大阪公立大学は2026年10月8日、ランサムウェア攻撃を受けたと判断している情報基盤システムの大規模障害について第4報を発表し、10月9日から全キャンパスで対面授業を再開すると明らかにしました。授業に必要な環境を確保するため、臨時の学習管理システム「Moodle」や学務情報システムなどを用意しています。
同日には、障害で停止していた大学の「OMUメール」について、学生と教職員間の送受信が利用可能になったことも発表しました。一方、基盤システム全体の復旧時期は未定で、個人情報が外部に流出したかどうかの調査も続いています。
大阪公立大学のシステム障害・10月8日続報のサマリー
- 2026年10月2日未明、大阪公立大学の仮想化基盤システムで大規模障害が発生しました。
- 大学は10月5日の記者会見で、ランサムウェア攻撃によるものと判断していると説明しました。
- 大学は10月8日15時に第4報を公表し、10月9日から全キャンパスで対面授業を再開すると発表しました。
- 授業再開に向け、臨時Moodle、臨時学生Navi、学務情報システム、臨時授業カタログ、臨時デジタル窓口、QR出席登録の利用を案内しています。
- 臨時Moodleには9月30日時点の履修情報を登録し、授業資料、時間割、教室、担当教員からの連絡を確認できるようにしました。
- 10月8日、学生・教職員間のOMUメール送受信が再開しました。学外からの受信は同日中、学外宛て送信は10月13日ごろの利用再開を予定しています。
- 10月14日に履修修正、10月15日に総合教養科目の2次申請を受け付ける予定です。
- 大学は原因・影響範囲の調査と復旧作業を継続しており、全体の復旧見込みは示していません。
| 項目 | 10月8日時点の公表内容 |
|---|---|
| 対象 | 大阪公立大学の情報基盤システム |
| 障害発生 | 2026年10月2日未明 |
| 攻撃に関する大学の判断 | ランサムウェアによるサイバー攻撃 |
| 続報発表 | 2026年10月8日15時(第4報) |
| 対面授業 | 10月9日から全キャンパスで再開予定 |
| 代替環境 | 臨時Moodle、臨時学生Navi、学務情報システムなど |
| 大学メール | 学生・教職員間の送受信を10月8日に再開、学外との送受信は段階的に復旧予定 |
| 基盤システム全体の復旧 | 見込みは未定 |
| 個人情報流出の有無 | 調査中 |
10月9日から対面授業を再開、臨時の授業支援環境を整備
10月8日の第4報によると、大阪公立大学は当初の予定どおり、10月9日から対面授業を再開します。ただし、これをもって大学の情報基盤システムが全面復旧したわけではありません。
大学は既存のシステムが停止した状態でも授業を行えるよう、臨時Moodleで教材の配布、教室や時間割の案内、課題提出、教員と学生の連絡を可能にしました。学務情報システムでは授業科目検索や成績閲覧、臨時授業カタログではシラバスと教科書情報を確認できるとしています。
学生から大学職員への問い合わせは臨時デジタル窓口が受け付けます。また、出席登録には大学アプリ「OMU+」のQRコードを利用し、学生証をタッチする固定型の出席登録端末は利用できないと案内しています。
オンライン授業の環境整備も進めていますが、実施方法は授業ごとに担当教員が臨時Moodleなどで連絡する仕組みです。大学は学生に対し、授業前に時間割や教室変更を確認するよう求めています。
OMUメールが学内間で利用再開、学外への送信は10月13日ごろを予定
大阪公立大学の情報基盤課は10月8日15時、停止していたOMUメールについて、学生と教職員間の送受信が同日から可能になったと発表しました。
学外からのメール受信は10月8日中、学外宛てのメール送信は10月13日ごろを目途に利用可能とする予定です。これは発表時点の復旧予定であり、学外メールの送受信がすでに全面復旧したという意味ではありません。
なお、臨時Moodle内の担当教員からのメッセージはメール通知されないため、学生は臨時Moodleへ直接アクセスして確認する必要があります。
履修修正は10月14日、総合教養科目の2次申請は10月15日
システム停止で延期していた履修関連の手続きについても、大学は代替手段による日程を示しました。
| 日程 | 予定されている手続き |
|---|---|
| 10月9日(金) | 授業再開 |
| 10月12日(月・祝) | 月曜日の授業を予定どおり実施 |
| 10月13日(火) | 総合教養科目2次申請の対象科目・申請方法を公開 |
| 10月14日(水)9:00~12:30 | 履修修正の申請受付 |
| 10月15日(木) | 履修修正後の登録状況を臨時Moodleで確認 |
| 10月15日(木)9:00~12:30 | 総合教養科目2次申請を受付 |
| 10月16日(金)以降 | 2次申請の結果を臨時Moodleで確認 |
臨時Moodleには9月30日時点の履修情報が登録されています。大学は、履修修正について学務情報システムで科目を確認し、フォームから申請する方法を案内しています。学生生活などの案内を掲載する臨時学生Naviは、10月9日の公開を予定しています。
約500台のサーバー停止、バックアップへの影響が指摘された障害
大学は10月5日の記者会見で、仮想化基盤システムの障害についてランサムウェア攻撃によるものと判断していると説明しました。停止したシステムには、学内ネットワーク、メール、Webサイト、教育支援・教務、財務会計、人事給与、図書館関連などが含まれています。
同日の会見を伝えたMBSニュースなどによると、約500台のサーバーが停止し、バックアップデータの多くも暗号化されて利用できない状態になりました。また、システムには在学生・卒業生ら少なくとも13万人分の個人情報が保存されていると報じられています。この人数は漏えいが確定した人数ではありません。
第4報では、医学部附属病院と獣医学部附属獣医臨床センターへの影響はないと説明しています。情報流出の有無は専門事業者の調査を踏まえて確認する方針です。
10月5日までの障害の経緯や仮想化基盤・バックアップの被害については、セキュリティ対策Labの大阪公立大学で約500台のサーバーが停止したランサムウェア事案で報じています。
情報システム部門が確認したい代替環境による業務再開
今回の続報では、全面復旧を待たず、授業に必要な機能を臨時環境に用意して対面授業を再開する対応が示されました。平時の基盤とは別に情報発信・教育支援・問い合わせの仕組みを確保できるかは、大学だけでなく企業の業務継続にも関係します。
特に、復旧時に本番環境と臨時環境が混在する場合は、臨時環境の認証・アクセス制御、利用者への正規URLの案内、データの更新差分、復旧後のデータ移行方針を整理しておく必要があります。大阪公立大学では9月30日時点の履修データを臨時Moodleに登録しているため、それ以降の変更は別の手続きで扱うと案内しています。
個人情報流出に関する調査と教育活動の再開は別の対応です。10月9日の授業再開後も、情報基盤全体の復旧状況と調査結果について大学の追加発表を確認する必要があります。



