米 防衛大手Leidos、米陸軍と3億100万ドルのサイバー防衛契約 ネットワークを24時間監視、AI活用で対応迅速化

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米 防衛大手Leidos、米陸軍と3億100万ドルのサイバー防衛契約 ネットワークを24時間監視、AI活用で対応迅速化

米国の防衛・IT大手Leidosは2026年8月24日、米陸軍との5年間・3億100万ドル(約479億円)の契約の下で、米軍が利用するDepartment of War Information Network(DoWIN)のサイバー防衛を継続すると発表しました。

契約では、軍事ネットワークを24時間365日監視し、サイバー脅威の検知・防御に加えて、新たな防御能力の開発を行います。Leidosは、AIを活用した機能によってサイバー耐性、状況認識、対応速度を高める方針です。

今回の契約は新規参入ではなく、Leidosがこれまで米陸軍向けに実施してきた防御的サイバー任務を継続する「follow-on contract」です。一方、契約番号、具体的なAIモデル、監視対象となる個別システム、開始日や契約オプションの内訳などは、8月25日時点の公式発表では明らかにされていません。

Leidosの米陸軍サイバー防衛契約のサマリー

  • 確認済み:Leidosは2026年8月24日、米陸軍とのサイバー防衛契約を公表しました。
  • 確認済み:契約額は3億100万ドル(約479億円)、期間は5年間です。
  • 確認済み:対象はDepartment of War Information Network(DoWIN)で、米軍組織が利用するグローバルな情報ネットワークです。
  • 確認済み:Leidosは軍事ネットワークを24時間365日監視し、サイバー脅威の検知・防御を支援します。
  • 確認済み:契約には新たなサイバー防御能力の開発も含まれます。
  • 確認済み:LeidosはAI-enabled capabilitiesを利用し、サイバー耐性、状況認識、対応の迅速化を図るとしています。
  • 確認済み:今回の契約は、同社が従来から支援してきた米陸軍の防御的サイバー任務を継続する後続契約です。
  • 確認済み:Leidosは、サイバー運用、エンジニアリング、技術開発を統合することで、検知から対応までの時間短縮を進めてきたと説明しています。
  • 政府資料:USCYBERCOMのFY2027予算資料では、DoWIN防衛は同軍の4つの主要任務の一つと位置付けられています。
  • 政府資料:同資料は、24時間のサイバー防衛・対応、AI/MLへの投資、可視性向上、自動脅威検知、高度分析を重点領域として挙げています。
  • 注意点:米政府資料に記載されたAI/ML施策すべてが、今回のLeidos契約の個別仕様として採用されると公表されたわけではありません。
  • 未公表:契約番号、調達方式、個別のAI製品・モデル、監視対象システムの詳細、具体的な人員規模は公式発表では確認できませんでした。
項目 内容
発表日 2026年8月24日
契約先 米陸軍
受注企業 Leidos
契約額 3億100万ドル(約479億円)
契約期間 5年間
対象 Department of War Information Network(DoWIN)
主な業務 24時間365日のサイバー監視、脅威検知・防御、新たな防御能力の開発
AI活用 サイバー耐性、状況認識、迅速で協調した対応を支援
契約の位置付け 既存任務を継続するfollow-on contract
契約番号 公表されていません
具体的なAIモデル 公表されていません
攻撃的サイバー作戦 今回のLeidos発表では契約業務として示されていません

Leidosは米政府・防衛分野を主要顧客とするIT・防衛企業

Leidosは米バージニア州レストンに本社を置き、国防、情報機関、連邦政府、医療、インフラなどへIT・エンジニアリングサービスを提供する企業です。

同社の公式発表によると、世界で約5万人を雇用し、2026年1月2日終了の会計年度の売上高は約172億ドル(約2兆7,390億円)でした。

今回の契約は、Leidosが成長領域として掲げるサイバー、防衛技術、デジタル変革の一部に位置付けられています。

5年間・3億100万ドル(約479億円)、米軍ネットワークを24時間365日監視

Leidosの8月24日付発表によると、同社は米陸軍との5年間・3億100万ドル(約479億円)の契約の下で、軍事ネットワークを24時間365日監視します。

目的は、サイバー脅威を検知して防御し、DoWINのサイバー耐性を高めることです。

単に既存ツールを運用するだけではなく、新たな能力開発も契約業務に含まれています。

Leidosは、従来のプログラムでもサイバー運用、エンジニアリング、技術開発を統合し、脅威を検知してから対応するまでの時間を短縮してきたと説明しています。

今回の発表ではSOCの拠点数、監視対象機器数、ログ量、具体的なSLAなどは示されていません。

DoWINは米軍全体を支えるグローバルネットワーク

契約対象となるDoWINは、Department of War Information Networkの略称です。

LeidosはDoWINについて、すべての米軍組織が利用するグローバルネットワークと説明しています。

米サイバー軍(USCYBERCOM)のFY2027予算資料でも、DoWINの防衛はUSCYBERCOMの4つの主要任務の一つとして位置付けられています。

同資料で示されている4つの主要任務は、

  • DoWINの防衛
  • 重大なサイバー脅威から米国本土を防衛
  • 世界各地のJoint Forceの作戦支援
  • 同盟国、政府機関、民間部門との連携強化

