ServiceNow AI Platformに未認証RCEを許すサンドボックスエスケープ 脆弱性(CVE-2026-6875)

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ServiceNow AI Platformに未認証RCEを許すサンドボックスエスケープ 脆弱性(CVE-2026-6875)

ServiceNowは2026年7月13日、同社の「AI Platform」に存在する重大なサンドボックスエスケープの脆弱性CVE-2026-6875を修正したと公表しました。認証を一切必要とせず、特定の条件下でリモートからコードを実行できるという深刻な脆弱性で、当サイトでも既報の通り、同種のサンドボックスエスケープ・RCE脆弱性はわずか数カ月前の2026年2月にも確認されており、ServiceNowのAI機能を巡る隔離機構の堅牢性が改めて問われる事態となっています。

サマリー

  • ServiceNowは2026年7月13日、同社の「AI Platform」における重大なサンドボックスエスケープの脆弱性CVE-2026-6875を修正したと、ナレッジベース記事KB3137947を通じて公表した。CVSSスコアは9.5(Critical)とされている
  • サンドボックス環境は、AI駆動型の処理をより広範なアプリケーションスタックから隔離し、信頼できないコードや入力が機密性の高いバックエンドシステムへ到達することを防ぐために設計されている。この隔離層からのエスケープに成功した場合、攻撃者は制限された実行環境の外側へ抜け出し、有効な認証情報を必要とせずにServiceNowプラットフォーム内で悪意あるコードを直接実行できる可能性がある
  • 脆弱性はCWE-94(コードの生成に対する不適切な制御、いわゆるコードインジェクション)に分類されている
  • ServiceNowは、悪用の詳細を攻撃者が信頼性の高いエクスプロイトを開発する前に顧客がパッチを適用できる時間を確保するため、技術的な詳細を限定的にとどめたとしている
  • 影響はホスト型(クラウド)展開・セルフホスト型展開の両方に及ぶ。ホスト型インスタンスにはすでに自動的にセキュリティ更新が適用されているが、セルフホスト型の顧客・パートナーは手動でパッチを適用する必要がある
  • 修正済みのリリース・パッチには、Brazil EA/GA、Australia Patch 2、Zurich Patch 7bまたはPatch 9、Yokohama Patch 12 Hot Fix 1bまたはPatch 13が含まれる
  • 2026年7月13日時点のアドバイザリ更新によれば、ServiceNowは顧客インスタンスに対する実際の悪用の証拠は確認していないとしている。ただし、未認証のRCE脆弱性という性質上、公開情報がきっかけとなって攻撃者による解析が加速するリスクがあるため、セキュリティチームは優先度の高いパッチ適用項目として扱うことが推奨される
  • ServiceNowのAI Platformは、Now Assistをはじめとする複数の企業向けワークフローや生成AI機能の基盤となっているため、この階層での侵害は、インスタンスの構成次第で機密性の高い業務データ、ITサービス記録、連携する外部システムにまで影響が及ぶ可能性がある
項目 内容
公表日 2026年7月13日(KB3137947)
脆弱性ID CVE-2026-6875
CVSSスコア 9.5(Critical)
脆弱性の分類 サンドボックスエスケープ、CWE-94(コードインジェクション)
悪用条件 未認証、特定の条件下でリモートからコード実行が可能
影響を受ける展開形態 ホスト型(クラウド)、セルフホスト型の両方
ホスト型への対応 自動的にパッチ適用済み
セルフホスト型への対応 手動でのパッチ適用が必要
修正済みリリース Brazil EA/GA、Australia Patch 2、Zurich Patch 7b/9、Yokohama Patch 12 HF1b/13
実際の悪用の有無 ServiceNowは本稿執筆時点で確認していないとしている

何が起きたか

ServiceNowのセキュリティアドバイザリによれば、CVE-2026-6875はAI Platformにおけるサンドボックスエスケープの脆弱性です。サンドボックス環境は、AI駆動型の処理をより広範なアプリケーションスタックから隔離し、信頼できないコードや入力が機密性の高いバックエンドシステムへ到達することを防ぐために設計されています。この隔離層からのエスケープに成功した場合、攻撃者は制限された実行環境の外側へ抜け出し、有効な認証情報を必要とせずにServiceNowプラットフォーム内で悪意あるコードを直接実行できる可能性があります。

このアドバイザリはKB3137947として文書化され、ServiceNoの社内態勢評価チームによって「クリティカル」と格付けされています。認証がまったく不要でこの脆弱性を引き起こせるため、脆弱なインスタンスにネットワークアクセスできる攻撃者であれば誰でも悪用できる可能性があり、追加のネットワーク層の制限を設けずにServiceNowインスタンスを公開している組織にとっては特に危険とされています。ServiceNowのAI Platformは、Now Assistをはじめプラットフォーム全体に組み込まれた複数の生成AI機能の基盤となっているため、この階層での侵害は、インスタンスの構成次第で機密性の高い業務データ、ITサービス記録、連携する外部システムにまで影響が及ぶ可能性があります。

