アーキテクト・ディベロッパー、いえらぶCLOUDへの不正アクセス 被害を公表

セキュリティニュース

投稿日時: 更新日時:

アーキテクト・ディベロッパー、いえらぶCLOUDへの不正アクセス 被害を公表

2026年4月13日、不動産開発・プロパティマネジメント事業を展開する株式会社アーキテクト・ディベロッパー(ADI、本社:東京都中央区銀座、代表取締役社長:木本 啓紀)が、自社が利用するクラウドサービス「いえらぶCLOUD」において不正アクセスが発生し、データが不正に取得されたことを公式に発表しました。

いえらぶCLOUDをめぐっては、4月8日に運営会社である株式会社いえらぶGROUPが自社サービスへの不正アクセスを公表しており、同日にハッキングフォーラムでSUUMO・CHINTAI・HOME’S・at homeなど大手不動産ポータル経由の住宅検討者データ約240万件の販売が主張されています。今回のADIのリリースは、いえらぶCLOUDの利用企業として被害を正式に認めた、現在確認できる限り初の公式発表です。

最新情報まとめ:いえらぶCLOUDへの不正アクセスによるサイバー攻撃 被害 企業や概要まとめ【2026年最新】

▶ 関連記事:ハッカーがSUUMO・CHINTAI・ホームズ・アットホームへ不正アクセスも利用企業へのサイバー攻撃か

アーキテクト・ディベロッパー(ADI)のリリース内容

いえらぶCLOUDを利用するに至った経緯

ADIは2026年1月に、株式会社ADワークスグループの連結子会社である株式会社エー・ディー・パートナーズから「外部オーナー向けプロパティマネジメント事業」を会社分割(吸収分割)により承継しました。この際、同事業で従前から使用されていたいえらぶCLOUDをそのまま引き継いで賃貸管理業務に活用しています。今回の不正アクセスは、その引き継いだいえらぶCLOUDにおいて発生したものです。なお、当該事業に関連する物件のオーナー・入居者に対しては、2025年12月に管理会社変更のご案内を実施しています。

ADIが確認している事項と影響範囲

項目 内容
取り扱い情報 当該クラウド上で取り扱う情報には氏名・連絡先等が含まれる場合がある(対象範囲は現時点で未確定)
不正利用の有無 現時点で顧客情報の不正利用は確認されていない
自社システムへの影響 自社システムへの直接的な侵害は確認されていない
今後の対応 いえらぶGROUPと連携し事実確認を最優先で進める。詳細判明次第、個人情報保護法に基づき関係者へ適切な通知を実施

出典:株式会社アーキテクト・ディベロッパー公式リリース(2026年4月13日)

いえらぶGROUPのインシデント概要

今回のADIの発表は、株式会社いえらぶGROUPを起点とするインシデントの波及として位置づけられます。以下へいえらぶGROUP側のインシデントの全体像を整理します。

いえらぶCLOUDとは:不動産ポータルの反響を一元管理するCRM

株式会社いえらぶGROUPは、不動産仲介業者・管理業者向けのSaaS型クラウドサービス「いえらぶCLOUD」を主力事業として展開しています。このサービスの中核機能は、SUUMO・CHINTAI・HOME’S・at homeなど複数の大手不動産ポータルサイトからの問い合わせ(反響)を一元的に取り込み、不動産会社がCRM(顧客管理)として一画面で管理・対応できる仕組みです。

その構造上、いえらぶCLOUDのデータベースには複数のポータルを経由して物件を問い合わせた住宅検討者の個人情報が集約されています。この「複数ポータルをまたぐデータのハブ」としての性質が、今回のインシデントの被害規模と深刻さを生んでいる根本的な要因です。

インシデントの経緯

日付 出来事
2026年4月6日 いえらぶGROUPが不正アクセスの可能性を認識し、初動調査を開始
2026年4月8日 いえらぶGROUPが本格調査を開始。「社外関係者に関する情報および当社に関する情報が不正に読み出されたことを確認した」と公式発表。同日、ハッキングフォーラムで不動産ポータル経由の住宅検討者データ約240万件の販売を主張するハッカーの投稿が確認される
2026年4月9日 株式会社CHINTAIが「事実関係の有無を含め、現在速やかに調査を進めている」と公式サイトで公表
2026年4月13日 株式会社アーキテクト・ディベロッパー(ADI)が、いえらぶCLOUD利用企業として被害を公式発表。利用企業からの公式発表として現時点で確認できる最初の事例となる

出典:いえらぶGROUP公式リリース(2026年4月8日)、CHINTAI公式サイト、アーキテクト・ディベロッパー公式リリース(2026年4月13日)

ハッカーが主張するデータと「ポータル統合CRM侵害」という分析

4月8日に確認されたハッカーの投稿が主張するデータには、氏名・電話番号・メールアドレス(ユニーク約97万件)のほか、希望入居日・希望賃料・物件種別・間取り・顧客要望・登録日といった詳細な住宅検討者情報が含まれ、総件数は約240万件とされています。

セキュリティ対策Labの既報分析では、ハッカーが公開した操作画面の項目(顧客No.・担当者・反響元・メール・電話・希望賃料・希望条件・登録日時)が消費者向けポータルの管理画面ではなく不動産仲介業者が利用するCRMシステムの構造と一致していることを指摘していました。

また「反響元:SMOCCA」という記載が示すように、各ポータルのロゴは漏洩元ではなく問い合わせの流入元を示しています。今回のいえらぶGROUPのインシデント発表は、この「ポータル統合CRMが侵害された」という分析の蓋然性をさらに高める事実です。

ただし、「いえらぶCLOUD全体の漏洩か、特定の利用企業経由の漏洩か」という根本的な問いへの答えはいまだ確定していません。

よくある質問(FAQ)

いえらぶCLOUDへの不正アクセスで漏洩した可能性のある情報は何ですか?

いえらぶGROUPは「社外関係者に関する情報および当社に関する情報が不正に読み出された」と発表しています。アーキテクト・ディベロッパーは「氏名・連絡先等が含まれる場合がある」と開示しています。具体的な件数や詳細範囲は現在調査中です。

SUUMO・CHINTAI・HOME’S・at home自体がハッキングされたのですか?

その可能性は低いと分析されています。ハッカーが公開した操作画面には各ポータルが「反響元(問い合わせの流入元)」として記録されているに過ぎず、実際の漏洩元は複数ポータルからの問い合わせを一元管理する不動産業務支援クラウドCRMである可能性が高いと見られています。