山形鉄道など9億1,200万円超の被害のボイスフィッシング、資金洗浄容疑で逮捕の女も関与か―ベトナムで7人検挙

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山形鉄道など9億1,200万円超の被害のボイスフィッシング、資金洗浄容疑で逮捕の女も関与か―ベトナムで7人検挙

2026年10月15日、YBC山形放送は、山形鉄道など山形県内の複数企業が2025年3月に被害を受けたボイスフィッシング事件について、別の資金洗浄事件で逮捕・起訴されたベトナム国籍の女が関与したとみて警察が捜査していると報じました。県内企業の被害総額は9億1,200万円余りに上るとされています。

警察庁は10月13日、関連するボイスフィッシング事件の国際共同捜査で、ベトナム当局が資金洗浄グループの7人を検挙したと発表しています。逮捕・起訴された女の容疑は約3,000万円の資金洗浄に関するもので、山形県内の9億1,200万円余りについて本人の関与や資金洗浄が立証されたと発表されたわけではありません。

事件のサマリー

  • 2026年10月13日、警察庁がボイスフィッシング事件に関するベトナムとの国際共同捜査の成果を公表。
  • 2025年3月の犯罪収益約3,000万円を資金洗浄した疑いなどで、ベトナム国籍の女(34)が逮捕・起訴されたと報道。
  • 女は、国内の詐欺グループとベトナム側の資金洗浄グループをつなぐ仲介役だったとみられている。
  • 日本警察が提供した情報を基に、ベトナム当局が現地の関係者7人を検挙。
  • YBC山形放送は10月15日、山形鉄道を含む2025年3月の県内企業被害、計9億1,200万円余りにも関係したとみて捜査していると報道。
  • 山形鉄道は2025年3月、山形銀行を装う電話を起点とした不正送金で約1億円の被害を受けていた。
項目 内容
新たな報道 2026年10月15日(YBC山形放送)
警察庁の発表 2026年10月13日
逮捕・起訴された事件 ボイスフィッシング被害金約3,000万円の資金洗浄容疑など
山形県内の関連被害 2025年3月、山形鉄道など複数企業で計9億1,200万円余り(YBC報道)
海外での検挙 ベトナム当局が関係者7人を検挙
手口 金融機関を装った電話から偽サイトへ誘導し、法人口座の認証情報を盗むボイスフィッシング

約3,000万円の資金洗浄容疑で逮捕・起訴、海外の7人も検挙

YBC山形放送や共同通信などによると、逮捕・起訴されたのはベトナム国籍の34歳の女です。2025年3月、仲間と共謀し、法人名義の銀行口座から計約3,000万円をベトナムを拠点とする資金洗浄グループの管理口座に送金させた疑いなどが持たれています。

警察庁の10月13日付発表によると、サイバー特別捜査部と埼玉、山形、茨城、群馬、千葉の各県警による合同捜査本部は、国内で関係者を逮捕して押収資料を分析。その過程でベトナムの資金洗浄グループやボイスフィッシングの実行犯とみられる人物とのやり取りを把握し、現地当局に情報を提供しました。この捜査協力によってベトナム側で7人が検挙されています。

時事通信などは、犯罪収益が複数の口座を経て国内のATMから引き出され、暗号資産などに換えられる仕組みだったと報じています。金融機関からの不正送金で得た資金を素早く移動させ、追跡を難しくする役割があったとみられています。

山形鉄道など県内企業で9億1,200万円余りの被害

YBC山形放送の10月15日の報道では、山形県内で2025年3月、山形銀行の行員などを装った電話により山形鉄道を含む複数の企業が被害に遭い、その総額は9億1,200万円余りだったとされています。警察は、今回の女らが所属するとみられるグループと、県内の一連の詐欺事件との関連を調べています。

山形鉄道は2025年3月10日、法人向けインターネットバンキングを狙うボイスフィッシングで約1億円を不正送金されました。当サイトは当時の被害について山形鉄道が山形銀行を装ったボイスフィッシングで1億円の被害で報じています。

さらに2025年12月には、不正送金された資金の一部をATMから引き出した疑いで、別のベトナム国籍の男が逮捕されたと報道されました。経緯は山形鉄道の不正送金事件でベトナム国籍の男を逮捕で整理しています。

今回の資金洗浄容疑約3,000万円は逮捕・起訴に係る金額であり、山形県内企業の被害総額9億1,200万円余りとは異なります。両方を合計して新たな被害総額とすることはできません。また、警察庁の10月13日付資料は2024年10月に発生した銀行を装うボイスフィッシング事件を捜査の起点としており、2025年3月の山形県内の事件との結び付きについてはYBCの捜査報道として扱う必要があります。

銀行を装う電話から偽サイトへ、企業のネットバンキングを狙う

一連の被害で使われたのは、自動音声や銀行担当者を装った電話から偽サイトへ誘導する「ボイスフィッシング(ビッシング)」です。銀行の契約情報更新などを口実に企業担当者のメールアドレスを聞き出し、偽のインターネットバンキング画面へ誘導。IDやパスワードなどを入力させ、不正送金につなげる手口でした。

山形銀行は2025年3月10日、同行を装った自動音声による不正送金被害が確認されたとして、法人インターネットバンキング「ネットEB」の他行宛て即時振込を一時停止し、注意喚起を公表しました。同銀行は自動音声による案内を行っておらず、電話やメールなどでログインIDやパスワードを聞くことはないと説明しています。

手口の仕組みやその他の被害事例はボイスフィッシング(ビッシング)とは?で解説しています。

法人口座を利用する企業が確認したい対策

企業は、金融機関を名乗る電話を受けた際の対応と、高額送金を実行する手続きを分けて点検する必要があります。

  • 銀行からの電話で認証情報の更新を促されても、その場で操作せず、公式サイトに掲載された窓口へ自分で連絡する。
  • 電話・メールで案内されたURLからはログインせず、登録済みのブックマークや銀行公式アプリを使う。
  • 振込限度額、複数人承認、承認者と振込実行者の役割分離など、法人口座の送金権限を点検する。
  • 身に覚えのないログインや振込を確認した場合、直ちに金融機関へ連絡し、取引停止・認証情報の失効・送金の組戻しについて相談する。

今回の捜査では、国内での詐欺被害だけでなく、国外にまたがる資金移動や仲介役の存在も明らかになりました。被害発覚後は、社内のログ保全と並行して金融機関・警察への速やかな連絡が必要です。

出典