プルデンシャル生命保険の元社員、顧客リストを転職先に持ち出し不正利用の疑いで逮捕

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プルデンシャル生命保険の元社員、顧客リストを転職先に持ち出し不正利用の疑いで逮捕

プルデンシャル生命保険の元社員が、在職中に取得した顧客リストを転職先に持ち出し、不正に営業活動に使用したとして逮捕されました。警察によると、顧客情報の流出は約800件に及び、転職先の保険代理店「R&C」でもこのリストが営業活動に利用されていたことが確認されています。

不正利用の概要

今回の事件では、プルデンシャル生命保険の元社員・太田祥平容疑者(2023年9月退職)が、自身の転職先である「R&C」新宿支店に、顧客リストを不正に持ち出した疑いが持たれています。持ち出された顧客リストには約800名分の個人情報が含まれており、転職先で営業活動に活用されていました。

また、同じく逮捕されたのは、「R&C」新宿支店長・藤原悟容疑者です。藤原容疑者は、太田容疑者に営業活動について相談した際に、顧客リストを活用した営業方法を提案され、それを実際に採用していたとされています。

警察の調べに対し、太田容疑者は「不正な利益を得る目的ではなかった」と一部容疑を否認している一方で、藤原容疑者は容疑を認めているとのことです。

参照

転職先に自身の顧客リスト持ち出したか 「プルデンシャル生命保険」元社員ら逮捕

元従業員による不正情報持ち出し事例

積水化学工業における営業秘密の不正流出

2020年10月、積水化学工業の元社員が、在職中に取得した営業秘密を不正に持ち出し、中国企業へ漏洩したとして書類送検されました。本件で流出した情報は、スマートフォン画面の製造に使われる導電性微粒子の製造設備に関する技術情報でした。

この元社員は、社内サーバーから機密データを私物のUSBメモリにコピーし、その後、自宅の私用PCを経由してフリーメールで送信するという手口を用いていました。特に、外部への持ち出しが発覚しにくい形で行われており、発覚までに時間を要したとされています。

この事件からは、企業が内部不正による情報流出を防ぐために、データの持ち出しを監視し、アクセス制限を強化することが不可欠であることがわかります。

双日元従業員による不正持ち出し

2023年9月、大手総合商社「双日」の元従業員が、退職前に社内データベースに不正アクセスし、新製品の提案書や採算表などを転職先へ持ち出したとして逮捕されました。

この元従業員は、退職前に他の従業員のID・パスワードを使ってアクセスし、37,000件以上のファイルをダウンロードしていたことが明らかになっています。さらに、転職後にこれらのデータを不正に活用した疑いが持たれています。

この事例では、社内ネットワークへの不正アクセスの監視が不十分だったことが問題となりました。従業員の認証情報が適切に管理されていれば、第三者によるアクセスの痕跡をより早く検知できた可能性があります。