日本スウェージロックFST、3月に発生したのランサムウェアの被害で個人情報漏洩の恐れ 従業員や取引先担当者が対象

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日本スウェージロックFST、3月に発生したのランサムウェアの被害で個人情報漏洩の恐れ 従業員や取引先担当者が対象

日本スウェージロックFST株式会社(スウェージロック・ジャパン)は2026年8月26日、3月10日に発生した不正アクセスおよびランサムウェア攻撃について、外部専門事業者によるデータフォレンジックと対象情報の特定作業が完了し、一部の個人情報が漏えいした、または漏えいしたおそれがあることが判明したと公表しました。

対象となるのは、同社の従業員・元従業員の氏名、住所、電話番号、在職当時の家族の氏名・連絡先などと、取引先および潜在的な取引先の担当者の氏名、所属会社・法人とその住所、メールアドレス、電話番号です。

対象件数は公表されていません。また、全対象者について列挙された情報項目のすべてが漏えいした、またはそのおそれがあるわけではないとしています。

同社は3月11日の時点で、サーバーがランサムウェア攻撃を受け、電話、電子メール、FAXが利用できず、受注・出荷を含む業務を停止していると公表していました。その後、3月17日に出荷、3月23日に受注・見積もり業務を順次再開しています。

8月26日の続報では、現時点で対象情報を悪用した詐欺などの二次被害は確認されていないとしています。対象者には個別に連絡し、連絡が困難な対象者については今回の公表をもって通知に代えるとしています。

日本スウェージロックFSTのランサムウェア被害のサマリー

  • 【確認済み】2026年3月10日、一部サーバーに外部からの不正アクセスとランサムウェア攻撃がありました。
  • 【確認済み】3月10日午後から受注・出荷を含む全業務を停止しました。
  • 【確認済み】3月11日、同社はランサムウェア攻撃を受けたことを公表しました。
  • 【確認済み】3月17日から出荷業務、3月23日から受注・見積もり業務を順次再開しました。
  • 【確認済み】外部専門事業者によるデータフォレンジックと対象情報の特定作業が完了しました。
  • 【確認済み】従業員・元従業員と取引先・潜在的取引先の担当者の一部個人情報について、漏えいまたはそのおそれがあることが判明しました。
  • 【確認済み】現時点で対象情報を利用した詐欺などの二次被害は確認されていません。
  • 【確認済み】サーバー・端末へのAI技術を活用した追加対策、24時間監視、全アカウントのパスワードリセット、MFAを実施しました。
  • 【未確認】対象人数は公表されていません。
  • 【未確認】侵入経路、ランサムウェアの種類、攻撃主体は公表されていません。
  • 【未確認】身代金要求・支払いの有無は公表されていません。
  • 【未確認】個人情報保護委員会や警察への報告状況は公表文から確認できませんでした。
項目 内容
公表日 2026年8月26日
インシデント発生日 2026年3月10日
対象組織 日本スウェージロックFST株式会社
インシデント 外部からの不正アクセス、ランサムウェア攻撃
初期影響 電話・電子メール・FAXの障害、受注・出荷を含む全業務停止
出荷再開 2026年3月17日から順次
受注・見積もり再開 2026年3月23日から順次
個人情報への影響 一部情報が漏えい、または漏えいしたおそれ
従業員・元従業員 氏名、住所、電話番号、在職当時の家族の氏名・連絡先など
取引先担当者 氏名、所属会社・法人とその住所、メールアドレス、電話番号
対象件数 公表されていません
二次被害 8月26日時点で確認されていません
侵入経路 公表されていません
攻撃主体 公表されていません
再発防止 AI技術を活用した追加対策、24時間監視、全パスワードリセット、MFA、研修
個人情報保護委員会への報告 公表情報では確認できず

3月10日にネットワーク障害、翌11日にランサムウェア被害を公表

日本スウェージロックFSTは3月10日、社内ネットワークシステムの不具合によって電話、電子メール、FAXが利用できない状態になったとして、同日午後の受注・出荷を含む全業務を停止しました。

第一報では原因を「ネットワークシステムの不具合」としていましたが、翌3月11日の続報で、サーバーがランサムウェア攻撃を受けて障害が発生していることが判明したと説明しました。外部専門機関の協力を受けて調査と復旧を進める一方、受注・出荷を含む全業務停止を継続しました。

