DAIKO NEXT LINK株式会社は2026年8月19日、旧大興ビジネスで使用していた一部のメールアカウント(@daiko-b.co.jp)に第三者による不正アクセスが発生し、メールアカウントのパスワードが詐取されたことを公表しました。
同社は二次被害や不正送信の拡大を防ぐため、8月17日18時30分からメールシステムを一時停止し、8月18日18時に再稼働しています。停止時間は約23時間30分です。
一方、公表資料では、不正アクセスを受けたアカウント数、パスワードが詐取された経路、不正アクセスの開始時期、不正送信の件数や送信先、メールボックス内の情報が閲覧・取得されたかどうかは明らかにされていません。個人情報や機密情報の流出が確認されたとの発表もありません。
同社は現在も原因の詳細調査と再発防止策の検討を進めており、新たに公表すべき事項が判明した場合には案内するとしています。
DAIKO NEXT LINKへの不正アクセスのサマリー
- DAIKO NEXT LINKは2026年8月19日、メールシステムへの不正アクセスを公表しました。
- 対象は、旧大興ビジネスで使用していた「@daiko-b.co.jp」の一部メールアカウントです。
- 第三者による不正アクセスが発生し、メールアカウントのパスワードが詐取されたことを確認しています。
- 不正アクセスを受けたアカウント数は公表されていません。
- パスワードがどのような手口で詐取されたのかは調査中です。
- 同社は8月17日18時30分からメールシステムを一時停止しました。
- メールシステムは8月18日18時に再稼働しており、停止時間は約23時間30分です。
- 公表文では「不正送信の拡大防止」を停止理由の一つとしていますが、不正送信の件数、送信先、内容は明らかにされていません。
- メールボックス内の過去メール、連絡先、添付ファイルなどが閲覧・取得されたかは公表されていません。
- 個人情報や機密情報の流出が確認されたとの発表はありません。
- 多要素認証(MFA)の設定状況や、攻撃者が認証後のセッションを保持していたかは公表されていません。
- 原因の詳細調査と再発防止策の検討が続いています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公表日 | 2026年8月19日 |
| 対象組織 | DAIKO NEXT LINK株式会社 |
| 対象 | 旧大興ビジネスの一部メールアカウント(@daiko-b.co.jp) |
| インシデント | 第三者によるメールアカウントへの不正アクセス、パスワード詐取 |
| 発生日・確認日 | 公表資料では確認できませんでした |
| 対象アカウント数 | 公表されていません |
| 侵入・詐取経路 | 調査中 |
| 不正送信 | 公表文では「不正送信の拡大防止」と記載。件数・送信先・内容は未公表 |
| 漏洩・流出した情報 | 確認できませんでした。メールボックス内情報の閲覧・取得有無も未公表 |
| メール停止 | 2026年8月17日18時30分~8月18日18時 |
| 対応状況 | メールシステムの一時停止・再稼働、原因調査、再発防止策の検討 |
| MFAの有無 | 公表資料では確認できませんでした |
| 個人情報保護委員会への報告 | 公表資料では確認できませんでした |
旧大興ビジネスの一部メールアカウントで不正アクセス
DAIKO NEXT LINKが不正アクセスを確認したのは、旧大興ビジネスで使用していた「@daiko-b.co.jp」ドメインの一部メールアカウントです。
同社の発表によると、第三者による不正アクセスが発生し、メールアカウントのパスワードが詐取されたことが判明しました。
ただし、対象となったアカウントの具体的な数は公表されていません。また、対象が従業員個人に割り当てられたアカウントなのか、共有アカウントを含むのかも明らかになっていません。
DAIKO NEXT LINKは2026年4月1日、大興ビジネス株式会社と大興テクノサービス株式会社の合併によって発足しました。今回対象となった「@daiko-b.co.jp」は、合併前の大興ビジネスで使用されていたメールドメインです。
公表資料では、現在のDAIKO NEXT LINKの他のメールドメインや、親会社のDAIKO XTECH、他のグループ会社に同様の不正アクセスが確認されたとの説明はありません。
パスワードが詐取された経路は調査中
今回の発表では、「メールアカウントのパスワードが詐取された」と明記されています。
一方、そのパスワードがどのような経路で第三者に渡ったのかは公表されていません。
フィッシングサイトへの入力、パスワードの使い回し、マルウェアによる認証情報窃取、認証基盤への攻撃など、メールアカウントの認証情報が第三者に渡る経路は複数ありますが、DAIKO NEXT LINKは原因について詳細調査中としており、今回の事案を特定の手口によるものと断定することはできません。
