声優の上坂すみれさんに対し、誘拐や殺害を予告する悪質なメールが複数送られていたことが明らかになりました。
所属事務所のボイスキットは2026年9月14日、上坂さんへ危害を加える旨の予告を含む脅迫メールが同社宛てに複数届いたと公表しました。翌15日の続報では、「9月27日までに複数名で誘拐し、殺害する」とする内容や、上坂さんの現住所を把握しているとして自宅付近での誘拐を示唆する内容が含まれていると説明しています。
同社は所轄警察署へ相談・被害申告を行い、捜査を依頼しています。9月27日までに予定されているイベントや公演については、安全確保を優先して出演可否を主催者などと協議中です。
さらに9月15日夜、上坂さんの公式Xは、本人によるSNS発信を当面控えると発表しました。
一方、SNS上では直前に配信されたゲーム「原神」Ver.7.1予告番組を巡る批判との関連を指摘する投稿が広がっていますが、ボイスキットは脅迫の動機や送信者を公表しておらず、両者の因果関係は確認されていません。
上坂すみれさんへの脅迫事案のサマリー
確認できている内容:
- ボイスキットは2026年9月14日、上坂すみれさんに危害を加える旨の予告を含む脅迫メールが複数届いたと公表しました。
- 同社は所轄警察署へ相談・被害申告を行い、捜査を依頼しています。
- 9月15日の続報では、「9月27日までに複数名で誘拐し、殺害する」といった内容を含む具体的な殺害予告が確認されたとしています。
- 上坂さんの現住所を把握しているとして、自宅付近での誘拐を示唆する内容も含まれていました。
- 9月27日までに予定されているイベント・公演について、出演の可否を主催者や関係者と協議しています。
- 予定変更が生じた場合は、事務所が改めて告知するとしています。
- 9月15日夜、上坂さんの公式Xは、本人によるSNS発信を当面控えると発表しました。
- スタッフによる公式Xからの告知は継続されます。
- ボイスキットは、脅迫、加害予告、誹謗中傷などに対し、警察や関係先と連携し法的措置を含めて対応するとしています。
- 事務所は、脅迫の送信者やアカウントを憶測で特定・拡散しないよう呼びかけています。
現時点で確認されていない内容:
- 脅迫メールを送った人物の特定
- 複数のメールが同一人物・同一グループによるものか
- 実際に上坂さんの住所が攻撃者に特定されていたか
- 具体的な犯行準備が行われていたか
- 「原神」の予告番組を巡る批判と脅迫メールの因果関係
- 9月27日までのイベントや公演が実際に中止・延期されるか
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 第一報 | 2026年9月14日 |
| 続報 | 2026年9月15日 |
| 対象 | 声優・上坂すみれさん |
| 脅迫手段 | 所属事務所宛てのメール |
| 件数 | 複数。具体数は未公表 |
| 主な内容 | 誘拐・殺害予告、自宅付近での誘拐を示唆 |
| 期限を示す表現 | 「9月27日までに」とする予告 |
| 警察対応 | 所轄警察署へ相談・被害申告、捜査を依頼 |
| イベント対応 | 9月27日までの出演可否を協議中 |
| SNS対応 | 本人による発信を当面休止 |
| 法的措置 | 事務所が検討・対応方針を表明 |
| 動機・背景 | 未確認 |
9月14日に事務所が脅迫メールを公表
ボイスキットは9月14日、「上坂すみれに対する脅迫行為について」とする声明を公表しました。
声明では、上坂さんに危害を加える旨の予告を含む「極めて悪質な脅迫メール」が同社宛てに複数送られたと説明しています。
同社は、所属タレントの安全を最優先に対応するとして、速やかに所轄警察署へ相談し、被害申告と捜査依頼を行いました。
また、脅迫や加害予告、誹謗中傷などの違法行為については、警察や関係機関と連携し、法的措置を含め厳正に対処する方針を示しています。
この時点では、脅迫内容の具体的な文言や期限については公表されていませんでした。
9月15日に「9月27日までに誘拐・殺害」とする具体的な予告を公表
翌15日、ボイスキットは続報を公表し、脅迫メールの具体性を明らかにしました。
