2026年1月23日、セキュリティ研究者のJeremiah Fowler氏が、インターネット上で「パスワード保護なし・暗号化なし」のデータベースが公開状態になっているのを発見したと報告しました。データベースには、1億4,940万4,754件のユニークなログイン情報(メールアドレス/ユーザー名/パスワード)が含まれ、総量は約96ギガバイトに達していたとされています。
さらに、単にID・パスワードの羅列ではなく、各サービスのログイン/認可ページのURLも含まれていたという点が、悪用のしやすさを押し上げます。
公開されていた情報の中身
Fowler氏が限定的にサンプル確認した範囲でも、以下のように非常に幅広いサービスの資格情報が含まれていたとされています。
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SNS:Facebook、Instagram、TikTok、X など
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エンタメ/ゲーム:Netflix、HBO Max、Disney+、Roblox など
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成人向けプラットフォーム:OnlyFans(クリエイター/利用者双方のログイン経路が示唆される記録)
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金融・暗号資産:銀行口座、クレジットカード関連のログイン、暗号資産ウォレット、取引所アカウントなど
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政府系ドメイン:複数国の .gov ドメインに紐づく資格情報
特に .gov ドメインの混在は、すべてが機微システム直結とは限らないにせよ、標的型攻撃やなりすまし、組織ネットワーク侵入の足掛かりになり得るため、リスクの質が変わります。
推定漏洩件数
記事中の内訳(推定)として、以下の件数が挙げられています。
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Gmail:約4,800万件
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Yahoo:約400万件
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Outlook:約150万件
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iCloud:約90万件
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.edu:約140万件
サービス別の例(サンプル内で目立ったもの)としては、次の数字が示されています。
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Facebook:約1,700万件
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Instagram:約650万件
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TikTok:約78万件
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Netflix:約340万件
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OnlyFans:約10万件
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Binance:約42万件
ここで注意したいのは、「何万人が被害に遭った」という話ではなく、ログイン情報のレコードが何件あるかです。1人が複数サービスを使うため、
件数=人数にはなりません。一方で、攻撃者の立場では「当たりを引ける回数」が増えるため、件数がそのまま脅威の規模感につながります。
なぜ深刻か
この種のデータが危険なのは、攻撃の自動化が容易だからです。メールアドレス、ユーザー名、パスワードに加えてログインURLまで揃っていると、攻撃者は次のような手口を組みやすくなります。
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クレデンシャルスタッフィング(使い回しを狙った自動ログイン試行)
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メールアカウント乗っ取りを起点にした二次被害(パスワードリセット、なりすまし)
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金融・暗号資産アカウントへの不正アクセス
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実在サービス名とURLを使った精巧なフィッシング
原因
Fowler氏は、公開されていたデータがキーロガーやInfostealer(情報窃取型マルウェア)によって収集された可能性を指摘しています。
今回のデータは、一般的なInfostealerの流出データよりも追加情報が含まれ、たとえば host_reversed path(例:com.example.user.machine) のような形式で整理されていた点が特徴だと述べています。
また、所有者情報が不明だったため、同氏はホスティング事業者へ通報しましたが、停止までに約1か月と複数回の試行が必要だったとされ、その間にもレコード数が増加したという記述があります。
情報システム部門が押さえる実務ポイント
情シスとしては次を優先すると現実的です。
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MFAは必須、ただしフィッシング耐性も意識する
OTPやプッシュだけでは突破されるケースがあるため、可能ならパスキー/FIDO等へ段階移行します。 -
使い回し対策を運用に落とす
禁止の周知だけでなく、SSO・パスワードマネージャ・端末防御(EDR)まで含めて仕組みにします。 -
端末の感染前提で守る
Infostealerは「端末がやられたらパスワード変更しても再度盗られる」状況を作ります。検知・駆除・再感染防止(拡張機能、野良ソフト、広告経由など)をセットで対応します。 -
監視観点の強化
不審なログイン(国・ASN・端末指紋の変化)、短時間の大量失敗、リセット要求の増加など、アカウント侵害の兆候を早期に拾う設計が重要です。
参照








