注目のバーティカルSaaSベンダー4選

国内外問わずSaaS業界は急激に市場規模を拡大しています。今回の記事では、これからも成長が予測されるSaaSについて、様々な業界の注目すべきSaaS企業についてご紹介します。

SaaSとは「Software as a Service」の略語であり、「サーズ」あるいは「サース」と呼ばれています。SaaSは、クラウドサーバー上で完成されたソフトをインターネットを通じて利用するサービスです。そのため、サービス導入にあたって、大掛かりなシステム開発やハードウェア、サーバーの準備などの環境設定を行う必要が無い点が特徴として挙げられます。リモートワークや在宅ワークの普及を受けて、SaaSの活用が拡大しています。

今後更なる成長が期待されるSaaS業界において、様々な業界における注目されるSaaS企業をサービスとともにご紹介します。

介護業界向け

Shiftmation(運営会社:株式会社アクシバーズ)

株式会社アクシバーズは、「人が活躍できる環境を整えより良い社会をつくる」をビジョンとして掲げる、勤務シフト自動作成サービス「Shiftmation」の運営を行う2015年1月設立の企業です。

同社が運営する「Shiftmation」は人工知能が自動でシフトを作成するため、これまで管理職の方が手間暇をかけていたシフト作成の時間を圧倒的に短縮する点が特徴として挙げられます。従業員はスマホから希望の日時・時間帯を提出するだけで、管理者は自動作成ボタンを押すだけで、複数の条件を考慮した勤務シフトを1ヶ月分自動で作成できます。従業員の方はマイページでシフトを確認できます。

なお「Shiftmation」は経済産業省等が後援の「第7回 HRテクノロジー大賞」において、人事システム部門の「奨励賞」を受賞しています。2022年7月時点の情報では正式版をリリースして約3年半で自動作成されたシフトは7万件を超えたとの記載があります。

また本サービスの特徴としては、介護・医療業界を中心として専門職の夜勤を伴うようなサービスを展開している企業に対して、複雑なシフトを短時間で作成できる点が挙げられます。介護施設やクリニックを運営する社会福祉法人や市立病院などでの導入が進んでいます。

人手不足が続く昨今、管理職・従業員の方が働く環境を整えることは非常に重要です。今までシフト作成にかけていた時間を削減することで、利用者への価値提供に割く時間を増やすとともに、管理職・従業員の方も、よりサービスの本質に向き合う時間が増えるのではないかと思います。

参考/引用サイト

<https://www.shiftmation.com/>

<https://axiverse.co.jp/>

医療業界向け

Dfree(運営会社:トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社)

排泄予測デバイス「Dfree」の企画・開発・販売を行うトリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社は2015年2月設立の会社で「世界を一歩前に進める」をミッションに事業を展開する企業です。

アメリカで会社を創業し、2018年6月には経済産業省のスタートアップ企業の育成支援プログラム「J-Startup」に採択されるなど複数の受賞歴もあります。

2023年3月時点で、前澤ファンドをリードインベスターとしたシリーズDラウンドの第三者割当増資を行うなど累計35億円の資金調達を実施しました。

「Dfree」は世界初の排泄予測デバイスであり、超音波センサーを用いて生体データを分析することで、排泄のタイミングを予測するIoTウエラブルデバイスです。具体的な使用方法は、超音波センサーを下腹部に装着することで、膀胱の尿の貯まり具合を10段階でスマートデバイス等に表示し、トイレのタイミングを事前にお知らせしてくれます。膀胱に尿が溜まっている状態でのトイレへの誘導が可能となるため、従来の排泄ケアでは困難であった、利用者の個人のニーズにあったサポートが可能となります。

介護される側にとって排泄は非常に重要な問題で、恥ずかしくて言い出せない、そして失禁して自信を失ってしまうケースがあるなど、QOL(生活の質)向上は急務の課題でした。そのような課題を「Dfree」は解決する一助となり、また、介助者の負担の軽減も実現することが可能です。

「Dfree」は公式オンラインショップやAmazon、楽天市場等のインターネット、また、オフラインでは全国のコジマ×ビックカメラの取扱い店舗で購入が可能です。

参考/引用サイト

<https://dfree.biz/>

<https://www-biz.co/>

保育/教育業界向け

こども施設向けICTシステム「CoDMON(コドモン)」 (運営元:株式会社コドモン)

株式会社コドモンは、2018年11月にWebシステム受託開発事業をおこなっている株式会社スパインラボから分社化して設立された会社です。

CoDMONは保育、教育施設向けの登降園管理・保護者連絡・帳票作成・請求業務などをデジタル化するICTツールで保育士1人あたり、毎日約1時間、月間約22時間の業務を短縮と、事務職員1人あたり、月間約9時間の業務短縮が可能としています。
保育/教育業界は介護業界と同様にICT化が遅れていますが、施設産業のため1人あたりの生産性向上が鍵となっていて、CoDMONのようなツールが普及しています。

参考/引用サイト

<https://www.codmon.co.jp/company/>

<https://www.codmon.com/>

建設業界向け

BALLAS(運営会社:株式会社BALLAS)

株式会社BALLASは「建設業を最適化し、人々を幸せに。」という使命に向けて、建設部材の最適な調達を実現することを事業ビジョンとして掲げる、2022年2月設立の企業です。

同社が運営する「BALLAS」は施工現場で使用するオーダーメイドの建設部材をWebで簡単に調達できるサービスを展開しています。参考図面をアップロードすることで部材の図面作成から調達まで完了することが特徴です。

建設業界も他の業界と同様に多重構造の業界で、設計→施工→部材調達と建築物のパーツに分解していく過程において部材毎の図面の再作成、価格のブラックボックス化などの問題が存在しています。同社サービスはそのような課題を解決するプラットフォームとしての役割を目指しています。

創業以来、意匠性・機能性・柔軟性の高い建設部材ブランドとして、オーダーメイドの金属部材を中心に1,500件以上の部材を供給しており、内製のBALLASシステムを活用しながら部材の設計最適化、部材製作に関わるオペレーションの最適化を図ることで、従来よりも1-2か月短縮した納期・工数を実現しております。

2023年3月時点で11.6億円の資金調達を実施し、着実に成長を遂げている企業です。

参考/引用サイト

<https://www.ballas.biz/>

まとめ

今回は、介護業界向け、医療業界向け、建設業界向け、マーケティング業界向けのSaaS企業をご紹介しました。様々な業界でSaaS企業が活躍しており、今後業界を一変する可能性を秘めている企業も多数あります。皆さんも自身の属する業界で広がりつつあるSaaS企業などありましたら注目してみるといかがでしょうか。きっとこれまでと異なる視点で企業や業界などが見えてくるかもしれません。

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