3月12日の続報でも障害が続いているとして、受注・出荷を含む全業務を「しばらくの期間」停止するとしました。

今回の8月26日の公表では、3月10日の一部サーバーへの「外部からの不正アクセスおよびランサムウェア攻撃」があったと改めて説明しています。

3月17日に出荷再開、23日に受注・見積もりも再開

同社は外部専門機関と調査し、インシデント対応計画を策定・実施しました。

3月17日には通信の安全性が確認されたとして、出荷業務を順次再開しました。この時点では電子メールなどに一部制限が残っていました。

3月23日には受注と見積もり業務も順次再開しています。同日の発表では調査を継続し、新たな事実や影響が確認された場合には関係者へ知らせるとしていました。

今回の8月26日の続報は、その継続調査によって個人情報への影響範囲が特定されたものです。

従業員・元従業員は家族情報も対象

従業員・元従業員について漏えいまたは漏えいのおそれがあるとされた情報は、氏名、住所、電話番号、在職当時の家族の氏名、連絡先などです。

ただし、すべての対象者について列挙された情報項目のすべてが漏えいした、またはそのおそれがあるわけではありません。

対象人数や、実際の外部取得が確認された情報と、取得の可能性を否定できない情報の内訳も公表されていません。

そのため、対象件数を「漏えい件数」として扱うことはできません。

取引先と潜在的取引先の担当者情報も対象

取引先関係では、既存取引先に加えて「潜在的なお取引先」の担当者も対象です。

対象情報として、氏名、所属会社または法人、その住所、メールアドレス、電話番号が挙げられています。

対象となる企業・団体数や担当者数は明らかにされていません。

これらの情報は、今後のリスクとして取引先を装った標的型メール、なりすまし連絡、請求・契約確認を装うフィッシングなどに利用される可能性があります。

ただし、8月26日時点で同社は、対象情報を利用した詐欺などの二次被害は確認していないとしています。

対象者へ個別通知、連絡困難な場合は公表で代替

同社は対象者に別途個別に連絡するとしています。

一方、退職後に連絡先が変更されている元従業員など、個別の連絡が困難な場合には、8月26日の公表をもって通知に代えるとしています。

公表された情報は、対象者が会社へ提出した当時の内容に基づくと説明されています。

侵入経路や攻撃主体は引き続き非公表

8月26日の続報でも、具体的な侵入経路は公表されていません。

VPNやリモートアクセス機器、認証情報、脆弱性などのどれが悪用されたかは確認できません。

ランサムウェアの名称や攻撃グループへの帰属、身代金要求・支払いの有無も公表されていません。

個人情報への影響が判明したことだけをもって、特定のランサムウェアグループによる二重恐喝だったと断定することはできません。

AI技術を活用した追加対策と24時間監視を導入

同社は再発防止策として、サーバーと端末へ「AI技術を活用した追加的なセキュリティ対策」を導入したとしています。

ただし、製品名や具体的な検知方式は公表されていません。

これに加え、外部専門事業者による24時間監視体制を構築しました。

特定のEDR、XDR、AI SOCなどを導入したと推測することはできません。

全アカウントのパスワードをリセット、MFAを必須化

同社は、社内システム、ネットワーク、メールで利用している全アカウントのパスワードをリセットしました。

さらにMFAを有効化し、社内システム環境へリモートアクセスする場合はMFAを必須としています。

ただし、これらの対策を実施したことは、認証情報窃取が今回の侵入原因だったことを意味しません。

第一報から約5カ月後に個人情報への影響を公表

今回の事案では、3月のインシデントから8月の個人情報影響公表まで約5カ月を要しました。

ランサムウェア攻撃では、システム復旧と情報流出調査は別の作業です。ファイルやメールなどの精査を行い、どの人物のどの情報が含まれていたかを特定するには時間がかかる場合があります。

日本スウェージロックFSTは今回、「外部専門事業者を起用したデータフォレンジックおよび対象情報の特定作業が完了した」ことを公表理由としています。

初期復旧が完了したことと、情報漏えい調査が完了したことを混同しないことが重要です。

情報システム・個人情報管理部門への示唆

ランサムウェア対応はシステム復旧だけでは終わりません。

初動ではネットワーク隔離や業務復旧を優先し、その後、攻撃者が侵入していた期間、アクセス可能だったデータ、ファイルアクセスや外部転送の痕跡を調査する必要があります。

従業員情報では、退職者や家族の情報が長期間保存されているケースがあります。利用目的を終えたデータを必要以上に残さないデータ最小化も、インシデント時の影響範囲を抑える対策になります。

取引先担当者情報も、CRM、共有フォルダ、メールボックスなど複数箇所へ複製されていると調査が長期化します。保存場所と保有期間を可視化しておくことが重要です。

認証面では、パスワード変更だけでなく、MFA、既存セッションの失効、サービスアカウント、APIキー、リモートアクセス経路まで確認する必要があります。

今後の確認ポイントは、対象人数、個人情報保護委員会などへの報告状況、侵入経路、ランサムウェアの種類、情報の外部取得がどの範囲まで確認されたのかです。

セキュリティ対策Labでは、3月の第一報についても「日本スウェージロックFSTがランサムウェアの被害」として取り上げています。今回の8月26日公表により、当初の業務停止に加え、個人情報への影響が新たに明らかになりました。

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