プルデンシャル生命、社員・元社員の不適切な投資勧誘など不祥事約31億円規模-社長交代と制度改革で信頼回復を急ぐ

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プルデンシャル生命、社員・元社員の不適切な投資勧誘など不祥事約31億円規模-社長交代と制度改革で信頼回復を急ぐ

プルデンシャル生命保険は2026年1月16日、社員・元社員による不適切な投資勧誘や金銭の借り受けなど、金銭に関わる複数の不適切事案が判明したとして、信頼回復に向けた改革の取り組みを公表しました。

概要

同社は社内調査で「お客さま確認」で把握した結果として、制度や保険業務に関連する金銭詐取等が約6,000万円、さらに制度・保険業務とは直接関係しない不適切行為で(元)社員106名が在職中約16.3億円、退職後約14.5億円を受け取っていたと説明しています。

単純合算すると、顧客等から不適切に受け取った金額は約31億円規模になります。

制度・保険業務とは直接関係しない不適切行為(106名・30.8億円)については、返金等された金額が7.9億円、差額が22.9億円とされており、金額面の大きさだけでなく、未解消の部分がなお大きい実態も示されました。







ライフプランナーの約2.4%が不祥事に関与

同社のサイトにはライフプランナーが4356人所属していると記載し、今回106名が不祥事に関わっているとされているのでライフプランナーの約2.4%が不祥事に関与している事になります。

一般的な企業な企業の事例に照らし合わせても、従業員の2%が不祥事に関わっている事は異常であり過去にも例が少ないです。

発覚の背景は「お客さま確認」だった

今回の公表の起点になったのは、2024年8月から実施してきた「お客さま確認」です。同社は手紙・電話・メールに加え新聞広告なども用い、不審な金銭取り扱い等がないかの申し出を募りました。実施量として、手紙は約209万通、電話は約13万人、メールは約70万通に上るとしています。

この確認の結果、同社の制度や保険業務を装う形での金銭詐取等(元社員3名・被害8名・約6,000万円)が発覚したほか、投資話や金銭貸借などの不適切行為が広い範囲で確認された、というのが同社の説明です。

同社が「制度または保険業務に関連する行為ではない」としながらも公表したのは、投資話を持ち掛けて金銭を受け取る行為や、顧客から個人的に金銭を借り受ける行為などです。表に整理された区分では、投資・儲け話での受領、金銭貸借等が中心で、該当する顧客は実人数で498名としています。

また、金銭の受領は確認されないものの、社内規程で取り扱いが認められていない投資商品や業者等の「紹介」が69名・顧客240名で確認されたとも説明しています。顧客が取り扱い業者等に支払った金額は、在職中約9.7億円、退職後約3.4億円、返金等は合計約2.5億円とされています。

社長交代を決断―2月1日付で得丸氏が就任

改革の一環として、同社は2026年2月1日付で代表取締役社長兼CEOを交代します。現社長兼CEOの間原寛氏は退任し、後任にプルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命の社長兼CEOである得丸博充氏が就任するとしています。間原氏は同日付で顧問に就任予定です。

公表文では、持株会社側でも2025年10月にトップ交代が行われた流れに触れ、子会社管理監督の責務を果たすとしています。

金融庁の報告徴求命令や、相次いだ不祥事が「前段」にあった

今回の改革公表は、社内調査の結果だけで突然出てきた話ではありません。2024年以降、元社員による詐欺事件や顧客情報の不正持ち出し・漏えいなどが断続的に表面化し、2025年4月には金融庁が同社および持株会社に対し、保険業法に基づく報告徴求命令を出したと報じられています。

こうした経緯を踏まえると、今回の「お客さま確認」は、個別事案への対応を超えて、過去の不祥事も含めて不適切な金銭取り扱いの実態を面で洗い出す目的だったことが分かります。








基本給が低く、高インセンティブ設計が原因か

プルデンシャル生命は今回の一連の金銭不祥事について、営業社員の報酬が「業績に過度に連動する」設計であったことが、リスクを増大させたと説明しています。

今回の原因が成果に応じたインセンティブの比重が高いことで収入が不安定になり、その不安定さが、不適切行為につながる動機や土壌になり得たなります。

また、インセンティブ設計が高い業態である不動業や人材紹介の企業でも同様のリスクが内包しているため今後同様の不祥事が発生する可能性があります。

再発防止は「制度の作り替え」と「現場の見える化」が柱

再発防止策では、営業報酬制度・表彰制度・資格制度を含むインセンティブ設計の抜本的見直しに踏み込むとしています。あわせて、営業社員が「いつ、どこで、誰に、どのような活動をしたか」を適時・適切に把握するためのルール改定やシステム改修、入力・報告の義務付け、管理職側の管理義務化など、現場の活動を見える化する方針を掲げました。本社部門が担当営業社員以外の立場で顧客に直接コンタクトする機会を増やすことも盛り込まれています。

ジブラルタ生命も同時期に不祥事を発表

同じ業界のジブラルタ生命も同時期に元社員が投資運用 名目で金銭を不正受領したと公表しています。

公表によると、元社員は福岡西支社に在籍し、2013年12月から2023年3月まで勤務していました。行為は2017年から2023年頃にかけて行われたとされ、被害者からの申し出をきっかけに2025年7月に発覚しています。

現時点で確認できている被害は15名、合計約5,800万円で、これはお客さまからの申告に基づくものであり、領収書等で正確な被害金額が特定できない分も一部含まれるとしています。あわせて、同社の保険業務に関連する行為ではないものの、元社員とお客さまの間で金銭貸借等の不適切な金銭の取り扱いが合計約3,100万円確認されたとも説明されています。