サイバー攻撃の被害 額 まとめ|企業の特別損失事例・業界平均・内訳を解説【2026年最新】

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サイバー攻撃による被害額や特損のまとめ

サイバー攻撃を受けた企業の被害額は、数千万円から数十億円規模に達することがあります。

国内では、アスクルが2025年10月のランサムウェア攻撃に伴うシステム障害への対応費用として52億16百万円を特別損失に計上しました。KADOKAWAは2024年のサイバー攻撃について調査・復旧費用やクリエイター補償など36億円の特別損失を見込み、カシオ計算機は不正アクセスによる販売・生産への影響として売上高約130億円、営業利益約40億円の減少を見込んでいます。

一方、これらの金額は同じ意味ではありません。

「特別損失」「売上高の減少」「営業利益への影響」「復旧費用」「不正送金による資金流出」を単純に並べると、実際の被害規模を誤って比較することになります。

IBMの「2025年データ侵害のコストに関する調査」では、日本におけるデータ侵害コストの平均は5億5,000万円でした。ただし、これはすべてのサイバー攻撃の平均被害額ではなく、IBMが調査したデータ侵害事案の平均です。

また、日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の調査では、ランサムウェア被害を回答した8組織の平均被害金額は2,386万円でした。回答8組織には大企業5社、中小企業3社が含まれているため、「中小企業の平均被害額2,386万円」とするのは正確ではありません。

この記事では、国内企業の公表事例、IBM・JNSAの調査をもとに、サイバー攻撃の被害額を「何の金額なのか」まで分けて整理します。

サイバー攻撃の被害額はいくらか

最初に、検索時によく比較される数字を整理します。

指標・事例 金額 金額の意味
IBM 日本のデータ侵害平均コスト 5億5,000万円 IBM調査対象のデータ侵害1件あたり平均
JNSA ランサムウェア被害 2,386万円 回答8組織の平均被害金額
アスクル 52億16百万円 システム障害対応費用として特別損失
KADOKAWA 36億円 サイバー攻撃関連の特別損失見込み
カシオ計算機 売上高約130億円減、営業利益約40億円減 販売・生産など営業活動への業績影響見込み
関通 5億7,800万円 システム障害関連費用として特別損失
関通 約17億円 後に同社が売上損失・対応費用を含む被害額として説明
はてな 11億7,900万円 不正送金事案に伴う特別損失

この表だけでも、同じ「被害額」という言葉の中に複数の指標が混在していることが分かります。

たとえばカシオの約130億円は、130億円をサイバー攻撃対応費として支払ったという意味ではありません。不正アクセスによる販売・生産への影響によって減少すると見込んだ売上高です。

一方、アスクルの52億16百万円は、物流基盤の維持費、システム調査・復旧費用、出荷期限切れ商品の評価損などを含む特別損失です。

企業のサイバーリスクを比較するときは、金額だけでなく「何を計上した金額なのか」を確認する必要があります。

サイバー攻撃の平均被害額―IBMでは日本5億5,000万円

日本IBMが2025年9月に公表した「2025年データ侵害のコストに関する調査レポート」では、日本のデータ侵害コストの平均は5億5,000万円、365万ドルでした。

世界平均は444万ドル、米国は1,022万ドルです。

IBMによると、日本の平均コストは8年ぶりに減少しました。また、日本におけるデータ侵害の平均ライフサイクル、つまり検出から封じ込めまでに要する期間は217日で、前年から47日短縮しています。

ここで注意したいのは、5億5,000万円を「日本企業がサイバー攻撃を受けた場合の平均損失」とそのまま使わないことです。

IBMが扱っているのは「データ侵害」のコストです。

ランサムウェアでシステムが停止しただけで情報漏えいがなかったケース、DDoS、Webサイト改ざん、BECによる不正送金など、すべてのサイバーインシデントを同じ条件で集計した数字ではありません。

