鹿児島県内の企業が、社長になりすました人物からの指示に従い、現金合わせて1,100万円をだまし取られる「ニセ社長詐欺」の被害に遭ったことが、鹿児島県警への取材で明らかになりました。社長を名乗るメールでLINEグループの作成を指示され、グループ内での2段階にわたる送金指示に従ってしまう手口で、鹿児島県内では2026年6月にも2社が同種の被害に遭ったばかりです。
この記事のサマリー
- 2026年7月下旬、鹿児島県内の企業に、社長を名乗る人物から「社員用のLINEグループを作ってQRコードをメールで返信するように」とのメッセージが届きました。
- 指示を受けた社員はLINEグループを作成し、QRコードをメールで返信しています。
- その後、LINEグループ内で社長を名乗る人物から「900万円の支払いがある。取引先の口座情報を送るから振り込みの手続きを進めて」との指示があり、続けて「今度はこの口座に200万円の振り込み手続きを進めて」と2回目の指示がありました。
- 社員は社長からの指示と信じ込み、指定された2つの口座に現金合わせて1,100万円を振り込みました。
- 振り込み後、不審に思った社員が社長本人に直接確認したところ、「そのような指示をした覚えはない」と言われ、詐欺被害に気付いたということです。
- 鹿児島県内では2026年6月にも、同種の手口で2社が合計1,500万円あまりの被害に遭う事案が発生しており、今回で県内において短期間に複数の被害が確認されていることになります。
- 鹿児島県警は、送金の際は依頼者に直接確認するよう呼びかけています。
整理表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 被害企業 | 鹿児島県内の企業 |
| 接触時期 | 2026年7月下旬 |
| 接触手段 | 社長を名乗るメールでLINEグループ作成を指示 |
| 初期の指示内容 | 「社員用のLINEグループを作ってそのQRコードをメールで返信するように」 |
| 送金指示(1回目) | 「900万円の支払いがある。取引先の口座情報を送るから振り込みの手続きを進めて」 |
| 送金指示(2回目) | 「今度はこの口座に200万円の振り込み手続きを進めて」 |
| 被害額 | 現金合わせて1,100万円(900万円+200万円、2口座に送金) |
| 発覚のきっかけ | 社員が社長本人に直接確認したところ、指示した覚えがないと判明 |
| 捜査主体 | 鹿児島県警 |
| 県内の関連動向 | 2026年6月にも県内2社が同種の手口で合計1,500万円あまりの被害 |
何が起きたか
鹿児島県警によると、2026年7月下旬、県内の企業に対し、社長を名乗る者から「社員用のLINEグループを作ってそのQRコードをメールで返信するように」というメッセージがメールで届きました。指示を受けた社員はLINEグループを作成し、QRコードをメールで返信しています。
その後、このLINEグループ内で、社長を名乗る者から「これから900万円の支払いがある。取引先の口座情報を送るから振り込みの手続きを進めて」との指示があり、社員は指定された口座に900万円を振り込みました。続けて「今度はこの口座に200万円の振り込み手続きを進めて」との2回目の指示があり、社員はこちらも指示どおりに200万円を振り込んでいます。合計すると、2つの口座に現金合わせて1,100万円が振り込まれたことになります。
社員は社長からの指示だと信じ込んでいましたが、振り込み後に不審に思い、会社の社長へ直接確認したところ、「そのような指示をした覚えはない」と言われ、詐欺被害に遭ったことに気付いたということです。
鹿児島県内で相次ぐニセ社長詐欺
同様の「ニセ社長詐欺」による被害は、鹿児島県内で2026年6月にも発生しています。当サイトで報じた事案では、県内2社がSNSグループの作成を起点とする手口の被害に遭い、それぞれ1,000万円、550万円、合計1,500万円あまりをだまし取られています。詳細は鹿児島県内2社がニセの社長を騙る詐欺の被害-SNSグループ作成から1,000万円と550万円をだまし取られるで解説しています。今回の報道でも「県内の企業で先月、およそ1,500万円をだまし取られる被害が発生している」と言及されており、この6月の事案を指しているとみられます。短期間のうちに鹿児島県内で複数の企業が同種の手口の被害に遭っている状況がうかがえます。
この手口は、警察庁が2026年2月に注意喚起した「ニセ社長詐欺」のパターンと一致しています。攻撃者は企業の公開情報から代表者名を調べ、経営者になりすましてメールを送信し、業務連絡を装ってSNS・メッセージアプリのグループ作成とQRコードの返信を指示したうえで、グループ内でのやり取りを通じて送金を指示するという3段階の手口です。今回の事案でも、最初のメールはLINEグループの作成依頼にとどまり、グループが確立された後に段階を分けて2回の送金指示が行われており、警察庁が示す型と一致しています。
情報システム部門・経理担当者が確認すべき対策ポイント
- 社長・役員からのメールでLINE・SNSなどのグループ作成を指示された場合は、その時点で詐欺を疑ってください。正規の業務連絡でグループの新規作成を求められることは通常ありません。
- 送金指示が複数回・段階的に行われる場合でも、その都度、正規の確認手順(電話等、あらかじめ確認済みの連絡先への確認)を省略しないでください。今回の事案では2回にわたる送金指示のいずれにも応じてしまっています。
- 送金に関する社内ルール(承認フロー、複数人での確認、送金先変更時の確認手順)を、メッセージアプリ上でのやり取りにも適用されるよう周知してください。
- 二次元コード(QRコード)を使ったグループ参加の呼びかけは、リンククリック型のフィッシングより心理的な抵抗が少なく、正規の手続きだと錯覚しやすい点に注意してください。
- 万が一送金してしまった場合は、速やかに警察・金融機関へ連絡するとともに、警察相談専用電話(#9110)にも相談してください。
今後注目すべき点
本記事執筆時点で、犯人グループの特定には至っていません。今後は以下の点が焦点になると考えられます。
- 捜査の進展と、犯人グループの特定状況
- 振り込まれた資金の回収可能性
- 鹿児島県内での同種の被害がさらに増加するかどうか
出典
鹿児島県内の企業がニセ社長詐欺被害、1,100万円だまし取られる——TBS NEWS DIG(MBC南日本放送)
法人を対象とした詐欺(ニセ社長詐欺)に注意!——警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ
鹿児島県内2社がニセの社長を騙る詐欺の被害-SNSグループ作成から1,000万円と550万円をだまし取られる——セキュリティ対策Lab








