
沖縄県八重瀬町と南風原町の水道事業を担う南部水道企業団(金城政光企業長)は2025年2月21日、支払いを口座振替に指定する利用者の一部に対して、伝送システムの不具合が原因で、1月分の上下水道料金を二重に誤徴収していたと発表しました。
システム不具合の概要
沖縄県の南部水道企業団が、システムの不具合により1月分の上下水道料金を二重徴収していた。
誤徴収は6625件、総額約4466万円に上ります。
何が起きたのか?
- 伝送システムのエラー発生
- 口座振替の依頼を金融機関に送信する際、システムにエラー表示が出た。
- システムの再起動と再送信
- 担当者がエラーと判断し、システムを再起動後にもう一度送信。
- 実際には1回目の送信が成功していた
- 結果的に二重で口座振替の依頼がかかり、利用者から二重引き落としの報告があった。
なぜ問題が発生したのか?
- エラー表示が出たが、実際にはデータが送信されていた。
- システムの動作状況を確認する方法が不十分だった可能性。
- 金融機関との連携が不十分で、二重振替の検知が遅れた。
企業団の対応と再発防止策
- 対象者に即日返金(17日に発覚し、当日中に返金)
- システム製造会社に問い合わせ、原因調査を継続
- 金融機関との連携強化とチェック体制の見直しを実施
情報システム部門が学ぶべきポイント
今回の事例は、エラーハンドリングとオペレーションミスが重なったことで発生しました。情報システム部門として、以下の点に注意が必要です。
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エラー表示の意味を正確に把握する
- 単なる表示上のエラーか、本当に処理が失敗しているのかを確認する仕組みを作る。
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システムの冗長性とログ管理の強化
- 送信履歴をリアルタイムで可視化し、二重送信の可能性を防ぐ。
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金融機関との即時照合体制を構築する
- 振替処理後に確認するプロセスを導入し、迅速な誤検知を可能にする。
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再起動時の影響を検証する手順を確立する
- システムを再起動する前に、処理の状態を確認するフローを明確にする。
まとめ
今回の件は、単なるシステム不具合だけでなく、業務フローや確認手順の甘さも影響しています。情報システム部門として、エラーハンドリングの精度向上や運用体制の見直しを進めることが、同様の事故を防ぐカギとなります。
参照