です。

DoWINは単なる社内ITネットワークではなく、軍の指揮統制や各種作戦を支える基盤として扱われています。

DCDCがDoWIN全体の継続的な防衛を担当

米サイバー軍のFY2027予算資料では、Department of War Cyber Defense Command(DCDC)がDoWINのグローバルなセキュリティと防衛について指揮統制を担うと説明されています。

DCDCの任務には、

  • DoWINの継続的な保護
  • 防御的サイバー要件のグローバルな管理
  • DoWINの準備状況評価
  • 各DoW組織の防御活動の調整

などが含まれます。

同資料では、DCDCが「continuous monitoring」を実施し、組織横断的な防御活動を管理するとしています。

今回のLeidos契約で示された24時間365日の監視は、こうした米軍全体のサイバー防衛体制を民間企業が技術・運用面から支えるものと位置付けられます。

ただし、Leidosの公式発表は契約相手を「U.S. Army」としており、今回の3億100万ドル契約をDCDCが直接発注したとは記載していません。

AIをサイバー耐性、状況認識、対応速度の向上に利用

Leidosは今回の契約で、AI-enabled capabilitiesを活用するとしています。

Leidos DigitalのSteve Hull社長は、より高度化する脅威を予測し、迅速に対応するとともに、重要任務を継続できるサイバー耐性を重視すると説明しています。

具体的には、AIを利用して、

  • サイバー耐性の強化
  • 状況認識の改善
  • より迅速で協調した対応

を支援するとしています。

一方、今回の発表では、利用するAIモデルやAIエージェント、LLM、機械学習製品などの具体名は明らかにされていません。

また、AIが人間を介さず自律的に攻撃者へ対処する、あるいは攻撃的サイバー作戦を実行するとの記載もありません。

そのため、本件を「AIが米軍ネットワークを自律防衛する契約」などと表現するのは、現時点の公表内容を超えます。

米サイバー軍もAI/MLによる防御強化をFY2027で重点化

今回の契約とは別に、米サイバー軍のFY2027予算資料を見ると、AI/MLはサイバー防衛能力の強化における重点投資領域となっています。

USCYBERCOMは、AI/ML、データ統合、Joint Cyber Warfighting Architectureへの投資によって作戦効果を高める方針を示しています。

同時に、

  • 防御活動の可視性向上
  • 自動化された脅威検知
  • 高度な分析
  • 24時間のサイバー防衛と対応

を強化するとしています。

この方向性は、Leidosが今回発表した「AI-enabled capabilities」「situational awareness」「faster response」と整合します。

ただし、USCYBERCOMのFY2027予算は米軍全体のサイバー関連施策を示す資料です。

予算資料に記載されているAI/ML施策や自動脅威検知の全てが、今回の3億100万ドル契約に含まれると確認されたわけではありません。

USCYBERCOMはFY2027に約21億8,400万ドルを要求

米サイバー軍のFY2027 Operation and Maintenance予算要求額は約21億8,410万ドルです。

FY2026の議会成立額約16億2,337万ドル(約2,585億円)から、約5億6,074万ドル(約893億円)増加する要求となっています。

USCYBERCOMは増額分について、Cyber National Mission Force(CNMF)やDCDCの強化、サイバー要員、作戦即応性、AI/ML、データ統合などに重点を置くと説明しています。

なお、この約21億8,400万ドル(約3,478億円)はUSCYBERCOM全体の予算要求であり、Leidosとの3億100万ドル(約479億円)の契約額とは別の数字です。

両者を合算したり、「LeidosがUSCYBERCOM予算の3億100万ドルを受注した」と表現したりすることはできません。

防衛・重要インフラのセキュリティ部門への示唆

今回の契約で注目すべき点は、サイバー防御を「製品導入」ではなく、24時間365日の継続運用、エンジニアリング、能力開発まで含む常設機能として扱っていることです。

大規模組織では、EDRやSIEM、NDRなどを導入しても、検知したアラートを継続監視し、優先順位を判断し、対応へつなげる運用がなければ防御力は上がりません。

Leidosが強調する「検知から対応までの時間短縮」は、一般企業のSOCでも重要な指標です。

MTTD(Mean Time to Detect)やMTTR(Mean Time to Respond)だけでなく、重大インシデントを認識してから隔離・封じ込めまでに何分かかったか、部門間の承認にどの程度時間を要したかを測定する必要があります。

AIについても、導入自体を目的にするのではなく、

  • アラートの優先順位付け
  • 脅威ハンティング
  • ログ・テレメトリの相関分析
  • インシデント状況の要約
  • 対応判断に必要な情報の集約

など、SOCのどの工程を改善するのかを明確にすることが重要です。

米政府資料が示すように、AIと自動化は「可視性」「脅威検知」「分析」「対応」のスケールを高める手段として位置付けられています。

一方、自動化された防御処理は誤検知時の業務影響も大きくなるため、ネットワーク遮断、アカウント停止、システム変更など影響度の高い操作では、人間による承認やロールバック手段を含めたガバナンスが必要です。

※日本円換算は2026年8月25日時点の1ドル=159.248円を基準とした概算です。為替変動により実際の円換算額は変動します。

出典