
2025年5月28日 東日本、中日本、西日本の高速道路3社(以下、NEXCO各社)は、2025年7月から予定していたETCの深夜割引制度の見直しについて、システム整備の中断により当初のスケジュール通りの開始が困難であると発表しました。新たな運用開始時期は現時点で未定となっており、今後改めて発表される見通しです。
背景:ETCシステム障害が影響
この延期の要因となったのは、2025年4月6日にNEXCO中日本管内で発生した広域的なETCシステム障害です。この障害により、一部区間で通行料金の誤算出やゲートの誤作動などが発生し、ETCシステムの安定性に対する懸念が浮上しました。
障害発生を受け、4月18日には「広域的なETCシステム障害発生時の危機管理検討委員会」(委員長:名古屋大学大学院環境学研究科 中村英樹教授)が設置され、障害の原因究明および再発防止策について議論が進められています。
システム整備を一時中断
深夜割引の見直しにあたっては、新たな制度運用に対応するためのシステム改修が必要とされており、NEXCO各社は準備を進めてきました。しかし、ETC障害の影響により、現在は関連するシステム整備作業を一時中断しています。
このため、7月頃の運用開始を目指していた工程は見直しを余儀なくされ、開始時期については未定となっています。再開の目途やスケジュールの詳細については、今後の調整と検討結果に基づき、改めて公表される予定です。
今後の対応
NEXCO各社は「引き続き、工程を精査していく必要がある」として、システムの安全性と安定性の確保を最優先とした対応を強調しています。また、深夜割引見直しに関しては、利用者に対して影響が出ないよう慎重に準備を進めていくとしています。