竹中工務店社員を背任容疑で逮捕 大阪・関西万博工事で下請けに水増し請求させ約1400万円の損害か

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竹中工務店社員を背任容疑で逮捕 大阪・関西万博工事で下請けに水増し請求させ約1400万円の損害か

竹中工務店は2026年8月19日、同社従業員が背任の疑いで大阪府警に逮捕されたと発表しました。会社側は警察の捜査に全面的に協力し、事実関係を確認したうえで厳正に対処するとしています。

MBS・TBSなどの報道によると、逮捕されたのは大阪・関西万博の建設工事で総括作業所長を務めていた竹中工務店社員の河井辰巳容疑者(61)です。下請け業者に工事代金を複数回にわたり水増し請求させ、竹中工務店に約1,400万円の損害を与えた疑いが持たれています。水増し分の一部は自宅のリフォーム代などに充てられた可能性があると報じられています。

現時点で確認されているのは「背任容疑による逮捕」であり、裁判で犯罪事実が確定したわけではありません。また、博覧会協会に対する水増し請求や公費の直接的な損失が確認された事案でもなく、現在報じられている損害の対象は竹中工務店です。

竹中工務店社員逮捕のサマリー

  • 竹中工務店は2026年8月19日、同社従業員が背任容疑で大阪府警に逮捕されたことを正式に公表しました。
  • MBS・TBSによると、逮捕されたのは河井辰巳容疑者(61)で、大阪・関西万博工事の総括作業所長を務めていました。
  • 報道では、下請け業者に万博関連工事費を複数回水増し請求させ、竹中工務店に約1,400万円の損害を与えた疑いが持たれています。
  • 水増し分については、自宅のリフォーム代などに充てられた可能性があると捜査関係者情報として報じられています。
  • 竹中工務店は大阪・関西万博の大屋根リング西工区を共同企業体で担当し、全周約2kmのうち約700mを施工しました。
  • 竹中工務店は警察の捜査に協力し、事実関係を確認したうえで厳正に対処するとしています。
  • 同社は再発防止に向け、内部統制、管理体制、教育を一層強化し、コンプライアンスを徹底すると表明しました。
  • 現時点で、実際の水増し請求の総額、行為が行われた期間、関係した下請け業者数などは公表資料から確認できません。
  • 博覧会協会への追加請求や、公費に約1,400万円の直接的損害が生じたとは確認されていません。
  • 本件は背任容疑であり、「横領」「詐欺」など別の犯罪が成立したと現時点で断定することはできません。
項目 内容
逮捕日 2026年8月19日
対象企業 株式会社竹中工務店
容疑 背任
被疑者 竹中工務店社員、河井辰巳容疑者(61)と報道
当時の役割 大阪・関西万博工事の総括作業所長と報道
疑われる行為 下請け業者に工事代金を水増し請求させた疑い
損害額 約1,400万円と報道
資金の用途 自宅リフォーム代などへの充当の可能性があると報道
被害者 現時点の報道では竹中工務店
万博協会・公費への損害 確認できず
竹中工務店の対応 捜査への全面協力、事実確認後に厳正対処
再発防止 内部統制、管理体制、教育、コンプライアンスの強化

竹中工務店が従業員の逮捕を正式公表

竹中工務店は8月19日付の「当社従業員の逮捕について」で、従業員が背任容疑で大阪府警に逮捕されたことを認めました。

会社側の公表は簡潔で、被疑者の氏名、具体的な行為、金額、工事名などは記載していません。

同社は警察による捜査に全面的に協力するとしたうえで、事実関係を確認後、会社として厳正に対処する方針を示しています。再発防止については、内部統制と管理体制、教育を強化するとしています。

したがって、約1,400万円という損害額や下請け業者への水増し請求、自宅リフォームへの充当といった詳細は、竹中工務店が現時点で公式確認した内容ではなく、報道機関が捜査関係者情報などを基に伝えている内容として区別する必要があります。

