2026年3月16日午前10時10分頃、沖縄県名護市辺野古沖で研修旅行中の高校生らを乗せた小型船2隻が転覆し、同志社国際高校2年生の武石知華さん(17歳)と「不屈」の船長金井創さん(71歳)の2名が亡くなりました。16名が負傷しました(うち生徒14名・乗組員2名)。
事故から2か月後の2026年5月15日、作家・安田峰俊氏が週刊ポスト(小学館)のスクープとして、船を運航していた「ヘリ基地反対協議会(海上ヘリ基地建設反対・平和と名護市政民主化を求める協議会)」の東恩納琢磨事務局長(名護市議会議員・現職)が、事故の約3か月前にあたる2025年12月下旬、米国務省から「外国使節団(Foreign Mission)」として指定された中国紙『環球時報(Global Times)』の記者・邢曉婧氏を観光用グラスボートに乗せ、辺野古基地周辺の制限区域近くまで案内していたことを報じました。
目次
事件の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生日時 | 2026年3月16日 午前10時10分頃 |
| 発生場所 | 沖縄県名護市 辺野古沖(キャンプ・シュワブ沿岸) |
| 転覆船舶 | 「不屈」(1.9トン・乗員9名)/「平和丸」(5トン未満・乗員12名) |
| 乗船者 | 同志社国際高校2年生18名(平和学習)・乗組員3名 計21名 |
| 死亡 | 武石知華さん(17歳・「平和丸」乗船)・金井創さん(71歳・「不屈」船長・牧師) |
| 負傷 | 生徒14名・乗組員2名 計16名 |
| 当日の気象 | 名護市に波浪注意報が発令されていた |
| 出航判断 | 明文化された基準はなく、船長判断に委ねられていた |
| 事業登録 | 「不屈」「平和丸」は海上運送法に基づく事業登録がなかった(国土交通省が再発防止策として周知) |
| 引率教員 | 乗り物酔い・体調不良のため乗船しなかった |
| 救命胴衣 | 全生徒が着用していたが、正しい装着方法の指導は行われなかった。武石知華さんは転覆から約1時間後、救命胴衣が船体に引っかかった状態で発見。死因は溺死 |
2026年3月16日午前10時10分頃、沖縄県名護市辺野古沖で、研修旅行「平和学習」中の同志社国際高校の生徒らを乗せた小型船2隻が転覆しました。この事故により、同校2年生の武石知華さん(17歳)と「不屈」の船長・金井創さん(71歳)の2名が死亡し、16名が負傷した(生徒14名・乗組員2名)。
船を運航していたのは「ヘリ基地反対協議会(海上ヘリ基地建設反対・平和と名護市政民主化を求める協議会)」で、転覆した「不屈」(1.9トン)と「平和丸」(5トン未満)はいずれも海上抗議活動に使われてきた船だった。
同団体の事務局長を務める東恩納琢磨氏は、名護市議会議員4期の現職でもあります。。
事故の問題—安全管理体制の複数の疑義
事故をめぐっては、安全管理面での複数の問題が報じられ、現在捜査が継続中です。
当日、名護市に波浪注意報が発令されていたにもかかわらず出航が行われ。出航可否に関する明文化された基準は存在せず、判断は船長に一任されていました。
※引率教員は乗り物酔いと体調不良を理由に乗船しなかった。
なお、全生徒が救命胴衣を着用していたものの、正しい装着方法の指導は行われておらず
さらに「不屈」「平和丸」の両船は、海上運送法に基づく旅客運送事業の登録がなかったことが明らかになり、国土交通省が再発防止策の一環として業界に周知しました。
料金については、同志社国際高校が船員3名に計1万5,000円(1人5,000円×3名)を支払っていたと学校側が公表した。これに対し反対協は当初「無償ボランティアのため登録不要」と説明したが、後に「カンパ」と説明を変更ています。
第十一管区海上保安本部は業務上過失致死傷の疑いを視野に入れた捜査を開始しており、運輸安全委員会による事故調査も継続中です。
幹部の服装も指摘される—謝罪会見と国際平和賞授賞式という2つの「公の場」
事故当日の夜(2026年3月16日午後8時24分、名護市大南)、反対協は記者会見を開き謝罪の説明を行った。この場に出席した5名のうち、安次富浩顧問の服装がSNSや複数のメディアで広く指摘されました。
沖縄タイムスが同会見を撮影した写真(2026年3月17日掲載、撮影:喜屋武綾奈氏)には、東恩納琢磨事務局長・仲村善幸共同代表・浦島悦子共同代表・安次富浩顧問・仲本興真顧問の5名が並ぶ様子が収められている。安次富氏はカジュアルな普段着姿で会見に臨み
「謝罪会見でジャージ姿だったから、スーツを持っていない人かと思った」という投稿がSNS上で拡散され、広く注目を集めました
一方、共同通信が2017年12月6日に配信した写真(撮影日:2017年11月24日、スペイン・バルセロナ)では、国際平和ビューロー(IPB)主催の「ショーン・マクブライド平和賞」授賞式において、スーツ姿で花束を受け取る同人物の姿が確認できます、
この写真はオール沖縄会議が「米軍基地に反対し続けてきた不撓不屈の非暴力闘争」を理由に同賞を受賞した際のもので、安次富氏(当時ヘリ基地反対協議会共同代表)が出席したと報道されています。
この事から、安次富氏がTPOを判断した服装を選択できる人物であるという事が分かります。
米国・フランスが「外国政府の宣伝機関」と指摘する環球時報が取材・動画を公開
2026年5月15日、週刊ポスト(小学館)の紀実作家・安田峰俊氏によるスクープで、事故のわずか約3か月前にあたる2025年12月下旬、東恩納琢磨事務局長が中国メディア『環球時報(Global Times)』の記者・邢曉婧(Xing Xiaojing)氏を観光用グラスボートに乗せ、辺野古基地周辺の制限区域近くまで船で案内していたことが報じられました。
