2025年12月Hudson Rock’s の調査によるとClickFix(クリックフィックス)を自動化するサイバー攻撃 ツールErrTrafficを観測しました。
目次
ClickFixとは
その代表例が「ClickFix」と呼ばれる攻撃手法です。
ClickFixは、Webサイト上に偽のエラー表示や更新通知を出し、利用者自身にPowerShellなどのコマンドを実行させることでマルウェア感染を成立させます。
ユーザー操作を起点とするため、EDRや従来型セキュリティ製品をすり抜けやすく、企業環境でも被害が顕在化しています。
ErrTrafficとは何
今回の調査レポートで注目されているのが、ClickFix攻撃を大規模に展開するための犯罪基盤「ErrTraffic(ErrTraffic v2)」です。
ErrTrafficはロシア語圏のサイバー犯罪フォーラムで流通しており、販売価格は約800ドル(約12万4,000円)とされています。
比較的安価であることから、専門的な技術を持たない攻撃者でもClickFix攻撃を実行できる点が特徴です。
管理画面では、アクセス数、感染成功率、OS別内訳などが可視化されており、正規の広告分析ツールと見分けがつかない完成度を持っています。
偽エラー表示による高い感染成功率
ErrTrafficの中核をなすのが、「フェイクグリッチ」と呼ばれる演出です。
Webページ上の文字やレイアウトを意図的に崩し、表示異常が発生しているように見せることで、利用者に不安を与えます。
その結果、「修正するには操作が必要」と誘導され、指示されたコマンドを実行してしまうケースが多発しています。
調査では、誘導に応じたユーザーの約60%が実際にマルウェアに感染しており、従来のフィッシング攻撃と比べても非常に高い成功率が確認されています。
OSを自動判別し最適なマルウェアを配布
ErrTrafficは単なる詐欺ページではなく、トラフィック分配システム(TDS)として機能します。
アクセスしてきた端末のOSを自動で判別し、
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Windows:情報窃取型マルウェア(Stealer)
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macOS:別系統の認証情報窃取マルウェア
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Android:銀行情報を狙うトロイの木馬
といった形で、環境ごとに最適なマルウェアを配布します。
この結果、企業の管理者アカウント、CMS認証情報、クラウドサービスのログイン情報が大量に盗まれる事例が確認されています。
情報窃取からWeb改ざんへ広がる被害連鎖
ErrTrafficの危険性は、単発の感染にとどまりません。
盗まれた認証情報は他の攻撃者に転売、または再利用され、次の侵害につながります。
侵害されたWebサイトにErrTrafficのスクリプトが埋め込まれることで、
情報窃取 → Web改ざん → 新たなClickFix感染
という被害の連鎖が生まれます。
この構造により、攻撃は短期間で拡散し、長期化しやすい特徴を持ちます。
企業に求められる現実的な対策
ErrTrafficの事例は、「技術的防御だけでは限界がある」ことを明確に示しています。
PowerShellやコマンド実行は正規操作であるため、検知が難しいケースも少なくありません。
企業に求められる主な対策は以下の通りです。
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偽エラーや修正指示を疑うセキュリティ教育の強化
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CMSや管理画面への多要素認証(MFA)の徹底
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Stealer感染を前提とした認証情報漏えい監視
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Web改ざんの早期検知体制の整備
特に、従業員の操作を起点とするソーシャルエンジニアリングが主流となりつつある点を踏まえた対策が重要です。
出典








