山形大学、サポート詐欺による不正アクセスで学生の個人情報漏洩の可能性 

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山形大学、サポート詐欺による不正アクセスで学生の個人情報漏洩の可能性 

2025年5月12日、山形大学は、同学教員が使用していたノートパソコンがサポート詐欺による不正アクセスを受け、学生の個人情報が流出した可能性がある事案が発生したことを公表しました。大学側は現在、対象となる学生に対して順次お詫びと説明を進めており、同時に関係機関への報告や警察への相談も行っています。

事案の概要

4月21日、山形大学の教員が業務で使用するノートパソコンに、いわゆる「サポート詐欺」の虚偽警告が表示され、案内された指示に従って遠隔操作ソフトをインストールした結果、第三者による不正アクセスを許してしまう事態が発生しました。

これにより、当該パソコンに保存されていた学生の個人情報が流出した可能性が懸念されています。

なお、現時点では個人情報の漏洩や、二次被害(金銭被害等)は確認されていないとのことです。

漏洩した可能性のある個人情報

今回漏洩した可能性がある情報は以下の通りです。

  •  学生名簿(2017~2025年度)

    • 2,306名分の氏名及び学生番号

  •  健康調査票

    • 313名分の学生番号、メールアドレス、生年月日、電話番号、健康調査票回答事項

  • 学生相談に関連する名簿(パスワードで暗号化)

    • 12名分の氏名及び学生番号

  • 学生相談に関連する名簿(パスワードで暗号化)

    • 6名分の氏名、学生番号、要望等の事項

※対象は農学部、大学院農学研究科および岩手大学大学院連合農学研究科(山形大学配属)の学生となります。

サポート詐欺とは

サポート詐欺とは、パソコンやスマートフォンの画面に突然「ウイルスに感染しました」「危険なエラーが検出されました」といった偽の警告メッセージを表示させ、ユーザーに不安を煽る手口です。

画面には「サポートセンターに今すぐ電話してください」という番号が表示され、そこに電話をかけると、詐欺師が偽のサポート担当を装って対応します。
指示通りに操作してしまうと、

  • 遠隔操作ソフトをインストールさせられる

  • 個人情報を盗まれる

  • 不要な高額サポート契約を結ばされる

  • パソコンを人質に身代金を要求される

といった被害に繋がります。

サポート詐欺への主な対策

偽の警告に慌てない

本物のセキュリティ警告であれば、パソコンのウイルス対策ソフト(例:Windows Defenderなど)が通知を出します。
ブラウザのポップアップで「電話しろ」と指示してくる場合はほぼ詐欺です。絶対に電話をかけないでください。

指示に従わない・ソフトをインストールしない

遠隔操作ソフト(例:AnyDesk、TeamViewerなど)をインストールさせようとするのは詐欺の典型です。案内されたソフトは絶対にインストールしないようにしましょう。

警告画面はブラウザごと閉じる

詐欺の画面が出たら、ブラウザをすぐに閉じます。閉じられない場合は、タスクマネージャー(Windows)やアクティビティモニタ(Mac)で強制終了してください。

セキュリティソフトでウイルススキャンを実施

不安な場合は、EDRやアンチウイルスソフトでパソコン全体のスキャンを行い、ウイルス感染の有無をチェックしましょう。