YouTubeの広告ブロッカー 対策が加速-「これはもうやりすぎ」とユーザーの不満爆発

セキュリティニュース

投稿日時: 更新日時:

YouTubeの広告ブロッカー 対策が加速-「これはもうやりすぎ」とユーザーの不満爆発

YouTube(ユーチューブ)が進めている広告ブロックへの対抗措置が、2025年に入ってさらに厳格化されています。
2024年から段階的に導入されてきた対策では、「3本までは広告なしで再生できる」といった猶予が設けられていましたが、今ではそれすらもなくなり、広告ブロッカーを有効にしたままだと動画がまったく再生できない状況が広がりつつあります。

特に、Firefoxを使っているユーザーの間では「再生がブロックされた」「警告が出て動画が止まった」といった報告が相次いでいます。

一方で、Redditなどのオンラインコミュニティでは、困惑するユーザーたちが回避方法や新たな対策を共有し合いながら、まるでGoogleとの“消耗戦”のようなやり取りを続けています。



動画が見られない──警告表示と完全ブロック

最近、YouTubeにアクセスしたユーザーの中には、こんな警告を目にした方もいるでしょう。

「YouTubeは広告ブロッカーの使用を許可していません」
「広告ブロッカーはYouTubeの利用規約に違反しています」

これまでは、広告ブロッカーを使っていても最初の数本までは再生できていましたが、現在では最初の1本すら見せない完全ブロック体制が進んでいます。

Googleとしては、YouTube Premiumへの加入を促進しつつ、広告収入を最大化することが狙いでしょう。
事実、2024年には広告収益とPremium会員数がともに増加しており、ビジネス的な観点では一定の成果が出ていると考えられます。



Redditに噴き出す不満──「もう限界」

こうした広告ブロックの締め付けに、ユーザー側の不満も大きくなっています。
Redditのr/youtubeには「これはもう限界だ」というスレッドが立ち、1万8000件を超える支持(アップボート)が集まりました。

そこには、リアルな怒りや諦めの声が並びます。

  • 「Ublock Originがすぐに対策してくれるはず。embed機能を使えば今はまだ見られる」

  • 「何でここまで強引に広告見せようとするの?さすがにやりすぎ」

  • 「フィルターリストが数時間おきに更新されてる。いたちごっこにも程がある」

  • 「最近の広告、あまりにも質が悪すぎる。だからブロッカー使ってるだけなんだけど」

  • 「YouTube Premium、高すぎない?サブスクの中でも断トツで割高だと思う」

なかには、「アカウントを切り替えたらブロックが消えた」といった小技や、「FirefoxでYouTubeのCookieを削除すると一時的に回避できた」といったテクニカルな手法も共有されています。

ユーザーの抵抗──「Ublock、頼んだぞ」

この事態に対して、多くのユーザーは広告ブロッカー開発者に期待を寄せています。
「またこの時期が来たか」と言わんばかりに、Ublock Originへのエールが飛び交うのも恒例の光景です。

  • 「Ublock、出番だぞ」

  • 「毎回Googleが仕掛けてきて、Ublockが打ち返す。この流れ、もうお約束」

  • 「ちょっと設定いじれば何とかなる。gstatic.comのスクリプトを止めるだけで効いた」

こうした投稿を見ればわかるように、ユーザーはこの“いたちごっこ”にすっかり慣れているようです。
ただ、今回は検出の精度がかなり高く、簡単には突破できないという声も目立ちます。

なぜ広告はこれほどまでに嫌われるのか

そもそも、なぜ多くのユーザーが広告をここまで嫌うのでしょうか?
Redditに寄せられたコメントを見ていくと、その背景には単なる「広告がうざい」では済まされない理由が浮かび上がってきます。

  • 「30分の動画で35個も広告が入ってたことがある」

  • 「広告を見ていたら、過去にマルウェアに感染したことがあった。それ以来ブロッカーを使っている」

  • 「Premiumに入っても広告が出る場合があるらしい」

  • 「子ども向け動画に性的な広告が流れてて、あれは本当に危ないと思った」

こうした声から見えるのは、広告そのものの質や運用に対する強い不信感です。
単純に「タダ乗りしたい」わけではなく、不快さ・危険・コストへの納得感の欠如が、ブロッカー利用の背景にあることがわかります。

Googleはそれでも強硬姿勢を崩さない

一方で、Googleが強気の姿勢を貫く理由も明白です。
YouTubeは世界最大級の動画プラットフォームであり、その運営には膨大なコストがかかっています。
加えて、今は生成AIへの巨額投資が進んでおり、広告収益はその資金源として不可欠です。

とはいえ、「Premiumに入っても広告が消えない」「月額料金が高すぎる」といったユーザーの声を無視していては、長期的にユーザー離れを招くおそれもあります。

広告の内容や頻度の見直し、価格設定の改善、あるいは広告なしの別料金プランの導入など、Google側にも一定の“歩み寄り”が必要なフェーズに入ってきたのかもしれません。



まとめ:YouTubeを巡る攻防、その先にあるもの

現時点では、広告をめぐるこの戦いに明確な勝者はいません。
Googleは自社の利益を守ろうとし、ユーザーは自分の時間と快適さを守ろうとしています。

この先、広告ブロッカーが再び突破口を見つけるのか、それともGoogleがさらに検出技術を強化するのか。あるいは、全く新しい選択肢が生まれるのか。

いずれにしても、YouTubeを巡るこのやり取りは、「動画を観るだけ」では済まされない課題を、今の私たちに突きつけているように感じます。