千葉県市川市の公立小学校で教頭を務めていた男が、保護者から教材費などとして入金された現金約350万円を学校口座から横領した疑いで逮捕されました。
千葉県警は2026年6月4日、行徳警察署が業務上横領事件で53歳の契約社員の男を逮捕したと公表しました。千葉県警によると、男は令和6年10月25日から令和7年2月27日までの間、小学校の教頭として勤務し、同小学校名義の普通預金口座を保管・管理していました。そのうえで、教材費等として保護者から入金された預金を、複数回にわたり自己の用途に費消する目的で横領した疑いが持たれています。
逮捕されたのは東京・江戸川区の契約社員・小林佳巨容疑者で、千葉県市川市内の公立小学校の教頭として勤務していた期間に、学校の口座からおよそ350万円を横領した疑いがあると報じています。また、学校口座からは総額約1,200万円の不正な支出があったとして、警察が余罪を調べているとしています。
市川市教育委員会は2025年5月の教育長通信で、千葉県教育委員会から塩焼小学校の元教頭・小林佳巨氏に対し、懲戒免職処分がなされたと説明していました。理由は、保護者から集めた修学旅行などの積立金や教材費、いわゆる学校徴収金を着服していたことによるものです。この記事のサマリー
- 千葉県警が、業務上横領事件で53歳の男を逮捕しました。
- 容疑は、小学校名義の普通預金口座から教材費等を横領した疑いです。
- TBSは、逮捕されたのは市川市内の公立小学校の元教頭・小林佳巨容疑者と報じています。
- 横領したとされる金額は約350万円です。
- 対象期間は2024年10月から2025年2月までです。
- 学校口座からは総額約1,200万円の不正な支出があったとして、警察が余罪を調べています。
- 市川市教育委員会は2025年5月、塩焼小学校の元教頭に対する懲戒免職処分を公表していました。
- 市川市教育委員会は、学校徴収金管理マニュアルの改訂、管理職向け研修、学校が会計処理に直接関わらない仕組みの導入検討を進めています。
目次
何が起きたか
千葉県警の発表では、逮捕された男は小学校の教頭として勤務し、同小学校名義の普通預金口座を保管・管理していました。
その口座には、教材費等として保護者から入金された預金がありました。男はその預金を保管中、複数回にわたり、自己の用途に費消する目的で横領した疑いが持たれています。
小林容疑者は2024年10月から2025年2月までの間に、保護者から教材費などとして入金された現金約350万円を学校の口座から横領した疑いがあるとされています。取り調べに対し、借金の返済や生活費に困って使ったとして容疑を認めていると報じられています。(TBS NEWS DIG)
FNNも、市川市立塩焼小学校の教頭だった2024年10月から約4カ月間、学校名義の口座で管理していた教材費など約350万円を横領した疑いがあると報じています。
事案の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 逮捕日 | 2026年6月4日 |
| 捜査担当 | 千葉県警 行徳警察署 |
| 容疑 | 業務上横領 |
| 逮捕された人物 | 53歳の男。報道では元教頭・小林佳巨容疑者 |
| 勤務先 | 報道では千葉県市川市内の公立小学校、市川市立塩焼小学校 |
| 対象期間 | 2024年10月25日から2025年2月27日まで |
| 対象口座 | 小学校名義の普通預金口座 |
| 対象資金 | 保護者から教材費等として入金された預金 |
| 横領容疑額 | 約350万円 |
| 不正支出総額 | 報道では約1,200万円 |
| 処分 | 2025年5月に懲戒免職処分 |
発覚の経緯
TBSによると、小林容疑者は当時、学校口座を管理する業務にあたっていました。2025年3月に本人が学校側へ横領したと明かしたことで、事件が発覚したとされています。
卒業式の前日に突然行方が分からなくなった後、都内のホテルで見つかり、その際に横領したことを話したと報じています。
その後、千葉県教育委員会は2025年5月、元教頭を懲戒免職処分にしました。市川市教育委員会の教育長通信でも、2025年5月26日に千葉県教育委員会から塩焼小学校の元教頭・小林佳巨氏に対し、懲戒免職処分がなされたと説明されています。
市川市教育委員会の説明
市川市教育委員会は、今回の不祥事について、保護者から集めた修学旅行などの積立金や教材費を着服していたことによるものと説明しています。