経営層への説明では、

IBM調査では、日本におけるデータ侵害の平均コストは5億5,000万円

という範囲で使用するのが適切です。

ランサムウェアの平均被害額―JNSA調査では2,386万円

JNSAが公表したインシデント被害調査では、ランサムウェア感染を経験した回答組織の平均被害金額は2,386万円でした。

対応に要した内部工数は平均27.7人月です。

また、

  • 回答組織のすべてが身代金を支払っていない
  • 暗号化されたデータを復旧できた組織は50%
  • ほとんどの被害組織で被害金額が1,000万円を超えた

という結果も示されています。

ただし、有効回答数は8組織です。

内訳は、

  • 大企業:5組織
  • 中小企業:3組織

となっています。

したがって、この2,386万円は「中小企業のランサムウェア平均被害額」ではなく、調査へ回答した8組織全体の平均です。

サンプル数も限られるため、日本企業全体の相場として断定するのではなく、ランサムウェア被害時に発生する費用の参考値として扱う方が安全です。

国内企業のサイバー攻撃 被害額・業績影響一覧

国内企業が公表した代表事例を、金額の種類まで分けて整理します。

企業 発生時期 インシデント 公表された金額 金額の種類
アスクル 2025年10月 ランサムウェア・システム障害 52億16百万円 特別損失
KADOKAWA 2024年6月 ランサムウェアを含む大規模サイバー攻撃 36億円 特別損失見込み
カシオ計算機 2024年10月 不正アクセス・ランサムウェア 売上高約130億円減、営業利益約40億円減 業績影響見込み
関通 2024年9月 ランサムウェア・システム停止 5億7,800万円 特別損失
関通 2024年9月 同上 約17億円 後に同社が説明した売上損失・対応費用を含む被害額
イズミ 2024年2月 ランサムウェア 営業収益の計画比約30億円未達など 業績への影響
はてな 2026年4月 虚偽の送金指示による資金流出 11億7,900万円 特別損失

同じ企業でも、決算時点や算定範囲によって数字は変わります。

特にサイバー攻撃直後は、

  • 復旧費用
  • 売上減少
  • 顧客への補償
  • 固定資産除却
  • セキュリティ強化費
  • 弁護士・フォレンジック費用

の総額が確定していないことがあります。

そのため、発生直後の「影響は軽微」という公表と、数か月後の決算で計上される損失額が異なる場合があります。

アスクル―ランサムウェアで52億16百万円の特別損失

アスクルは2026年1月28日、2025年10月19日に発生したランサムウェア攻撃によるシステム障害について、2026年5月期第2四半期連結決算で52億16百万円を「システム障害対応費用」として特別損失に計上したと公表しました。

主な内訳として挙げられているのは、

  • サービス復旧に備えた物流基盤等の維持費用
  • システム調査・復旧費用
  • 出荷期限切れ商品の評価損

です。

さらに、物流システムの停止による休止固定資産の減価償却費・ソフトウェア償却費として6億82百万円を営業外費用に計上しています。

このため、「52億16百万円=サイバー攻撃による損失のすべて」とは限りません。

アスクルは同時に通期業績予想を取り下げ、中間配当を無配、期末配当予想を未定としました。

この事例では、サイバー攻撃の被害額がフォレンジックやサーバー復旧だけではなく、物流停止や商品評価損へ広がっていることが確認できます。

KADOKAWA―調査・復旧・補償など36億円の特別損失

KADOKAWAは2024年6月8日に発覚したランサムウェアを含む大規模サイバー攻撃について、2025年3月期に36億円の特別損失を計上する見込みと公表しました。