下請け業者に工事費を水増し請求させた疑い

MBS・TBSは、河井容疑者が大阪・関西万博の工事をめぐり、下請け業者に複数回にわたって竹中工務店への工事代金を水増し請求させた疑いがあると報じています。

会社への損害は約1,400万円とされ、一部については河井容疑者の自宅リフォーム代などに充てられた可能性があるとしています。

現在の容疑は「背任」です。

背任は、組織のために業務を行う立場にある者が、その任務に反する行為によって本人や第三者の利益を図り、組織に財産上の損害を与えた場合などに問題となります。

ただし、具体的な資金移動、下請け業者との関係、被疑者がどのような権限を利用したのかについては捜査中です。

「約1,400万円を横領した」「万博の公金を着服した」といった表現は、現段階で確認されている容疑の内容を越えるため適切ではありません。

容疑者は大阪・関西万博工事の総括作業所長を担当

報道によると、河井容疑者は大阪・関西万博の工事で総括作業所長を務めていました。

竹中工務店は大阪・関西万博のシンボルとなった「大屋根リング」の西工区について、南海辰村建設、竹中土木などとの共同企業体で施工を担当しています。

竹中工務店の公式資料によると、大屋根リングは全周約2kmで、このうち同社JVが担当した西工区は約700mでした。

大阪・関西万博公式サイトでも、西工区の実施設計・施工・監理について、竹中工務店・南海辰村建設・竹中土木共同企業体などが担当したことが確認できます。

今回疑われている水増し請求が、大屋根リング工事のどの費目やどの工事契約に関連したものなのか、公式には明らかになっていません。

「万博の公費1,400万円が流出」とは確認されていない

今回の事件では「大阪・関西万博の工事費」という点が注目されますが、損害の範囲には注意が必要です。

現在の報道では、下請け業者から竹中工務店への工事代金を水増しさせ、竹中工務店に約1,400万円の損害を与えた疑いとされています。

一方、竹中工務店が水増し分を2025年日本国際博覧会協会へ追加請求したことや、博覧会協会が約1,400万円の損害を受けたことは、8月19日時点で確認できません。

このため、「万博予算1,400万円が私的流用された」「税金1,400万円が流出した」と断定することはできません。

今後の捜査で、元請けと発注者の精算や請求にまで影響していたのかは確認すべきポイントになります。

内部統制上の焦点は「現場責任者と下請け請求の牽制」

今回の疑いが捜査によって裏付けられた場合、内部統制上の重要な論点となるのが、工事現場の責任者が持つ権限と、協力会社からの請求を確認・承認する仕組みです。

大規模な建設プロジェクトでは、追加工事、設計変更、数量変更、工程変更などが日常的に発生します。

そのため、単純に「請求額が前月より増えた」といった監視だけでは、不適切な請求と正当な追加費用を区別できません。

不正防止では、発注、工事完了の確認、数量確認、請求承認、支払承認を可能な限り別の担当者が担う職務分掌が重要になります。

特に現場責任者が下請けへの発注や出来高確認に大きな影響力を持つ場合は、別部門による証憑確認や抜き打ち監査、工事実績と請求額の突合が牽制として機能しているかを確認する必要があります。

下請け業者との共謀を想定した統制も必要

内部不正では、社員単独の操作だけを想定した統制では不十分な場合があります。

今回の報道が示す疑いは、社員が下請け業者に水増し請求をさせたというものです。

仮に取引先が不正に協力すれば、発注書、請求書、作業報告など複数の書類が形式上そろってしまい、単純な書類確認では不正を検知できない可能性があります。

内部監査では、請求書の有無だけでなく、実際の施工数量、使用資材、人工、工程記録、現場写真、入退場情報など、異なる情報源との突合が重要になります。

また、特定の担当者と特定の協力会社の取引比率が不自然に高くなっていないか、同種工事と比較して単価が突出していないか、頻繁な追加発注や端数の少ない請求が継続していないかといったデータ分析も、不正の兆候把握に利用できます。

竹中工務店は2025年にコンプライアンス部を新設

竹中工務店は2025年7月1日付で、本社監査室内に「コンプライアンス部」を設置しています。

同社は当時、コンプライアンス全般の主管を明確にし、対応体制を強化するための組織改編だと説明していました。

現在の内部統制基本方針では、社長を委員長とする企業倫理中央委員会やコンプライアンス委員会を設置するほか、従業員や取引先を対象とする相談・通報窓口、監査部門による法令・社内規範の遵守状況の検証などを定めています。

今回の事件について、これら既存の統制によって発見されたのか、外部からの捜査によって判明したのか、既存のチェックがなぜ不正の疑いを事前に検知できなかったのかは、現時点の会社発表では明らかになっていません。

今後会社が再発防止策を具体化する際には、「教育を強化する」という人的対策だけでなく、発注・出来高・請求・支払の各プロセスでどの統制を追加するのかが焦点になります。

2017年にも別の元従業員による工事代金の過剰請求を公表

竹中工務店では2017年にも、今回とは別の元従業員による不正行為を公表しています。

当時の公式発表によると、元従業員が自身の担当工事で協力会社から竹中工務店へ工事代金を過剰に請求させ、その見返りとして現金を受け取っていました。同社は社内調査で事実を確認し、元従業員を懲戒解雇したうえで、内部統制や管理体制を強化するとしていました。

2017年の事案と今回の背任容疑に直接の関連があることを示す情報は確認されていません。別事案として扱う必要があります。

一方、いずれも「担当工事」「協力会社からの工事代金請求」「私的利益」が論点となっているため、今回の再発防止では、過去に導入した対策が現在も有効に機能していたかを検証することも重要になります。

内部監査・コンプライアンス部門への示唆

今回の事案から確認すべきなのは、単に「社員教育を増やす」ことではありません。

不正を行おうとする担当者と取引先が協力した場合でも、別の情報から異常を検知できる統制が必要です。

建設業をはじめ、多数の外注先や業務委託先を利用する企業では、次のような観点で確認することが考えられます。

  • 発注、出来高確認、請求承認、支払承認が一人または一部門へ集中していないか
  • 現場責任者が取引先選定や金額変更を単独で決定できないか
  • 追加工事や契約変更について独立した承認者が確認しているか
  • 工事数量や作業実績と請求金額を別データで照合しているか
  • 特定社員と特定取引先の取引集中をモニタリングしているか
  • 同種工事との単価差や異常な追加発注をデータ分析できるか
  • 取引先から匿名で通報できる外部窓口が実際に周知されているか
  • 責任者の長期固定化を避け、異動や休暇時に別担当者が取引を確認する仕組みがあるか
  • 高額プロジェクトでは通常監査とは別に不正リスクを前提とした監査を実施しているか

内部不正では、承認権限を持つ社員の地位が高いほど、周囲が疑問を呈しにくくなる場合があります。

大型プロジェクトでは、工期や予算の管理だけでなく、「誰が誰を牽制するのか」を事前に設計しておくことが重要です。

竹中工務店は今回の逮捕を受け、内部統制と管理体制、教育の強化を表明しています。今後、疑われている行為の全容や対象期間、関与した取引先、会社が講じる具体的な再発防止策が明らかになるかが焦点となります。

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