環球時報は取材の模様を動画化し、2026年2月26日にTencent News(腾讯新闻)上に「环球零距离・琉球之痛:反对美军基地,琉球人誓言抗争到底(琉球の痛み:米軍基地に反対、琉球人は徹底抗争を誓う)」として公開しました。
環球网(环球时报)自身が投稿した記事本文には「《环球时报》记者于2025年12月赴琉球采访时,当地反基地运动人士东恩纳琢磨曾带领记者乘船前往边野古基地附近海域(環球時報の記者が2025年12月に琉球を取材した際、地元の反基地運動家・東恩納琢磨が記者を乗せて辺野古基地付近の海域へ案内した)」と明記されています。
船室内で舵を握る男性のテロップには「
名护市渔民 东恩纳琢磨(名護市漁民 東恩納琢磨)」と表示され、
「我是船长东恩纳(私が船長の東恩納です)」という発言が収録されている。また制限区域近接時の場面では、海上保安庁の監視船から「此处为限制区域,立即离开(ここは制限区域です、直ちに離れてください)」との警告音声が響く中、「对方也会拍照记录,你们随便拍就行(向こうも写真記録するから、好きに撮っていいよ)」とのテロップが確認できます。
なお邢曉婧氏が辺野古の海岸を背景に現地からレポートする場面も収録されています。
なお、記者が乗船したボートは高校生が乗った「不安定な抗議船」ではなくと、環球時報記者が乗った船は船室のある観光用グラスボートでした。
週刊ポストは「中国人記者たちには比較的安全な観光用の船を提供しておきながら、拒むすべを持たない高校生に危険な船をあてがったのはなぜなのか」と問いかけており、この問いかけはSNS上でも広く共有されています。
米国務省による「外国使節団」指定
2020年6月22日、米国務省は外国使節団法(Foreign Missions Act)に基づき、環球時報(Global Times)を含む中国メディア4社を「外国使節団(Foreign Mission)」として公式に指定しました(米国務省プレスリリース:https://2017-2021.state.gov/designation-of-additional-chinese-media-entities-as-foreign-missions/)。
当時の国務省報道官・Morgan Ortagus氏は「西側メディアが真実に従うのに対し、PRCメディアは中国共産党に従う」と述べ、David Stilwell国務次官補(東アジア・太平洋担当)は「共産党はこれらのプロパガンダ機関の内容に対して完全な編集権を有している」との見解を示しています。この指定により、対象媒体は米国内の人員名簿と不動産保有を国務省に届け出る義務を負い、外交使節館に準じた透明性確保の措置が適用されます。
辺野古における認知戦——公安調査庁が注意を促してきた背景
今回の環球時報動画の公開は、公安調査庁が長年にわたり注意を呼びかけてきた動向と重なります。
法務省 公安調査庁が公表する「内外情勢の回顧と展望」(公安調査庁公式)において、沖縄の基地問題をめぐる中国の接近は複数年にわたって言及されてました。
2015年(平成27年)版のコラム「琉球帰属未定論の提起・拡大を狙う中国」では、人民日報系紙・環球時報が沖縄関連の論文に反応して記事を掲載するなど「中国側の関心は高く、今後の沖縄関連の中国の動きには警戒を要する」と記されています。
2017年(平成29年)版では、「中国国内で『琉球帰属未定論』に関心を持つ大学やシンクタンクが中心となって、『琉球独立』を標榜する我が国の団体関係者などとの学術交流を進め、関係を深めている。こうした交流の背後には、沖縄で、中国に有利な世論を形成し、日本国内の分断を図る戦略的な狙いが潜んでいるものとみられ、今後の沖縄に対する中国の動向には注意を要する」と踏み込んだ分析が示されています。
また、2026年(令和8年)版においても、台湾有事を見据えた中国の対沖縄影響工作への継続的な警戒が記述されており、辺野古問題が中国による情報発信の重要なテーマとなってきたことが公式文書からも確認できます。
なお、これらの公安調査庁の記述は学術・研究交流に関するものであり、ヘリ基地反対協議会や個人の活動家と中国政府機関との間に組織的な資金提供や指示命令関係があることを示したものでありません。
フランス軍事学校戦略研究所(IRSEM)の報告書
フランス軍事学校戦略研究所(IRSEM)は2021年、「Chinese Influence Operations: A Machiavellian Moment」と題する大規模な報告書を公表しており、中国の影響力工作および認知戦の全体像について分析したこの報告書は、沖縄の基地反対運動への関与についても言及しています。
米国の国務省とフランスの国防系研究機関の双方が、取材側の環球時報を「外国政府の宣伝機関」として問題視していることは注目に値する。
参考情報
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- 辺野古転覆ボート運行の反対協幹部が「中国プロパガンダ機関」記者を船に乗せて基地に接近(NEWSポストセブン、2026年5月15日)
- 謝罪会見写真(沖縄タイムス、2026年3月17日、喜屋武綾奈撮影)
- 辺野古反対派に国際平和賞「不撓不屈の闘争」と称賛(共同通信、2017年12月6日)
- 环球零距离・琉球之痛(Tencent News / 环球网、2026年2月26日公開)
- Designation of Additional Chinese Media Entities as Foreign Missions(米国務省、2020年6月22日)
- Chinese Influence Operations: A Machiavellian Moment(フランス軍事学校戦略研究所・IRSEM、2021年)
- 内外情勢の回顧と展望(法務省 公安調査庁)
- 辺野古ボート転覆事故遺族メモ(note:beloved_tomoka)