また、多要素認証(MFA)が設定されていたかどうか、MFAが突破されたのか、パスワードだけでログインできる状態だったのかについても公表されていません。
メールアカウントの乗っ取りで認証情報が悪用される一般的なリスクについては、セキュリティ対策Labの「メールアカウント乗っ取りと大量スパム送信の急増を注意喚起」でも解説しています。
約23時間30分にわたりメールシステムを停止
DAIKO NEXT LINKは、二次被害と不正送信の拡大を防ぐため、8月17日18時30分からメールシステムを一時停止しました。
その後、8月18日18時に再稼働しており、停止時間は約23時間30分です。
一部アカウントへの不正アクセスであっても、攻撃者が正規メールアカウントを利用できる状態では、取引先や社内へ不審なメールを送信される可能性があります。正規ドメインから送信されたメールは、単純な送信元表示の偽装より受信者が信用しやすくなるため、影響の拡大を抑えるには迅速な認証遮断が重要になります。
ただし、今回の公表文はメールシステム停止の目的として「不正送信の拡大防止」と説明しているものの、実際に何通の不正メールが送信されたのか、送信先が社内か社外か、メールにリンクや添付ファイルが含まれていたのかといった情報は示していません。
このため、「不正メールが大量送信された」「取引先にフィッシングメールが届いた」といった内容を現時点で断定することはできません。
メールボックス内の情報流出は公表されていない
メールアカウントへの不正アクセスでは、不正送信だけでなく、メールボックス内に保存された過去の送受信メール、連絡先、添付ファイル、予定表などへのアクセス有無も重要な確認項目になります。
しかし、DAIKO NEXT LINKの8月19日の発表では、第三者がメールボックス内の情報を閲覧または取得したかどうかについて説明していません。
個人情報、顧客情報、取引先情報、機密情報が流出したことが確認されたとの発表もありません。
したがって、現時点で本件を「情報漏洩が発生した事案」として扱うのは適切ではありません。
今後の続報では、不正アクセスが継続していた期間、攻撃者がアクセスした機能、メールボックスの閲覧履歴、メール転送ルールや委任設定の変更有無、不正送信の対象範囲などが確認点になります。
同様に、正規メールアカウントが侵害され、社内外への不審メール送信が確認された事例については、「エバーグリーン・マーケティングのメールアカウントに不正ログイン、社内外へフィッシングメールを送信」でも取り上げています。ただし、DAIKO NEXT LINKの事案では現時点で不正送信の件数や内容は公表されておらず、両事案の影響範囲は同一ではありません。
メール再稼働後も原因調査と再発防止策を検討
メールシステムは8月18日18時に再稼働していますが、インシデント対応が完了したわけではありません。
DAIKO NEXT LINKは、現在も原因の詳細調査と再発防止策の検討を進めているとしています。
公表資料では、対象アカウントのパスワード変更、サインインセッションの無効化、MFAの再設定、不審なメール転送ルールの削除など、個別に実施した技術的対応の内容は示されていません。
また、外部の専門調査会社を利用しているか、警察や個人情報保護委員会など関係機関への報告を行っているかについても公表されていません。
今後、新たに報告すべき事項が判明した場合には速やかに案内するとしているため、影響範囲や原因について続報が出る可能性があります。
情報システム部門への示唆
今回の事案は、パスワードが第三者に渡った場合、メールアカウントが単なる連絡手段ではなく、他の攻撃へつながる起点になり得ることを改めて示しています。
企業のメールアカウントは、取引先との会話履歴、請求や契約に関する連絡、社内の組織情報、クラウドサービスの通知など、多くの業務情報が集約される場所です。攻撃者がアカウントを利用できる状態では、不審メールの送信だけでなく、過去の会話を悪用したなりすましや、別サービスへのパスワード再設定を試みるリスクも考慮する必要があります。
メールアカウントの侵害を確認した場合、パスワード変更だけで対応を終えず、有効なサインインセッション、MFA登録、OAuthアプリ、メール転送ルール、委任設定、回復用メールアドレスなどに不審な変更がないかを確認することが重要です。
また、旧ドメインや合併前のシステムを継続利用している組織では、統合後も残っているアカウントや認証基盤が現行のセキュリティ基準に沿って管理されているかを確認する必要があります。
今回のDAIKO NEXT LINKの事案が、合併や旧システムの継続利用と因果関係を持つとする情報は公表されていません。一方、組織再編時には旧アカウント、旧ドメイン、メール転送設定、退職・異動者の権限などが残存しやすいため、棚卸しの対象として確認しておくことが重要です。








