プルデンシャル生命、多摩支社営業社員に新たな不適切金銭受領の疑い-販売自粛開始後にも発生の可能性

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プルデンシャル生命、多摩支社営業社員に新たな不適切金銭受領の疑い-販売自粛開始後にも発生の可能性

プルデンシャル生命保険株式会社は2026年8月24日、多摩支社に所属していた40代の男性営業社員1名が、複数の人に対して「高金利の預金」など架空の話を持ち掛け、不適切に金銭を受領していた疑いがあると公表しました。

同社によると、この営業社員による行為は、相次ぐ金銭不祥事を受けて新規契約の販売活動を自粛した2026年2月9日以降にも発生していた可能性があります。営業社員はすでに死亡しており、被害件数や被害額を含む全容は調査中です。

プルデンシャル生命では2026年1月、社員・元社員106人による金銭に関わる不適切な行為で、顧客498人から計30.8億円を受け取っていたことを公表しています。2月から新規販売を自粛し、4月には自粛期間をさらに180日間延長して構造改革を進めていました。今回、その自粛期間中にも新たな不適切行為が発生していた可能性が浮上した形です。

プルデンシャル生命の新たな金銭受領事案のサマリー

  • 確認済み:プルデンシャル生命は2026年8月24日、多摩支社に所属していた40代男性の営業社員1名による不適切な金銭受領の疑いを公表しました。
  • 確認済み:営業社員は複数の人に対し、架空の高金利預金など事実と異なる説明を行っていた疑いがあります。
  • 確認済み:同社は「金銭詐取が確認された」とはしておらず、現時点では「不適切に金銭を受領していた疑い」としています。
  • 確認済み:この行為は、新規契約の販売活動を自粛した2026年2月9日以降にも発生していた可能性があります。
  • 確認済み:当該営業社員はすでに死亡しています。
  • 確認済み:顧客補償を審査する「お客さま補償委員会」にも本件に関する申し出が寄せられています。
  • 未確認:被害件数、被害額、金銭を受け取った期間の全体像は判明していません。
  • 未確認:受領した金銭の使途や返金状況、刑事事件としての扱いは公表されていません。
  • 確認済み:プルデンシャル生命は当該営業社員が担当していた顧客へ連絡し、調査を進めています。
  • 確認済み:2026年1月には、社員・元社員106人が顧客498人から計30.8億円を受け取った金銭不祥事を公表しています。
  • 確認済み:同社は2月9日から新規契約の販売を90日間自粛し、4月22日に自粛期間をさらに180日間延長しました。
  • 確認済み:7月8日時点では、1月16日以降に新たに寄せられた申し出のうち、プルデンシャル生命分101人・6.2億円が追加で補償対象と判断されています。
項目 内容
公表日 2026年8月24日
対象組織 プルデンシャル生命保険株式会社
所属 多摩支社
営業社員 40代男性1名
事案 架空の高金利預金など事実と異なる説明を行い、不適切に金銭を受領した疑い
対象者 複数人
発生期間 全容は未判明。2026年2月9日以降にも発生していた可能性
被害件数 調査中
被害額 調査中
当該営業社員 すでに死亡
補償 お客さま補償委員会にも申し出あり。具体的な補償可否・額は未公表
調査状況 担当顧客への連絡を含め調査中
新規販売 一連の不祥事を受け2026年2月9日から自粛中

架空の「高金利預金」を説明し金銭受領か

プルデンシャル生命の8月24日付発表によると、多摩支社に所属していた40代の男性営業社員1名が、複数の人に対して架空の高金利預金など、事実とは異なる説明を行い、不適切に金銭を受領していた疑いが判明しました。

会社はこの段階で「詐欺」「詐取」と断定していません。被害件数や被害額を含む全容も判明しておらず、現在は事実関係を確認している段階です。

一部報道では「金銭詐取」と表現されていますが、一次情報に基づけば、現時点では「不適切な金銭受領の疑い」とするのが適切です。

また、一部報道では「東京都多摩市の支社」とされていますが、プルデンシャル生命の公式サイトによると、多摩支社の所在地は神奈川県川崎市麻生区です。「多摩支社」は支社名であり、東京都多摩市に所在するわけではありません。

新規契約の販売自粛開始後にも発生した可能性

今回の事案で特に重いのが、発生時期です。

プルデンシャル生命は2026年1月に大規模な金銭不祥事を公表した後、ガバナンスや営業制度を抜本的に見直すため、2月9日から新規契約の販売活動を90日間自粛しました。販売自粛期間には、ガバナンス態勢の強化、営業社員の活動管理、コンプライアンス・倫理教育、顧客対応などを進めるとしていました。

しかし今回の営業社員による不適切な金銭受領は、この2月9日以降にも発生していた可能性があります。会社は、一連の金銭不祥事を受けて全社で事実解明と再発防止を進めている中、自粛期間中にも今回の疑いがある事案が発生したことを「大変重く受け止めている」としています。

販売自粛は新規の保険契約を停止する措置であり、既存顧客との接点や営業社員の活動そのものを完全に停止する措置ではありません。今回の事案については、どのような顧客接点から金銭受領に至ったのか、自粛期間中の営業社員の行動管理がどこまで機能していたのかが今後の確認点になります。

当該営業社員は死亡、全容解明に制約の可能性

プルデンシャル生命によると、当該営業社員はすでに死亡しています。

このため同社は、事実確認には一定の制約が生じる可能性があると説明しています。会社と「お客さま補償委員会」は、営業社員が担当していた顧客への連絡を進めるとともに、本件に関する情報提供を広く求めています。

