LiteLLMは2026年4月3日、プロキシ機能に関する複数の脆弱性を公表し、いずれも v1.83.0 で修正したと発表しました。中でも重要なのは、JWT認証を有効にした環境で成立する認証回避 CVE-2026-35030 と、認証済みユーザーが /config/update を悪用して設定変更や任意コード実行に至り得る CVE-2026-35029 です。あわせて、パスワードハッシュの露出と pass-the-hash による権限奪取の問題も修正対象に含まれています。
何が起きたか
CVE-2026-35030 は、OIDC の userinfo キャッシュのキーに JWT 全体ではなく token[:20] を使っていたことに起因する認証回避です。LiteLLMによると、同じ署名アルゴリズムで生成された JWT は先頭部分が一致しやすく、攻撃者が先頭20文字を一致させたトークンを細工すると、キャッシュヒットによって正規ユーザーの identity と権限を引き継げる可能性がありました。
一方の CVE-2026-35029 は、/config/update エンドポイントで admin ロールの検証が行われていなかった問題です。このため、すでにプラットフォームへログイン済みのユーザーであれば、プロキシ設定や環境変数の変更、UI_LOGO_PATH を使った任意ファイル読み取り、UI_USERNAME と UI_PASSWORD の上書きによる管理者アカウント乗っ取り、さらに attacker-controlled な Python コードを指す pass-through endpoint handler の登録によるリモートコード実行に至り得ました。
加えて LiteLLM は、別件の高危険度問題として、パスワードを unsalted SHA-256 で保持し、一部APIがそのハッシュを認証済みユーザーへ返し、/v2/login がそのハッシュ値をそのまま資格情報として受け付けていたと説明しています。この連鎖により、認証済みユーザーが他ユーザーのハッシュを取得し、そのまま当人としてログインできる状態でした。
対象/対策バージョン
GitHubの一次情報では、CVE-2026-35030 と CVE-2026-35029、そしてパスワードハッシュ露出と pass-the-hash の問題はいずれも
litellm パッケージの 1.83.0 未満が影響対象で、修正版は 1.83.0 です。LiteLLM公式ブログでも、今回公表した問題はすべて v1.83.0 で修正済みだと案内しています。
ただし、CVE-2026-35030 には成立条件があります。LiteLLMは、enable_jwt_auth: true を明示的に有効化した環境のみが影響を受け、この設定は既定ではオフだと説明しています。さらに公式ブログでは、LiteLLM Cloud の顧客ではこの機能を有効にしていた環境はなかったとしていますので、デフォルト設定のまま使っている環境まで一律に危険という話ではありません。








