武蔵野徳洲会病院、職員がSNSに投稿した動画に患者48名の氏名が含まれていたことが判明

セキュリティニュース

投稿日時: 更新日時:

武蔵野徳洲会病院、職員がSNSに投稿した動画に患者48名の氏名が含まれていたことが判明

2026年4月28日、医療法人徳洲会・武蔵野徳洲会病院(東京都西東京市、院長:桶川隆嗣)は、同院職員がSNSに投稿した動画に患者48名の氏名が含まれていた事案について、事実関係の調査が完了したとして第三報を公表しました。

対象となった48名の患者への個別連絡・謝罪および個人情報保護委員会への報告が完了しており、当該職員に対しては規定に基づき厳正に対応したとしています。再発防止策として全職員(非常勤・派遣職員を含む)計636名全員への研修受講が完了しています。

この記事のサマリー

  • 2025年1月頃、武蔵野徳洲会病院の職員がSNSに投稿した動画に患者48名の氏名が含まれていたことが、2026年4月4日に院内職員からの報告で発覚しました。
  • 発覚後、当該投稿を速やかに削除。個人情報保護委員会への報告および対象48名への個別連絡・謝罪を完了しています。
  • 当該職員に対しては規定に基づき厳正に対応したとしており、第三報をもって調査完了を正式に公表しました。
  • 再発防止策として全職員(非常勤・派遣職員含む)計636名全員がSNS利用および個人情報保護に関する研修の受講を完了しています。
  • 今後はSNS利用ガイドラインの策定・周知院内における撮影機器の使用ルールの見直し個人情報管理体制の継続的な点検と改善に取り組むとしています。
  • 投稿日(2025年1月頃)から発覚(2026年4月4日)まで約15か月が経過しており、院内の自主的な監視体制が機能していなかったことを示しています。

第一報から第三報までの経緯

日付 内容
2025年1月頃 職員がSNSに患者氏名を含む動画を投稿(この時点では未発覚)
2026年4月4日 院内職員からの報告により発覚。第一報を公表。当該投稿を確認・削除
2026年4月5日 第二報を公表。事実関係の調査継続・関係職員への厳正対処・再発防止策の実施を表明。二次被害は現時点で確認されていないと報告
2026年4月28日 第三報を公表。調査完了。患者48名への個別連絡・謝罪完了。個人情報保護委員会への報告完了。全636名への研修受講完了

投稿の内容と漏洩情報

項目 内容
投稿媒体 SNS(具体的なプラットフォームは非公表)
投稿形式 動画
漏洩情報 患者48名の氏名
投稿時期 2025年1月頃
発覚時期 2026年4月4日(院内職員からの報告による)
投稿から発覚までの期間 約15か月

投稿から発覚まで約15か月を要する

本件において特に注意すべきは、当該投稿が2025年1月頃に行われたにもかかわらず、発覚したのが2026年4月4日の院内職員からの報告によるものだったという点です。

これは院内の自主的なSNS監視体制が機能していなかった可能性を示しています。今回の第三報でも「SNS利用ガイドラインの策定・周知」が再発防止策として挙げられており、既存のガイドラインが不十分であったか、または策定されていなかったことが示唆されます。


なぜ患者氏名が動画に映り込むのか

医療機関でのSNS投稿による患者情報の漏洩は、本件のように投稿者が意図せず患者情報を露出させるケースがあります。医療現場では日常的に患者の氏名が記載されたホワイトボード・リスト・モニター画面などが存在しており、職員が動画や写真を撮影した際にこれらが背景に映り込むことがあります。

悪意がなくても漏洩は起きる」という点が、医療現場でのSNS管理教育の難しさです。今回のケースでも「患者48名の氏名が含まれていた」という記述から、動画の主題は別のものであった可能性があります。


再発防止策の詳細

武蔵野徳洲会病院は第三報で以下の再発防止策の完了と今後の方針を公表しました。

完了した対策として、全職員(非常勤・派遣職員を含む)計636名全員がSNS利用および個人情報保護に関する研修の受講を完了しています。

今後継続する対策として、SNS利用ガイドラインの策定および周知、院内における撮影機器の使用ルールの見直し、個人情報管理体制の継続的な点検と改善を進めるとしています。

非常勤・派遣職員を含む636名全員への研修徹底は評価すべき点です。医療機関では正規職員のみならず非常勤・委託・派遣スタッフが患者情報に接する機会があり、これらの全員を対象とすることが実効性のある再発防止の前提となります。


情シス・医療機関のセキュリティ担当者へのポイント

本件から導き出せる組織的な教訓は以下の3点です。

SNS投稿の事後監視体制の整備として、当該投稿は2025年1月に行われたにもかかわらず、院内職員からの報告(2026年4月4日)まで約15か月間発覚しませんでした。職員自身の報告・申告制度の整備と、組織として定期的にSNS上の院内関連投稿をモニタリングする仕組みの整備が求められます。

撮影機器の持ち込み・使用ルールの明文化として、病院内での個人スマートフォン等による撮影については、動画・静止画を問わず患者情報が映り込まない環境の整備と、撮影禁止エリアの明確化が基本的な対策です。

非常勤・委託・派遣スタッフへの情報管理教育の義務化として、雇用形態を問わず患者情報に接触しうる全スタッフへの教育・誓約書の取得が不可欠です。本件での全636名への研修徹底はその実践例です。

▶ 関連記事:1人の従業員のミスが引き起こすインシデント——事例と対策【保存版】


参考情報