大阪・関西万博の海外パビリオン建設を巡り、下請け業者への工事費用未払いが相次いで発覚しています。複数の下請け企業が支払いを受けられず、「被害者の会」として会見を開く事態にまで発展。一部では経理担当による横領の疑いも指摘されており、法的措置に踏み切る企業も出ています。国家的プロジェクトの裏で何が起きているのか、不透明な資金の流れと施工現場の混乱が浮き彫りになっています。
アンゴラ館:約4,300万円の未払いと”横領”疑惑
アンゴラ館では、4次下請け企業A社が約4,300万円の未払いに直面しています。3次下請けのX社が支払いを止めたことが原因で、X社社長は「許可していない送金が複数回確認され、経理担当による横領の可能性がある」と述べています。X社の通帳には、万博工事費として入金された同日に別の会社に1,000万円が送金されていた記録があり、不審な資金流用の実態が浮上しています。
X社の社長は取材に「現状、お金がなく支払いは困難。経理担当B氏に裏切られた」とコメント。なお、X社の口座残高は数万円で、即時返済は不可能としています。
マルタ館:1.2億円の未払いで訴訟に発展
マルタ館では、一次下請け企業B社が元請け企業を相手取り約1億1,800万円の支払いを求めて裁判を起こしました。未払いの内訳は、請負代金約7,700万円と追加工事費用約4,000万円です。
B社は、納期が迫る中で長時間労働により4月の開幕前に工事を完了させたものの、元請け側は「スケジュールに間に合わなかった」として支払いを拒否。B社代表は「もう回収の見込みもなく、資金も底を突いている」と苦しい胸の内を語っています。
中国館:約3,700万円の追加費用未払い
中国館でも、追加工事費用約3,700万円が支払われていない問題が報告されています。担当下請け企業の代表は「公共事業だと信じて請け負ったが、支払いがなく失望している」とコメントしています。
背景にある構造的課題
これらのトラブルは、多層構造の下請けシステムや責任所在の曖昧さが原因と考えられています。中間業者を多数挟むことで資金の流れが不透明となり、ひとたび上流で支払いが止まると末端まで影響が及びます。
また、万博協会は「民間間の契約トラブル」として積極的な支援策を講じておらず、現場の業者は救済の道が限られています。








