ReversingLabsは2026年2月25日、決済プラットフォームStripeの公式NuGetパッケージStripe.netになりすました悪性パッケージStripeApi.Netを確認したと報告しました。過去に暗号資産関連(Coinbase、Binance、Solana、Nethereum等)を狙ったNuGetキャンペーンが観測されていましたが、今回は金融(決済)領域の開発者に標的が移った形です。
目次
攻撃の狙い
Stripe.netは.NETアプリからStripeのAPIを扱うためのライブラリで、開発者はこのパッケージを組み込むことで認証、エラーハンドリング、データ変換などを簡略化できます。
もし偽パッケージを誤って導入すると、アプリ自体は正常に動作しているように見える一方で、StripeのAPIキー(トークン)などの機密が裏で抜き取られ、Stripeアカウントの不正利用や課金・取引操作の足掛かりになり得ます。
手口
タイポスクワッティングでStripe.netを偽装
攻撃者はStripe.netを直接改ざんするのではなく、名前の似たStripeApi.Netを公開し、検索や手入力のミスを誘ってインストールさせるタイポスクワッティングを選んでいます。NuGetページは公式に寄せて作られており、アイコン、README、タグ、外部リンク(公式Stripe資産への誘導)、所有者名(StripePayments)などを用いて正規に見せかけていました。
ダウンロード数を水増し
StripeApi.Netは18万超のダウンロードがあるように見えるものの、ReversingLabsは大半(あるいは全て)が人工的に水増しされた可能性が高いと分析しています。特徴的なのは、1つのバージョンに集中させず、506バージョンに分散して平均約300件ずつ積む目立ちにくい水増しをされています
悪性コードの中身
StripeClient初期化時にAPIトークンを窃取
パッケージ内のDLLは、正規Stripe.net相当のコード・挙動を多く残したまま、重要なメソッドを改変して情報窃取を行います。具体的には、StripeClientクラス初期化時に利用者のAPIトークンを取得するよう改変されており、このライブラリを使う限り初期化処理は通るため、窃取が成立しやすい設計です。
Supabaseを使って外部送信
窃取したAPIトークンは、端末名由来の簡易IDと合わせてSupabase(正規のBaaS)上の攻撃者管理先へ送信する実装でした。攻撃者にとっては、無料枠がありインフラ構築が容易なSupabaseを回収基盤”して使える点が都合がよいと説明されています。
実被害の可能性
ReversingLabsは、パッケージ公開から調査・通報までが早く、NuGet運営側が通報後に削除対応したこと、さらにSupabase側のデータベースを確認しても窃取トークンが見当たらずテストエントリのみだったことから、実際の被害者が出た可能性は低いと見ています。とはいえ、同種の供給網攻撃は今後も再発し得るため、被害が小さいうちに手口を理解して対策へ落とすことが重要です。
IOC
ReversingLabsが提示したIOCの一例は次の通りです。該当の依存関係が混入していないか確認の起点になります。
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NuGet package:StripeApi.Net
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version:50.4.1
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SHA1:050bf5d4cf8fb4964e0e67b4cb46dacf89e7a615
出典