同社が挙げた費用には、

  • ニコニコサービスのクリエイター補償
  • 調査費用
  • 復旧費用

などが含まれます。

さらに当初の業績見通しでは、出版・IP創出事業とWebサービス事業を中心に、

  • 売上高:84億円の減少影響
  • 営業利益:64億円の減少影響

を見込んでいました。

ここでも「特別損失36億円」と「売上への影響84億円」は別の数字です。

その後の通期決算では、国内紙書籍におけるサイバー攻撃影響として売上高36.5億円、利益19億円の減少影響が示されています。

サイバー攻撃の被害額は、調査・復旧費だけではなく「本来得られたはずの売上・利益が減る」という形でも発生します。

カシオ―売上高約130億円、営業利益約40億円の減少を見込む

カシオ計算機は2024年10月5日に不正アクセスを受け、重要なシステムの一部が使用できない状態となりました。

2024年11月27日に公表した業績予想の修正では、不正アクセスによる販売・生産等の営業活動への影響として、

  • 売上高:約130億円減
  • 営業利益:約40億円減

を見込んでいます。

これは特別損失ではなく、営業活動が正常にできなかったことによる業績への影響額です。

システム復旧費用が数億円だったとしても、製造・販売が止まれば売上機会の損失がそれを大きく上回る場合があります。

製造業や物流、小売などでは、サイバー攻撃のリスク評価を「IT復旧費用」だけで算定しない方が実態に近くなります。

関通―特別損失5.78億円、後に被害額約17億円と説明

物流サービスを提供する関通では、2024年9月にランサムウェアによるシステム障害が発生しました。

同社は2024年11月、情報セキュリティ対策費用として5億7,800万円を特別損失に計上する見込みと公表しています。

具体的には、

  • ソフトウェアの除却
  • 工具器具備品等の固定資産除却
  • 棚卸資産除却
  • セキュリティ対策費

などです。

その後、関通は自社の講演案内などで、売上損失や対応費用を含めた被害額が約17億円に上ったと説明しています。

同じ事案でも、

「会計上、特別損失として計上した費用」
と
「売上損失などを含めた事業全体の被害」

では金額が大きく変わる例です。

イズミ―ランサムウェアの影響が下期まで継続

「ゆめタウン」などを展開するイズミは2024年2月、グループの一部サーバーがランサムウェア被害を受けました。

同社の統合報告書では、2025年2月期の営業収益について、ランサムウェア被害の影響が想定以上に下期まで長引き、計画比で約30億円の未達になったと説明しています。

ただし、この30億円を「サイバー攻撃の損失額」と単純に扱うのは注意が必要です。

これは特別損失ではなく、営業収益の計画差です。

同社は人件費、光熱費、販促費、M&A後のPMIコストなど他の要因も含めて業績を説明しています。

企業の決算資料を使って被害額を比較する場合は、「攻撃対応費用」「売上影響」「会社全体の業績差」を分離して読む必要があります。

BEC・不正送金は「サイバー攻撃対応費用」と分けて考える

近年は、ランサムウェアだけでなく、経営者や取引先になりすますBEC、ニセ社長詐欺、ビジネスチャット詐欺による直接的な資金流出も相次いでいます。

株式会社はてなでは、2026年4月に悪意ある第三者からの虚偽の送金指示に従って外部口座へ送金する事案が発生し、最終的に11億7,900万円の特別損失を計上しました。

セキュリティ対策Labが継続的に集計している事例では、2026年8月時点でBEC・ニセ社長詐欺や関連する不正送金21件の被害総額は約22億740万円を超えています。

ただし、これもランサムウェアの平均被害額とは混ぜない方がよい数字です。

BECでは、

  • システム復旧費用
  • サーバー暗号化
  • フォレンジック費用

ではなく、「誤って送金した資金そのもの」が主要な損失になります。

最新の被害事例と手口は、ビジネスメール詐欺・ニセ社長詐欺の不正送金被害まとめで整理しています。

サイバー攻撃の被害額は何に使われるのか

サイバー攻撃後に発生する費用は、身代金だけではありません。

企業側では、次の費用を分けて見積もる必要があります。

費用・損失 具体例
フォレンジック・調査 侵入経路、影響範囲、漏えい有無の調査
システム復旧・再構築 サーバー、PC、認証基盤、ネットワークの再構築
事業停止 受注・生産・物流・店舗・Webサービスの停止
売上機会損失 商品を販売・出荷できなかったことによる売上減
固定資産・ソフトウェア除却 信頼できなくなったシステムや機器の廃棄
セキュリティ強化 EDR、MFA、ネットワーク分離、監視などの追加投資
顧客・取引先対応 コールセンター増強、問い合わせ、通知
個人情報漏えい対応 本人通知、調査、補償、規制当局への対応
法務・広報 弁護士、危機管理広報、開示対応
不正送金 BEC・アカウント乗っ取り等による直接的な資金流出
信用・ブランド 解約、取引停止、将来の売上低下

