株式会社IDCフロンティアは2026年10月18日、「IDCFクラウド」への不正アクセスを受けて停止していた「IDCFクラウド バックアップ」の提供を再開すると発表しました。安全性の確認が完了したことを受けた措置で、稼働を継続している仮想サーバーのデータを取得し、IDCFクラウド以外の環境へ復元する選択肢が広がります。一方、スナップショット機能は引き続き停止しています。
今回の発表は、10月7日に発生したランサムウェア攻撃に関する第6報です。被害を受けた東日本リージョン1の4ゾーンや、影響を受けた495の企業・自治体について、すべての仮想サーバーや業務システムが復旧したと発表したものではありません。
IDCFクラウド第6報のサマリー
- 公表日:2026年10月18日。IDCフロンティアが第6報を公表。
- 再開するサービス:「IDCFクラウド バックアップ」。安全性の確認が完了。
- 想定される利用者:仮想サーバーが稼働を継続しているリージョン・ゾーンの顧客。
- 対象環境:東日本リージョン1のradian・newtonゾーン、東日本リージョン2・3、西日本リージョン1。
- 可能になること:バックアップデータの取得、および他社クラウドやオンプレミス環境への復元。
- 停止継続:「スナップショット機能」は安全性確認のため提供停止が続く。
- 本事象の対象外:IDCFクラウド TypeS(旧ホワイトクラウド ASPIRE)とIDCFプライベートクラウド。
- 10月14日の第5報では、被害4ゾーンの495組織のうち、スナップショットを利用していた194顧客で保存データの取り出しが可能と確認。ただし、復元・業務再開の完了を意味しない。
| 項目 | 10月18日の公式発表・関連する確認状況 |
|---|---|
| 対象事案 | 10月7日に発生したIDCFクラウドへの不正アクセス・ランサムウェア攻撃 |
| 今回再開 | IDCFクラウド バックアップ |
| 利用継続中の環境 | 東日本リージョン1:radian/newton、東日本リージョン2・3、西日本リージョン1 |
| 引き続き停止 | スナップショット機能 |
| 障害対象として公表済みの環境 | 東日本リージョン1:tesla/henry/pascal/joule |
| 障害による影響規模 | 495の企業・自治体(従来の公表値) |
| 10月14日に保存データ取り出し可能とされた顧客 | 194顧客(第5報の数値。今回のバックアップサービス再開件数ではない) |
「IDCFクラウド バックアップ」を再開、稼働中のデータを外部環境へ退避可能に
IDCフロンティアは10月7日の不正アクセス発生後、予防措置として、障害の発生していないリージョンやゾーンを利用する顧客にもデータのバックアップ取得を案内していました。10月14日の第5報では、仮想サーバーが稼働している東日本リージョン1のradian・newtonゾーン、東日本リージョン2・3、西日本リージョン1で、より簡便なバックアップ取得方法を準備していると説明していました。
今回、停止していた「IDCFクラウド バックアップ」の安全確認が完了したため、同サービスの提供を再開します。顧客はバックアップデータを速やかに取得し、IDCFクラウド以外のクラウドサービスやオンプレミス環境に復元できるとしています。
今回の再開は、引き続き稼働している仮想サーバーからデータを保全するための機能回復です。攻撃によって停止している仮想サーバーの起動や、全顧客のデータ復旧の完了を意味する発表ではありません。
スナップショット機能は停止継続―194顧客の取り出し可能とは別の話
今回再開した「IDCFクラウド バックアップ」と、引き続き停止している「スナップショット機能」は、公式発表で別々の機能として扱われています。スナップショットは、仮想サーバーのデータ保存領域を特定時点の状態として保存する機能です。
10月14日の第5報では、被害を受けた東日本リージョン1のtesla・henry・pascal・jouleの4ゾーンについて、495の企業・自治体のうち194顧客が利用していたスナップショット由来のバックアップデータを取り出せると確認されました。ただし、当時は取り出したデータの復元可否や提供方法を個別調整中としていました。
そのため、10月18日の「バックアップサービス再開」を「194顧客のスナップショット復旧完了」や「障害4ゾーンの復旧」と読み替えることはできません。スナップショット機能そのものの提供は、安全性を確認するため引き続き停止されています。
10月7日からの障害経緯と情報流出の確認状況
IDCFクラウドでは10月7日午前3時40分頃から、第三者による不正アクセスに伴う障害が発生しました。IDCフロンティアはランサムウェア攻撃による障害と説明し、影響範囲を東日本リージョン1の4ゾーン、495の企業・自治体と公表しています。
10月14日の第5報では、影響を受けた4ゾーンの顧客仮想サーバー内データについて、外部持ち出しの痕跡などが確認されず、IDCフロンティアはデータの外部流出はなかったと判断しました。一方、これとは別のクラウドポータルでは、48社の登録情報に対する不正照会が確認されています。10月18日の第6報はバックアップ機能の再開を知らせるものであり、これらの調査結果を変更する内容ではありません。
障害が波及した企業やサービスについては、IDCFクラウドへのサイバー攻撃による影響企業・サービスの一覧で整理しています。
利用企業の情シスが確認したいバックアップ・復元手順
稼働を継続している環境の利用企業は、「IDCFクラウド バックアップ」の利用可否を確認し、重要な仮想サーバーやデータベースについて取得時点と取得範囲を記録することが考えられます。バックアップの取得先は本番環境と障害・管理権限を共有しない環境も候補にし、復元先のアクセス権限を事前に整えます。
バックアップ取得の成功と業務復旧は別です。復元後はデータの欠損・整合性、データベースの起動、外部API接続、証明書・認証設定などを確認し、重要システムは復元テストを実施します。また、障害4ゾーンの利用企業は、今回の第6報だけで状況が解消したと判断せず、IDCフロンティアからの個別連絡とデータ提供・復元の案内を確認する必要があります。