同教育委員会は、市議会の6月定例会に損害賠償に係る議案を提出し、議案可決後に教材などの業者へ速やかに支払うことで、在校児童の学業に影響は生じないとしています。また、市から元教頭に対して求償すると説明しています。
さらに、市内全校に対して学校徴収金の管理状況を調査した結果、同様の事例は確認されなかったとしています。
再発防止策
市川市教育委員会は、今回の事案を受け、再発防止策として以下を示しています。
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| 臨時会議での指導徹底 | 校長・園長会議、教頭会議を臨時開催し、学校徴収金管理マニュアルに則った対応を指導 |
| マニュアル改訂 | 学校徴収金管理マニュアルを改訂 |
| 研修会の実施 | 校長・園長、教頭を対象に学校徴収金の取扱いに関する研修を実施 |
| 抜本策の検討 | 学校徴収金などの会計処理に学校が直接関わらない仕組みの導入を検討 |
| 保護者説明 | 懲戒処分当日に臨時保護者会を開催 |
| 児童対応 | 学年ごとの臨時学年集会、カウンセラー派遣を実施 |
学校徴収金の会計処理を学校現場だけで完結させると、担当者の異動、繁忙、属人化、不正に弱くなります。市川市教育委員会が示しているように、学校が会計処理に直接関わらない仕組みの検討は、再発防止に向けた重要な論点です。
学校徴収金で確認すべき内部統制
学校徴収金の横領や不適切処理を防ぐには、個人の注意や善意に頼るのではなく、複数人で確認できる仕組みが必要です。
| 確認項目 | 必要な対策 |
|---|---|
| 口座管理 | 通帳、印鑑、キャッシュカードを同一人物が単独管理しない |
| 出金承認 | 出金時は校長、教頭、事務担当など複数人承認にする |
| 支払確認 | 請求書、納品書、支払記録を突合する |
| 残高確認 | 月次で口座残高と帳簿を照合する |
| 通帳原本 | コピーや報告書だけでなく、原本または銀行明細を確認する |
| 担当者固定 | 同一担当者に長期間任せきりにしない |
| 監査 | 学校単位ではなく教育委員会側でも定期確認する |
| デジタル化 | 会計処理をシステム化し、操作ログを残す |
特に、出金操作と承認、帳簿作成、残高確認が同じ担当者に集中している場合、不正やミスを発見しにくくなります。学校徴収金は少額に見えても、学年単位や行事単位で積み上がると高額になります。
教育委員会・学校が確認すべきポイント
今回の事案は、学校徴収金の管理に関わるすべての教育機関に共通する課題を示しています。
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 学校徴収金台帳 | 全校で管理口座、担当者、承認者を一覧化しているか |
| 口座権限 | 出金できる人物が限定され、複数承認になっているか |
| 通帳・印鑑管理 | 通帳と印鑑を分離保管しているか |
| 監査手順 | 通帳原本、銀行明細、帳簿、証憑を照合しているか |
| 異動時引継ぎ | 管理口座と残高を異動時に確認しているか |
| 保護者説明 | 徴収金の使途や残高を透明化しているか |
| 例外処理 | 現金扱い、立替、返金、緊急支出を記録しているか |
| 外部化 | 学校現場ではなく自治体・外部システムで会計処理できるか |
学校徴収金は、児童・保護者から預かった資金です。教育現場の信頼を守るためには、校内の管理だけでなく、教育委員会による横断的な監査と、会計処理の標準化が必要です。
企業・自治体にも共通する内部不正対策
今回の事案は教育現場の問題ですが、企業や自治体の内部不正対策にも共通します。
正規権限を持つ担当者による不正は、外部攻撃とは異なり、通常業務の操作として処理されるため、発見が遅れやすい特徴があります。
| 領域 | 確認内容 |
|---|---|
| 権限管理 | 申請者、承認者、支払実行者を分ける |
| 操作ログ | 出金、振込、承認、帳簿修正の履歴を残す |
| 異常検知 | 短期間の複数出金、端数調整、休日操作を検知する |
| 証憑管理 | 請求書、領収書、納品書を紐づけて保存する |
| 口座明細連携 | 銀行明細と帳簿を自動照合する |
| 例外管理 | 現金支出や手入力修正を重点監査する |
| 定期ローテーション | 同一担当者への長期固定を避ける |
| 内部通報 | 不審な会計処理を相談できる窓口を整備する |
内部不正は、金額の大小にかかわらず、組織の信頼に大きく影響します。担当者を疑うためではなく、担当者を守るためにも、複数人確認と記録が必要です。








