Linux カーネル 7.1がサポート終了 7.2.yへの移行を推奨

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Linux カーネル 7.1がサポート終了 7.2.yへの移行を推奨

Linux KernelのstableメンテナーであるGreg Kroah-Hartman氏は2026年9月2日、Linux 7.1.13のリリースと同時に、7.1.y系列がEnd of Life(EOL)になったと発表しました。kernel.orgでも7.1.13は「EOL」と表示されています。

上流のLinux 7.1.yを直接利用している環境では、今後7.1系列向けのstable更新は提供されません。Kroah-Hartman氏は7.2.y系列への移行を案内しています。

一方、Ubuntu、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)などのディストリビューションは、上流とは別にカーネルを保守し、セキュリティ修正をバックポートする場合があります。表示されるカーネルのベースバージョンだけでサポート終了と判断せず、利用中のディストリビューションが公開するライフサイクルとセキュリティアドバイザリを確認する必要があります。

Linux Kernel 7.1 EOLのサマリー

  • Linux 7.1は2026年6月14日にリリースされました。
  • 2026年9月2日にLinux 7.1.13が公開され、同時に7.1.y系列のEOLが告知されました。
  • stableメンテナーは7.1利用者に7.2.y系列への移行を案内しています。
  • 7.1.13のstable reviewは76パッチで構成されています。一次情報では、これら76件すべてを「重大なセキュリティ修正」とは位置づけていません。
  • 2026年9月7日時点で、kernel.orgが掲載する最新stableはLinux 7.2.3です。
  • kernel.orgがlongtermとして掲載している系列は6.18、6.12、6.6、6.1、5.15、5.10です。
  • UbuntuやRHELなどのディストリビューション提供カーネルは、上流カーネルとサポート期間が一致しない場合があります。
項目 内容
EOL公表日 2026年9月2日
対象 upstream Linux Kernel 7.1.y
最終リリース Linux 7.1.13
Linux 7.1初版 2026年6月14日
7.1.13のstable review 76パッチ
移行先として案内された系列 Linux 7.2.y
2026年9月7日時点の最新stable Linux 7.2.3
7.2初版 2026年8月16日
ディストリビューション提供カーネル 各ベンダーのライフサイクルとアドバイザリを確認

Linux 7.1.13を最後に7.1.y系列がEOL

Greg Kroah-Hartman氏は9月2日のLinux 7.1.13リリース告知で、7.1.y系列がEOLになったと明記し、7.2.y系列へ移行するよう案内しました。

kernel.orgのトップページでも、Linux 7.1.13には「EOL」の表示が付いています。Linux 7.1は6月14日にLinus Torvalds氏が正式リリースしており、上流stable系列としての保守期間は約80日でした。

通常のstable系列は、新しいメインラインが公開された後も一定期間stable更新が続きますが、longtermに指定されていない系列は長期保守を前提としていません。今回の7.1もlongtermではなく、7.2の公開後に7.1.13を最後として保守が終了しました。

最終版7.1.13は76パッチで構成

Linux 7.1.13のstable reviewでは、76パッチが提示されました。対象にはKVM、USB、ALSA、Wi-Fi、ファイルシステム、暗号関連、ネットワークなどの修正が含まれています。

たとえば、USB関連のuse-after-freeや境界外読み取り、ALSA USB audioの境界外書き込み、KVM、ext4、暗号ドライバなどの修正が確認できます。

ただし、stable reviewの一次情報は「76 patches」としており、76件すべてを脆弱性修正や重大なセキュリティ修正と分類しているわけではありません。「76件の重大な脆弱性を修正した」といった表現は避けるべきです。

7.1.13は7.1系列の最終版ですが、7.1.13へ更新すれば今後も7.1系列のセキュリティ更新を受けられるという意味ではありません。上流7.1.yを継続利用する環境では、以後に修正される不具合や脆弱性が7.1.yへバックポートされない前提で移行計画を立てる必要があります。

移行先は7.2.y、長期運用ならLTS系列も確認

Linux 7.2は2026年8月16日に正式リリースされました。2026年9月7日時点で、kernel.orgが掲載する最新stableは7.2.3です。

上流カーネルを直接ビルド・運用している場合、7.1.yから継続して通常のstable系列を利用するのであれば、7.2.yが移行先になります。

頻繁なメジャー系列移行を避けたい環境では、kernel.orgがlongtermとして保守する系列も選択肢です。2026年9月7日時点のlongterm系列とkernel.orgのProjected EOLは次のとおりです。

longterm系列 Projected EOL
6.18 2028年12月
6.12 2028年12月
6.6 2027年12月
6.1 2027年12月
5.15 2026年12月
5.10 2026年12月

新規に長期運用先を選ぶ場合、5.15と5.10は2026年12月に上流longtermの終了予定が示されています。単に「LTSだから長く使える」と判断せず、移行時点から残りの保守期間を確認する必要があります。

UbuntuやRHELでは「7.1未満=サポート切れ」ではない

企業環境では、upstream kernelのEOLと、ディストリビューションが提供するカーネルのサポート終了を分けて確認する必要があります。

kernel.orgは、Linuxディストリビューションが独自のlongterm maintenance kernelを提供する場合があり、そのベースがkernel.orgで保守しているlongterm系列と一致するとは限らないと説明しています。

Ubuntuも、サポート期間中のセキュリティ更新をバックポートされたパッチとして提供すると説明しています。Canonicalのカーネルライフサイクルでは、Ubuntu 26.04 LTSのGAカーネルは7.0系ですが、標準セキュリティメンテナンスは2031年4月までとされています。

Red Hatも、最新のupstreamパッケージへ置き換えるのではなく、RHELで提供する旧バージョンへセキュリティ修正をバックポートする方針を明示しています。

そのため、UbuntuやRHELの管理対象サーバーでuname -rの結果が7.2未満であっても、それだけで未修正やEOLとは判断できません。OSのリリース、カーネルパッケージ、契約中のサポートライフサイクル、ベンダーのセキュリティアドバイザリを組み合わせて確認します。

情報システム部門が確認したいポイント

  1. Linux 7.1.yを直接ビルドして利用しているサーバーやアプライアンスがないか、資産台帳と実機のカーネル情報を照合します。
  2. 対象がupstream kernelの直接利用か、Ubuntu、RHEL、Debianなどディストリビューション提供パッケージかを分けます。
  3. upstream 7.1.yを直接利用している場合は、7.2.yまたは保守期間が残るlongterm系列への移行を検証します。
  4. ディストリビューション提供カーネルでは、上流のバージョン番号ではなく、ベンダーが公開するサポート期間とセキュリティ更新状況を確認します。
  5. カーネル更新後は再起動が必要な環境があるため、適用済みパッケージだけでなく、実際に起動中のカーネルバージョンまで確認します。
  6. EDRや脆弱性スキャナーがupstreamのバージョン番号だけで判定する場合、バックポート済み修正を誤検知する可能性があります。ベンダーのCVE情報やパッケージリリース番号と照合します。

Linux Kernelの脆弱性対応では、同じCVEでもstable系列ごとに修正バージョンが異なります。セキュリティ対策Labでは、7.1.6などで修正されたCVE-2026-68162のLinux Kernel脆弱性についても、系列別の修正状況を整理しています。

出典