。
本件は2025年1月21日に行内の取引モニタリングシステムによって発覚し、調査の結果、顧客からキャッシュカードを預かるなどの手口で資金を詐取していたことが判明したとのこと。
三菱UFJの元行員による貸金庫内の盗難について
2024年11月三菱UFJ銀行の発表によると、20年4月から24年10月の約4年半にかけて、当時の支店の店頭業務責任者が立場を悪用し、該当支店の貸金庫契約者約60名の金庫を無断開扉し、資産を盗み取っていたことが発覚しました。
被害総額は数十億円にも上り、4年前からインターネット掲示板やSNSで貸金庫内の盗難被害が投稿されており、長期にわたる盗難が行われていた可能性があります。