東芝テック従業員、架空受注によるPC転売で約2億円を着服

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東芝テック従業員、架空受注によるPC転売で約2億円を着服

電機大手・東芝の子会社でオフィス機器を手がける東芝テックの従業員が、約8年間にわたり、架空のPC受注を繰り返し、転売による着服を続けていたことが発覚しました。被害額は約2億円にのぼり、会社はこの従業員を懲戒解雇としました。

着服の概要

東芝テックの発表によると、この従業員は2017年度から2024年までの約8年間にわたり、実際には存在しない顧客の注文を装い、PCを架空発注。その後、製品を転売し、売却益を着服していました。


発覚のきっかけは、上司が顧客との取引について確認した際、不審な点が浮上し、社内調査を進めたことでした。

従業員は不正を認め、会社は2025年2月18日付で懲戒解雇の処分を決定。今後、刑事告訴についても検討するとしています。

東芝テックは「今回の事態を厳粛に受け止め、業務プロセスの見直しやコンプライアンス教育など、内部管理体制の強化に努める」とコメントしており、再発防止策の徹底を進める方針です。

参照

東芝テック 従業員がPC架空受注し転売 被害額約2億円 懲戒解雇

なぜ着服が繰り返されるのか?内部不正が起きる理由

こうした社内の着服や横領事件は、決して珍しいものではありません。では、なぜ内部不正が起きるかの理由は以下です

  1. チェック体制の甘さ
    長期間にわたる不正が発覚しなかった背景には、管理・監査体制の不備があると考えられます。特に、発注や経理処理が個人の裁量に依存しやすい環境では、第三者によるチェックが行き届かず、不正が見過ごされるケースが多くあります。

  2. 金銭的な動機
    生活苦や多額の借金が動機となるケースも少なくありません。また、近年の物価上昇やコロナ禍による収入の減少が影響し、一部の従業員が経済的に追い詰められ、不正行為に手を染めることも考えられます。借金や、生活費、遊興費などの金銭的な動機の場合は、内部統制が効かずどのような会社でも発生する内部不正になります。

  3. 不正がバレにくい環境
    「一度だけなら…」という軽い気持ちで始まった不正が、発覚しないことで繰り返され、エスカレートしていくケースもあります。企業側が厳格な内部監査を行わない限り、不正を続けやすい環境が生まれてしまいます。

過去発生した横領事件

過去発生した横領事件は以下です

三菱電機株式会社

三菱電機株式会社は元従業員が架空発注を繰り返し、代金を着服するという不正行為を発表しました。被害額は4.6億円とのこと

ゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行は高岡店(金沢支店高岡出張所:富山県)の元社員(50 代男性)が、同店金庫内の現金を不正に持ち出し窃取した事を発表しました。

なお窃取金額は4000万円とのことです。

貸金庫における現金盗難事件

三菱UFJ銀行

三菱UFG銀行の貸金庫で現金や金塊の盗難事件が発生しました。

警視庁は約4年半で計約60人から現金10億円以上、金塊など時価7億円相当以上を盗んだとみて、元支店長代理の今村由香理容疑者(46)を逮捕しました。

犯行の動機はFX取引で損失10億円を取り返すためだったとされています。

みずほ銀行

元行員が同行の貸金庫から利用者の現金を窃取していた事が明らかになりました。

対象の行員は既に懲戒解雇されています。