事務所によると、確認されている内容には、
- 9月27日までに複数名で誘拐し、殺害するという趣旨
- 本人の現住所を把握しているとする内容
- 自宅付近での誘拐を示唆する内容
が含まれていました。
ボイスキットは「予告内容の具体性および危険性」を踏まえ、9月27日までに予定されているイベント・公演などへの出演について、主催者や関係各所と協議しているとしています。
現時点では、特定のイベントの中止や延期は公式に発表されていません。
本人によるSNS発信も当面休止
9月15日夜には、上坂さんの公式XでSNS運用の変更が告知されました。
現在の状況を踏まえ、本人の安全確保を最優先するため、当面の間、各種SNSでの上坂さん本人による発信を控えるとしています。
一方、出演情報や公式発表など、スタッフからの告知は公式アカウントで継続されます。
SNS投稿は本人の現在地や生活圏、移動予定、イベント参加状況などを第三者が推測する材料になる場合があります。
事務所は今回、脅迫メールに「現住所を把握している」とする記述が含まれていたことも公表しており、SNS発信の一時停止はこうした状況を踏まえた安全対策とみられます。
ただし、事務所は具体的な住所特定経路やSNS上の情報が脅迫に利用されたと説明しているわけではありません。
直前には「原神」Ver.7.1予告番組へ出演
上坂さんは9月12日に配信されたHoYoverseのゲーム「原神」Ver.7.1「冥府へのレクイエム」予告番組に出演していました。
原神公式の事前告知によると、番組の出演者は、
- 伊藤かな恵さん(ヴォジャニーツァ役)
- 上坂すみれさん(オデット役)
- 古賀葵さん(パイモン役)
の3名でした。
番組は9月12日21時から原神公式YouTubeチャンネルと公式Xで配信されました。
配信後、一部SNS利用者から番組の進行や出演者の振る舞いについて批判的な投稿が出ていました。複数の二次報道も、この反応と今回の脅迫事案が近い時期に発生したことを取り上げています。
ただし、ここは事実関係を分ける必要があります。
ボイスキットは、脅迫メールの動機が原神の番組出演にあるとは発表していません。
警察も9月16日時点で、脅迫の動機や送信者について公表していません。
そのため、
「原神の炎上が原因で殺害予告が送られた」
と断定することはできません。
確認できるのは「脅迫発表の直前に原神の予告番組へ出演し、一部で批判が生じていた」という時間的な周辺事情までです。
事務所は「人物・アカウントの特定や拡散を控えて」と要請
ボイスキットは9月15日の声明で、脅迫事案を巡る憶測や、対象となる人物・アカウントの特定、拡散を控えるよう求めています。
事件発生後、SNS上では送信者を推測した投稿や、原神ユーザー、特定地域・属性の利用者と脅迫を結び付ける投稿も確認できます。
しかし、捜査機関や事務所による確認がない段階で第三者を脅迫者と断定すると、無関係な個人への誹謗中傷や二次的なトラブルを生む可能性があります。
今回の事案では、事務所自身がこの点を明確に注意喚起しています。
2017年にも上坂さんへの殺害予告で逮捕者
上坂さんを巡っては、過去にもインターネット上の殺害予告が事件化しています。
2017年7月、インターネット掲示板に上坂さんを殺害する趣旨の投稿を行ったとして、当時20歳の男が威力業務妨害容疑で警視庁に逮捕されました。
当時の報道では、6月に複数回にわたり殺害を示唆する投稿が行われ、所属事務所の業務を妨害した疑いが持たれていました。
今回の2026年の脅迫メールと2017年の事件に関連があるとの情報はありません。
過去にも同様の被害があったという事実と、今回の送信者・動機は分けて扱う必要があります。
殺害予告はイベントや関係者全体へ影響を及ぼす
警察庁は、SNSや掲示板などに殺人や爆破などの犯行予告を書き込む行為について、対象者本人だけでなく、施設警戒、危険物検索、イベント中止、対象者の身辺警戒など多くの人へ影響を及ぼすと説明しています。
実際、今回もボイスキットは上坂さん本人だけでなく「本人および関係者の安全」を理由に、9月27日までのイベント・公演への出演可否を再検討しています。