影響を受ける展開と対応

ServiceNowは複数のプラットフォームリリースにわたって修正を実施しており、ホスト型・セルフホスト型の両方の展開形態が対象となっています。修正済みのバージョンには、Brazil EAおよびBrazil GA、Australia Patch 2、Zurich Patch 7bおよびPatch 9、Yokohama Patch 12 Hot Fix 1bおよびPatch 13が含まれます。ホスト型インスタンスにはすでに自動的にセキュリティ更新が適用されていますが、セルフホスト型の顧客・パートナーは、該当するパッチを手動で適用する必要があります。

2026年7月13日時点のアドバイザリ更新によれば、ServiceNowは顧客インスタンスに対する実際の悪用の証拠は確認していないとしています。しかし、未認証のRCE脆弱性という重大な性質を踏まえ、セキュリティチームはこれを優先度の高いパッチ適用項目として扱うべきだとされています。公開情報がきっかけとなって、攻撃者による脆弱性のリバースエンジニアリングへの関心が加速することは珍しくないためです。ServiceNowは全ての顧客、特にセルフホスト型の展開とパートナーに対し、適切なセキュリティ更新の適用または修正済みリリースへのアップグレードを直ちに行うよう強く求めています。組織は、現在のインスタンスバージョンを修正済みリリースの一覧と照合し、インターネットに公開されている環境やセルフホスト型の環境のパッチ適用を優先し、Now AssistおよびAI Platformの利用ログを確認して、悪用の試みを示唆する異常な活動がないかを見直すことが推奨されています。より詳細な技術的背景を求める顧客は、2026年4月のセキュリティメンテナンスに関するガイダンスとして、KB2930717およびKB2930740を参照するよう案内されています。

ServiceNow AI Platformで繰り返されるサンドボックスエスケープ脆弱性

当サイトで既報の通り、ServiceNowのAI Platformを巡っては、今回とほぼ同種のサンドボックスエスケープ・RCE脆弱性がわずか数カ月前にも確認されていました。2026年2月に公表されたCVE-2026-0542は、ServiceNow AI Platformにおける任意コード実行(RCE)の脆弱性で、サンドボックス環境を迂回して認証なしにリモートコード実行が可能というものであり、ServiceNowのCNA評価でCVSS v4.0スコア9.2(Critical)とされていました。この時点では顧客インスタンスへの悪用は確認されていないとされていましたが、今回のCVE-2026-6875とあわせると、AI Platformのサンドボックス機構そのものが、短期間のうちに繰り返し深刻な脆弱性の標的になっていることがわかります。

このほかにも、2026年1月にはVirtual Agent APIにおける認証不要のユーザーなりすまし脆弱性(CVE-2025-12420、通称「BodySnatcher」、CVSS v4.0スコア9.3)が、そして2026年6月には認証不要のAPIエンドポイント経由で顧客インスタンスのテーブルへの不正クエリが実際に成功したことが確認されるという、別系統のセキュリティインシデントも発生していました。ServiceNowはこうしたセキュリティ課題への対応を強化する一環として、2025年後半からサイバー露出管理領域のArmisを77.5億ドルで買収するなど、セキュリティ関連企業の買収も積極的に進めています。

情報システム部門への示唆

自組織でServiceNowをセルフホスト型で運用している場合は、現在のファミリーリリースを確認し、Brazil EA/GA、Australia Patch 2、Zurich Patch 7b/9、Yokohama Patch 12 Hot Fix 1b/13のいずれかの修正済みバージョンへ速やかにアップグレードしてください。ホスト型(クラウド)インスタンスを利用している場合も、自動適用が完了しているかを念のため確認することをお勧めします。

ServiceNowのAI Platformは、Now Assistのような生成AI機能を通じて、企業の機密性の高い業務データ・ITサービス記録・連携する外部システムに深く組み込まれるケースが多いため、この階層でのサンドボックスエスケープは、単なる一機能の不具合にとどまらない広範な影響を及ぼしかねません。当サイトで以前紹介した2月のCVE-2026-0542、1月のCVE-2025-12420(BodySnatcher)とあわせて考えると、ServiceNowのAI関連機能はここ半年ほどの間に繰り返し深刻な脆弱性の対象となってきており、AI機能を有効化しているインスタンスについては、通常以上に注意深いパッチ管理と利用ログの監視が必要です。自組織でNow AssistやAI Platformの機能を有効化している場合は、今回のアドバイザリが推奨する通り、利用ログを遡って異常なアクティビティ(想定外の管理操作、ワークフローの変更、APIの異常な呼び出しパターン等)がないかを確認することをお勧めします。あわせて、ServiceNowインスタンスをインターネットに直接公開している場合は、追加のネットワーク層の制限(IPアドレス制限、VPN経由でのアクセス限定等)の導入も検討する価値があります。

出典