対象は今回の営業社員に限らず、同社の社員・元社員から、保険契約とは関係のない投資勧誘、資産運用の勧誘、個人名義口座への送金依頼などを受けたことがある人です。

現時点で営業社員の死亡原因や本件との関連について会社は公表していません。本件と結び付けて推測することはできません。

1月には106人・30.8億円の不適切な金銭取り扱いを公表

今回の事案は、プルデンシャル生命で相次いで表面化した金銭不祥事の延長線上にあります。

同社は2026年1月16日、2024年8月から実施していた「お客さま確認」の結果、社員・元社員による複数の不適切な金銭取り扱いが判明したと公表しました。

会社の制度や保険業務と直接関係しないものを含む金銭に関する不適切行為では、社員・元社員106人が顧客498人から計30.8億円を受け取っていました。内訳では、投資・儲け話を持ち掛けて金銭を受け取った行為に延べ41人、顧客からの金銭借り受けやその他の社内規程違反に延べ91人が関与しています。

また、これとは別に69人の社員・元社員が、社内規程で取り扱いを認めていない投資商品や事業者などを顧客240人へ紹介していました。顧客が紹介先へ支払った金額は13.1億円です。

この13.1億円は営業社員が直接受領した30.8億円とは性質が異なるため、単純に合算して「被害額」と扱うべきではありません。

セキュリティ対策Labでは、1月の公表について「プルデンシャル生命、社員・元社員の不適切な投資勧誘など不祥事約31億円規模」でも取り上げています。

2月から販売自粛、4月にはさらに180日延長

1月の不祥事公表後、プルデンシャル生命は経営体制と営業制度の改革に踏み切りました。

2月9日から新規契約の販売活動を90日間自粛し、ガバナンス態勢の強化、営業社員の活動管理、コンプライアンス・倫理教育などを進める方針を示しました。

しかし4月22日には、根本原因分析を進める中で、経営、本社機構、支社体制、ビジネスモデル、ガバナンスに追加的な課題が判明したとして、自粛期間をさらに180日間延長しました。会社は、報酬・評価制度や営業社員の行動管理だけではなく、企業文化・組織風土を含めた構造改革が必要だとしています。

今回の新事案は、まさにこの構造改革と販売自粛が続く期間にも発生していた可能性があります。

7月には追加で101人・6.2億円を補償対象と判断

不祥事の全容調査と顧客補償も継続しています。

7月24日の公表によると、1月16日以降にプルデンシャル生命とジブラルタ生命へ新たに寄せられた申し出のうち、7月8日時点で365人の審査が終了しました。

このうち125人・7.9億円が補償対象となり、内訳はプルデンシャル生命が101人・6.2億円、ジブラルタ生命が24人・1.7億円でした。補償対象となった主な行為は、金銭貸借、投資勧誘または斡旋です。

この7.9億円は、1月公表分に機械的に加算してすべてを同じ「詐取被害」と表現するのではなく、1月以降に新たに申し出があり、第三者の補償委員会が補償対象と判断した金額として区別する必要があります。

セキュリティ対策Labでも7月の補償状況を取り上げています。

金融庁も営業活動や顧客情報の取り扱いを確認

金融庁は一連の問題について、プルデンシャル生命の営業活動や顧客情報の取り扱いなどを確認しています。

2月3日の金融担当大臣会見では、社員・元社員による不適切な金銭取り扱いが複数発覚したことを踏まえ、金融庁が「顧客情報の取扱いや営業活動の実態などについても確認を行っている」と説明しました。

4月10日の会見でも、事案の真因やプルデンシャル生命の対応に加え、親会社であるプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンによる保険子会社の経営管理について確認し、法令に基づく対応を含め厳正に対応する方針を示しています。

8月24日に公表された今回の新事案について、金融庁が新たな行政処分などを決定したとの公式発表は現時点で確認できません。

内部監査・コンプライアンス部門への示唆

今回の事案では、金銭受領の疑いそのものに加え、「再発防止のための販売自粛期間中にも発生していた可能性」が重要です。

不祥事発覚後に営業停止や販売自粛を行っても、既存顧客との面談、電話、メッセージアプリ、紹介関係などの接点が残れば、規程外の活動まで自動的に止まるわけではありません。

再発防止策では、禁止事項を通知するだけでなく、営業社員が誰と接触しているか、どのような目的で面談しているか、個人口座への送金や私的な投資勧誘を示す兆候がないかを継続的に検証する仕組みが必要です。

特に金融・保険会社では、顧客との長期的な信頼関係そのものが営業上の強みになる一方、その信頼が業務外の投資話や金銭貸借に悪用されるリスクがあります。

今回の事案を受けて確認すべきなのは、販売自粛期間中の活動報告や管理者レビューが実際にどこまで機能していたのか、顧客からの異常な送金や相談を早期に把握するチャネルがあったのか、従業員の私的な金融勧誘を検知する内部統制が実効的だったのかです。

また、本人から事情聴取できない状況でも調査可能にするため、顧客面談記録、メール、業務端末、社内チャット、承認記録、顧客からの相談履歴などを適切に保存しておく必要があります。

プルデンシャル生命は現在、被害件数や被害額を含む全容を調査中です。今回の金銭受領を既存の不祥事件数や金額に加算するのは、調査結果と補償判断が明らかになってから行う必要があります。

出典

弊社多摩支社の営業社員による不適切な金銭受領事案について – プルデンシャル生命保険株式会社
新規契約の販売活動を90日間自粛 – プルデンシャル生命保険株式会社
新規契約の販売活動の自粛期間を180日間延長 – プルデンシャル生命保険株式会社
信頼回復に向けた改革の取り組みについて – プルデンシャル生命保険株式会社
お客さまへの補償の進捗状況について – プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンほか
金融担当大臣会見 2026年2月3日 – 金融庁
金融担当大臣会見 2026年4月10日 – 金融庁