高野山大学は2026年7月22日、事務用管理サーバーであるActive Directoryサーバーと、事務職員用ファイルサーバーの一部がランサムウェアによるサイバー攻撃を受けたと発表しました。
大学は6月9日に事務用サーバーの一部で不具合を検知し、専門機関による調査を進めた結果、6月26日にランサムウェア攻撃と判定しました。その後、対象サーバー群をネットワークから遮断・隔離し、二次被害の防止、復旧環境の構築、影響範囲の調査を進めています。
現時点で、個人情報や機密情報が外部へ流出した事実は確認されていません。また、学生用ポータル、授業支援システム、講義・研究用ネットワークには影響がなく、教育・研究活動と窓口業務は通常通り継続しています。
サマリー
- 高野山大学が2026年7月22日、ランサムウェア感染被害を公表
- 感染したのは事務用管理サーバーのADサーバーと、事務職員用ファイルサーバーの一部
- 6月9日に事務用サーバーの一部で不具合を検知
- 6月26日に専門機関の調査でランサムウェア攻撃と判定
- 対象サーバー群をネットワークから遮断・隔離
- 現時点で個人情報や機密情報の外部流出は確認されていない
- 学生用ポータル、LMS、講義・研究用ネットワークへの影響はなし
- 教育・研究活動と窓口業務は通常通り継続
- 侵入起点となった管理サーバーを再構築し、セキュリティを強化
- 関係省庁、警察、個人情報保護委員会へ報告・相談
- 侵入経路、暗号化されたファイルの範囲、ランサムウェアの種類、攻撃グループは未公表
何が起きたか
高野山大学は2026年6月9日、事務用サーバーの一部で不具合を検知しました。
大学は専門機関へ調査を依頼し、6月26日にランサムウェア攻撃による被害と判定しました。その後、外部専門業者などの支援を受け、対象となったサーバー群をネットワークから遮断・隔離しています。
不具合の検知からランサムウェア攻撃との判定まで17日間を要しています。ランサムウェア事案では、ファイル暗号化や身代金要求が明確な場合もありますが、初期段階では単なるサーバー障害やストレージ障害のように見える場合もあります。
今回、大学は事務用サーバーの不具合として検知した後、専門機関による調査を通じてランサムウェア攻撃と判断しています。
影響を受けたシステム
高野山大学が感染被害を公表しているのは、以下のサーバーです。
| 対象 | 確認された状況 |
|---|---|
| 事務用管理サーバー | ADサーバーがランサムウェアに感染 |
| 事務職員用ファイルサーバー | 一部がランサムウェアに感染 |
| 学生用ポータル | 影響なし |
| 授業支援システム | 影響なし |
| 講義・研究用ネットワーク | 影響なし |
| 教育・研究活動 | 通常通り継続 |
| 窓口業務 | 通常通り継続 |
学生向けシステムや教育・研究用ネットワークに影響がなかったことから、事務系ネットワークと教育・研究系ネットワークの間で、一定の分離が機能した可能性があります。
ただし、大学はネットワーク構成や認証基盤の詳細を公表していないため、物理的または論理的に完全分離されていたと断定することはできません。
情報流出の状況
高野山大学は、2026年7月22日時点で、個人情報や機密情報が外部へ流出した事実は確認されていないと説明しています。
ADサーバーが侵害された場合のリスク
ADサーバーは、組織のアカウント認証やアクセス権限を管理する中核的なシステムです。
攻撃者がAD環境で高い権限を取得した場合、ファイルサーバーや業務サーバーへの横展開、管理者アカウントの悪用、セキュリティ機能の停止、不正アカウントの追加、端末へのランサムウェア展開などが可能になるおそれがあります。
また、パスワードを変更しても、攻撃者が別の管理者アカウント、認証トークン、サービスアカウント、永続化用の設定を残している場合、再侵入される可能性があります。
このため高野山大学は、侵入起点となった管理サーバーについて、既存環境をそのまま復旧するのではなく、再構築とセキュリティ強化を進めています。
現在の対応
高野山大学は、外部専門業者の支援を受け、以下の対応を進めています。
- 対象サーバー群のネットワークからの遮断・隔離
- 二次被害の防止措置
- 安全な復旧体制の構築
- 詳細な影響範囲の調査
- 侵入起点となった管理サーバーの再構築
- 管理サーバーのセキュリティ強化
- ネットワーク監視体制の強化
- 関係省庁への報告・相談
- 警察への報告・相談
- 個人情報保護委員会への報告・相談
大学は、正確な事実確認と回答記録を保つため、本件に関する問い合わせを専用メール窓口に限定しています。電話による問い合わせには対応しないと案内しています。
学生・保証人が確認すべきポイント
現時点で、学生用ポータル、授業支援システム、講義・研究用ネットワークへの影響は確認されていません。
学生や保証人は、大学から今後公表される追加情報を確認してください。また、今回の事案に便乗し、高野山大学や大学職員を装った不審メールが送られる可能性があります。
特に、以下のような連絡には注意が必要です。
- 大学アカウントの再認証を求めるメール
- パスワード変更を促すURL付きメール
- 授業支援システムへの再ログインを求める連絡
- 学費や返金手続きを装う案内
- 個人情報の再登録を求めるメール
- インシデント対象者の確認を装う連絡
- 添付ファイルの開封を求めるメール
メールに記載されたURLからIDやパスワードを入力せず、大学の公式サイトや普段使用している正規のポータルから確認する必要があります。
大学の情シスが確認すべきポイント
今回の事案では、ADサーバーと事務職員用ファイルサーバーが感染した一方、学生用ポータル、LMS、講義・研究用ネットワークへの影響は確認されませんでした。
大学では、事務系、教育系、研究系、学生向けサービス、図書館、入試、会計、人事など、性質の異なるシステムが運用されています。ひとつの認証基盤やネットワークで広く接続すると、AD環境への侵入が大学全体へ波及する可能性があります。
情シス部門では、以下の点を確認する必要があります。
- AD管理者アカウントの利用状況
- Domain Adminsなど特権グループのメンバー
- 不審な管理者アカウントやサービスアカウント
- 通常と異なる端末や時間帯からの認証
- パスワード変更や権限変更の履歴
- 不審なグループポリシーの追加・変更
- リモートデスクトップや管理共有への接続
- ファイルサーバー上での大量閲覧・暗号化
- EDRやウイルス対策機能の停止
- バックアップサーバーへのアクセス
- 事務系から教育・研究系ネットワークへの通信
- VPNや外部公開機器の認証ログ
- ADバックアップと復旧手順の健全性
AD環境を再構築する場合は、侵害前の設定やアカウントをそのまま戻すのではなく、特権アカウント、サービスアカウント、端末の信頼関係、証明書、認証トークンまで含めて再評価する必要があります。
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