サイバー攻撃への投資対効果を検討するときも、「復旧サーバーの費用」だけを想定すると被害を過小評価します。

特別損失・売上減・被害額は同じではない

企業事例を比較するときに最も誤解しやすいのが、金額の定義です。

特別損失

決算上、通常の事業活動では継続的に発生しない損失として処理されたものです。

サイバー攻撃では、調査、復旧、補償、資産除却などが含まれる場合があります。

ただし、すべての損失が特別損失に含まれるとは限りません。

売上高の減少

システム停止などにより商品やサービスを提供できず、売上が減少した金額です。

これは費用ではなく、得られなかった売上です。

営業利益への影響

売上減少や追加費用によって、本業の利益がどれだけ減ったかを示します。

被害額

企業や調査主体によって定義が異なります。

復旧費だけを指す場合もあれば、売上損失、内部工数、顧客対応、追加セキュリティ投資まで含める場合もあります。

資金流出額

BECや不正送金では、攻撃者へ送ってしまった金額そのものです。

回収できた金額がある場合、最終損失とは異なることがあります。

「サイバー攻撃の相場」を1つの数字で決めない

経営層から「サイバー攻撃を受けるといくら損するのか」と聞かれた場合、1つの平均値だけを答えるのは避けた方が安全です。

企業規模や業種だけでなく、

  • 停止するシステム
  • 停止期間
  • 個人情報の件数
  • 海外規制への対応有無
  • 生産・物流への依存度
  • バックアップからの復旧速度
  • 委託先や顧客への波及
  • 上場企業かどうか
  • 認証基盤が侵害されたか
  • データが外部公開されたか

によって損失は大きく変わります。

そのため、説明には複数の数字を使います。

たとえば、

  • IBM:日本のデータ侵害平均コスト5億5,000万円
  • JNSA:ランサムウェア回答8組織の平均被害金額2,386万円
  • アスクル:システム障害対応費用52億16百万円
  • カシオ:売上高約130億円の減少影響見込み

のように、調査値と実企業事例を並べた方が経営判断に使いやすくなります。

被害額を抑えるために企業が確認したい対策

侵入を早く検知する

攻撃者の侵入から暗号化・情報窃取まで時間がある場合、その途中で検知できれば被害を限定できます。

EDR、SIEM、SOCなどを導入していても、アラートを確認する担当者や対応手順がなければ封じ込めが遅れます。

確認したいのは、

  • 高権限アカウントの不審利用
  • 大量ファイルアクセス
  • EDR停止
  • 新規管理者作成
  • バックアップへのアクセス
  • 通常利用しない時間帯・地域からの接続

です。

バックアップを本番環境から分離する

ランサムウェアでは、本番サーバーと同じ認証・ネットワークからアクセスできるバックアップも暗号化される可能性があります。

オフラインまたはイミュータブルなバックアップを用意し、実際に復元できるか定期的に確認します。

VPN・ファイアウォールなど外部公開機器を優先して直す

VPN、ファイアウォール、ファイル転送製品、Web管理画面などはインターネットから直接到達するため、脆弱性の悪用が確認された場合は優先して対応します。

CVSSだけでなく、

  • CISA KEVへの掲載
  • ベンダーによる実悪用確認
  • 認証不要で悪用できるか
  • インターネット公開されているか

を組み合わせて対応期限を決めます。

ネットワークを分離して横展開を抑える

一つの端末やアカウントが侵害されても、物流、基幹、バックアップ、認証基盤まで一気に到達できないようにします。

ネットワーク分離だけでなく、管理者アカウントの分離、特権アクセス管理も確認します。

サイバー攻撃時のBCPを作る

カシオ、KADOKAWA、アスクルの事例では、ITシステムの障害が販売、物流、サービス提供へ直接影響しました。

BCPでは、

  • どのシステムを最優先で復旧するか
  • システムなしで継続できる業務は何か
  • 受注・出荷を手作業へ切り替えられるか
  • 取引先・顧客への連絡方法
  • 復旧判断を誰が行うか