脅迫事案では、
- 本人の警護
- 会場の警備強化
- 入退場ルートの変更
- 出演者・スタッフの移動計画変更
- 来場者の安全管理
- イベント中止・延期判断
など、周辺業務にも影響が広がります。
脅迫メールそのものがオンラインで送られた場合でも、対応は情報セキュリティだけで完結しません。
物理セキュリティ、危機管理、法務、広報、イベント運営を含む横断的な対応になります。
脅迫メールを受けた組織は証拠保全が必要
警察庁は、インターネット上の誹謗中傷や犯行予告について、警察への通報や相談に備えて内容を記録するよう案内しています。
企業や芸能事務所が脅迫メールを受信した場合も、単純に削除するのではなく、捜査に利用できる形で証拠を保全する必要があります。
確認対象には、
- メール本文
- 受信日時
- From、Reply-To、Return-Path
- Receivedヘッダー
- Message-ID
- 送信元IPなどメールヘッダー情報
- 添付ファイル
- メールサーバーのログ
- 問い合わせフォームを経由した場合のWebアクセスログ
- SNS投稿や関連URL
- スクリーンショット
などがあります。
ただし、組織側が独自に送信者を追跡して接触したり、個人情報を公開したりするのではなく、証拠を保全したうえで警察や専門家へ引き渡す対応が基本です。
自宅情報を示唆する脅迫ではOSINT・個人情報露出も確認対象に
今回のメールには「現住所を把握している」とする内容が含まれていました。
実際に住所を把握しているかは確認されていませんが、こうした脅迫が発生した場合、本人や関係者の公開情報から生活圏を推測できないか確認する必要があります。
第三者が利用し得る情報には、
- SNS投稿の背景
- 写真や動画に写り込んだ建物・道路・駅
- 位置情報付き画像
- 配送物のラベル
- イベント会場への移動経路
- 不動産・法人登記などの公開情報
- 過去のインタビューや動画
- 家族・知人のSNS投稿
などがあります。
これはOSINTによる情報収集や、いわゆる「ドキシング(doxxing)」につながる可能性があります。
ただし、今回の上坂さんの住所が実際にこれらの手段で特定されたとの情報はありません。
安全対策として、公開情報を横断的に確認し、不必要な位置情報や生活パターンの露出を減らすことがポイントになります。
組織が脅迫メールを受けた場合の対応
今回の事案は芸能事務所で起きていますが、企業経営者、広報担当者、採用担当者、カスタマーサポート、自治体、学校などでも類似する脅迫を受ける可能性があります。
警察庁は、殺人・爆破予告など緊急の対応が必要な情報を発見した場合は110番通報するよう案内しています。
企業側では、脅迫の真偽を社内だけで判断せず、内容の具体性に応じて警察へ早期相談できる体制を整えておく必要があります。
実務上は次の項目を事前に整理しておくと対応しやすくなります。
- 脅迫メールの報告先を社内で決めているか
- メール原本とログを削除せず保全できるか
- CSIRT、法務、広報、総務、警備部門へ迅速に連携できるか
- 対象者の住所・予定・移動経路などの公開情報を確認できるか
- イベントや出社予定を変更する判断基準があるか
- 警察への相談・通報窓口を把握しているか
- SNS上の憶測や犯人探しを組織として拡散しない運用があるか
- 関係者へ必要な範囲で情報共有し、情報を過度に公開しない手順があるか
- 本人や家族、スタッフへの心理的支援を含めた対応があるか
脅迫がメールやSNSで届いた場合でも、影響はサイバー空間に限定されません。
デジタル証拠保全、個人情報・位置情報の露出確認、物理的な安全確保を並行して進める必要があります。
出典
一次情報:
- 上坂すみれに対する脅迫行為について – VOICE KIT
- 上坂すみれに対する脅迫行為への対応について – VOICE KIT
- 上坂すみれ official X – 上坂すみれ公式
- インターネット上における犯行予告への対応 – 警察庁
- インターネット上の誹謗中傷等への対応 – 警察庁
- サイバー事案に関する相談窓口 – 警察庁
周辺情報・報道:








