建設業向けの人材紹介業 ビーバーズが1万人以上の個人情報を違法取得

個人情報保護委員会は、株式会社ビーバーズ（本社：東京都渋谷区） に対し、2025年1月29日、個人情報の不適切な取得に関する違反行為の是正を求める勧告を行いました。

調査の結果、ビーバーズは建設業界の職業紹介・転職支援事業において、虚偽の情報を用いた不適切な方法で1万人以上の個人情報を違法に取得していたことが判明しました。

架空の電話で1万人以上の個人情報を違法取得

ビーバーズは2023年4月頃から、以下の手法で建設会社の従業員（現場監督者等）の個人情報を不適切に取得していました。

1. 建設現場の法定標識や公共工事の入札情報などから従業員情報を収集
2. 建設会社に架電し、架空の事業者名を名乗る
3. 「〇〇さん（現場監督者）から折り返し希望があった」などと虚偽の理由を伝え、電話応答者を誘導
4. 現場監督者の携帯電話番号を取得
5. 取得した情報をデータベース化し、職業紹介や転職支援の営業に利用

この方法により、1万人以上の個人情報（氏名・携帯電話番号）が不適切に取得され、ビーバーズの事業に活用されていたことが判明しました。

個人情報保護法の違反の指摘事項

個人情報保護法 第20条第1項（適正な取得） では、「偽りその他不正の手段による個人情報の取得は禁止」とされています。

ビーバーズの行為は、虚偽の事業者名・理由を用いて相手を欺き、個人情報を取得 しており、明らかに「不正な手段」に該当するため、同法に違反すると判断されました。

事案の悪質性

個人情報保護委員会は以下の理由から同社の悪質性を指摘しています。

• 約1年9か月にわたり、組織的に実施
• 1万人以上の個人情報を違法に取得し、営業目的で活用
• 委員会への初回聴取時に「取得していない」と虚偽の説明
• 当初の報告でも実態を過小申告
• 現在も違法な取得・保管・利用を継続している可能性が高い