まで決めます。

机上演習で経営判断まで確認する

ランサムウェアでは、技術担当者だけで対応が完結しません。

経営層は、

  • ネットワークを止めるか
  • サービスを停止するか
  • 公表するか
  • 顧客へいつ連絡するか
  • 復旧を優先する事業はどれか

を短時間で判断する必要があります。

実際の事例を使った机上演習で、情シス・CSIRTだけでなく、経営、法務、広報、事業部まで含めた対応を確認できます。

BECは送金業務の統制で防ぐ

BECやニセ社長詐欺では、マルウェアが使われないケースもあります。

その場合、EDRやバックアップでは資金流出を防げません。

高額送金、送金先変更、緊急送金について、

  • メールやチャットとは別経路で確認
  • 複数人承認
  • 初回口座への送金制限
  • 既存ワークフローを省略しない

という業務統制が必要です。

情報システム部門が経営層へ説明するときの使い方

サイバー攻撃の被害額をセキュリティ予算の説明に使う場合は、「他社で52億円かかったので投資すべき」とだけ説明するより、自社の事業構造へ置き換えます。

たとえば、

基幹システムが5日停止した場合の1日あたり売上

復旧に必要な外部ベンダー費用

個人情報が漏えいした場合の通知・問い合わせ対応

物流や生産が停止した場合の取引先影響

追加セキュリティ対策費

社内対応工数

を試算します。

その上でIBMやJNSAの平均値、アスクル、KADOKAWA、カシオなどの公表事例と比較すると、セキュリティ投資を「ITコスト」ではなく「損失回避・事業継続投資」として説明しやすくなります。

よくある質問

サイバー攻撃の平均被害額はいくらですか?

一律の平均額はありません。

IBMの2025年調査では、日本のデータ侵害コストは平均5億5,000万円です。

JNSAの調査では、ランサムウェア被害を回答した8組織の平均被害金額は2,386万円でした。

対象とするインシデントや調査方法が異なるため、数字を直接比較することはできません。

中小企業のランサムウェア平均被害額は2,386万円ですか?

JNSAの2,386万円は、中小企業だけの平均ではありません。

有効回答8組織のうち、大企業が5組織、中小企業が3組織です。

そのため「中小企業の平均」として引用しない方が正確です。

サイバー攻撃で最も高額になるのは身代金ですか?

必ずしもそうではありません。

国内企業の公表事例では、システム復旧、事業停止、売上機会損失、資産除却、顧客対応、セキュリティ強化などが大きな費用になっています。

身代金を支払っていなくても数億円から数十億円の損失が発生する事例があります。

サイバー攻撃の被害額と売上減少額は同じですか?

異なります。

特別損失は調査・復旧・補償等の費用として会計計上された金額、売上減少はサービス停止等によって得られなかった売上です。

企業事例を比較するときは、金額の種類を確認してください。

サイバー保険で被害額をすべて補償できますか?

契約内容によって異なります。

フォレンジック、復旧、賠償、事業中断などを補償する商品がありますが、補償対象、免責、上限額、ランサムウェアに関する条件などは契約ごとに異なります。

「想定被害額」と「保険で移転できるリスク」を分けて確認する必要があります。

まとめ

サイバー攻撃の被害額を確認する際は、金額の大きさだけではなく、その数字が何を表しているかを確認します。

アスクルの52億16百万円はシステム障害対応費用としての特別損失、カシオの約130億円は売上高の減少影響見込みです。

また、IBMの5億5,000万円は日本のデータ侵害平均コスト、JNSAの2,386万円は回答8組織のランサムウェア平均被害金額であり、調査対象も異なります。

経営層へサイバーリスクを説明する場合は、

  • 復旧費
  • 事業停止
  • 売上・利益への影響
  • 顧客対応
  • 情報漏えい対応
  • セキュリティ再構築
  • 不正送金

を分け、自社で発生した場合の金額へ置き換えて試算する方が実務的です。

出典