
2025年3月31日、株式会社トキハインダストリーは、グループ内の複数のサーバーが第三者によるサイバー攻撃(ランサムウェア)を受けたことを公表しました。本件は3月30日に発生したシステム障害の調査過程で判明し、現在は外部のセキュリティ専門家および警察と連携のもと、影響範囲の特定と復旧対応が進められています。
4月1日追記:トキハインダストリー 全店がランサムウェアによるシステム障害から全店復旧
ランサムウェア攻撃の経緯と影響範囲
- 発生日:2025年3月30日(日)
- 影響:複数の社内サーバーが暗号化され、システム障害発生 現在のところ個人情報漏洩は確認されていない
- 営業への影響:
- トキハインダストリー全店臨時休業(3月31日)
- トキハ別府店・わさだタウンは一部部門(フードキッチン・スーパー)を除き営業
- 一部テナントは通常営業を継続
同社Webサイトでは通常営業中のテナント情報をPDFで公表し、今後の営業状況も随時更新するとしています。
同業他社の事例:イズミのランサムウェア被害
今回の事例と類似するものとして、スーパーマーケット「ゆめタウン」などを運営するイズミ株式会社のインシデントがあります
。2023年3月、イズミはグループのサーバーがランサムウェア攻撃を受け、一部業務に影響が出たことを公表しました。被害当初はクレジットカード決済の一部で障害が発生し、復旧までに複数日を要しました。
このように、流通・小売業においては“リアル店舗の運営”と“ITインフラの可用性”が密接に連動しているため、情報システム部門はランサムウェアを単なるITトラブルと捉えるのではなく、事業継続・ブランド保全に関わる経営課題として取り組む必要があります。