カルロス・ゴーンの経歴と現在-日産 再建の実績、国外逃亡とフランスで続く司法手続き

コラム・インタビュー

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カルロス・ゴーンの経歴と現在-日産 再建の実績、国外逃亡とフランスで続く司法手続き

カルロス・ゴーン氏は、ミシュランとRenaultを経て1999年に日産自動車へ入り、経営危機にあった日産の再建を主導した経営者です。2000年代前半、日産は営業利益率を1.4%から10.8%へ引き上げ、自動車事業の実質有利子負債を約2兆1,000億円から実質ゼロまで削減しました。

その後、ゴーン氏はRenault、日産、三菱自動車を束ねるアライアンスの中心人物となりましたが、2018年11月に東京地検特捜部に逮捕され、日産の会長職を解任されました。逮捕後に日産とRenaultが実施した内部調査では、会社資金による住宅取得、家族によるコーポレートジェットの利用、家族旅行や個人的な贈答品への会社資金の使用、親族との契約、オランダ法人や中東の販売会社を経由した資金移動などが問題として挙げられました。

2019年12月、ゴーン氏は保釈中に日本を出国してレバノンへ移りました。日本で本人に対する刑事裁判は完結していません。フランスでも複数の捜査と裁判が続いており、2026年9月にはパリでゴーン氏が欠席したまま刑事裁判が開かれ、検察が禁錮4年などを求刑しました。

この記事では、ゴーン氏の日産入社前の経歴、日産で残した経営成績、会社資産の利用をめぐって日産・Renault・各国の裁判所や捜査機関が確認してきた事実、妻や子どもに関係する資金・企業、国外逃亡の経緯、フランスでの評価と2026年9月時点の状況を、公的資料、企業開示、裁判資料、フランスの主要報道を基に追います。

ユーロ建てで公表・報道された金額は、2026年9月29日時点の1ユーロ=178.691円で円換算しています。取引当時の円換算額とは異なります。

ミシュランからRenaultへ 日産再建前のカルロス・ゴーン

カルロス・ゴーン氏は1954年3月9日、ブラジルで生まれました。レバノン系の家庭に生まれ、幼少期をレバノンで過ごした後、フランスで高等教育を受けています。

1978年にタイヤメーカーのミシュランへ入社し、1985年にはミシュラン・ブラジルの責任者、1989年にはミシュラン北米のトップに就きました。南米と北米で事業再編を経験した後、1996年にRenaultへ移り、Executive Vice Presidentとして購買、生産、研究開発、エンジニアリング、パワートレインなどを担当します。

1999年、Renaultが経営難にあった日産と資本提携すると、ゴーン氏は日産のCOOとして日本へ派遣されました。2000年に社長兼COO、2001年に社長兼CEOへ就任。2005年にはRenault社長兼CEOも兼ね、2009年からRenault会長兼CEOとなりました。2016年には三菱自動車の会長にも就任し、3社連合の経営を事実上束ねる立場になります。

日産では2017年にCEOを西川廣人氏へ引き継ぎましたが、会長職には残りました。2018年11月の逮捕時点でも取締役会長でした。

日産再建 営業利益830億円から7,370億円へ

ゴーン氏の経営者としての実績で最も大きいのが、1999年から2000年代前半の日産再建です。

1999年に発表した「日産リバイバルプラン」は、2000年度の黒字化、2002年度までの連結売上高営業利益率4.5%以上、自動車事業の実質有利子負債7,000億円以下という数値目標を掲げました。日産の年次報告書によると、3目標はいずれも当初計画より1年前倒しで達成されています。

1999年度に830億円だった営業利益は2002年度に7,370億円へ増加し、営業利益率は1.4%から10.8%へ上昇しました。自動車事業の実質有利子負債は約2兆1,000億円から実質ゼロになりました。

指標 1999年度 2002年度
売上高 5兆9,800億円 6兆8,500億円
営業利益 830億円 7,370億円
営業利益率 1.4% 10.8%
自動車事業の実質有利子負債 約2兆1,000億円 実質ゼロ

改革では系列取引の見直し、購買コスト削減、不採算資産の整理、生産体制の再編、新車投入などが同時に進められました。2002年度の営業利益率10.8%は当時の日産として過去最高水準でした。

2016年度にも日産は売上高11兆7,200億円、営業利益7,422億円、当期純利益6,635億円を計上し、自動車事業は1兆6,400億円のネットキャッシュを保有していました。

一方、2010年代に進めた世界販売の拡大は、ゴーン氏退任後に修正されました。日産は2020年の事業構造改革「NISSAN NEXT」で、「日産パワー88」以降、新興市場を中心に生産能力を増やしたものの、期待した販売増を得られず、大規模投資が主要市場への新商品投入の遅れにもつながったと説明しています。当時は約700万台の生産能力に対して年間販売が500万台を下回り、日産は「過度な販売台数の拡大」を追わない方針へ転換しました。

逮捕後の日産調査 住宅、航空機、家族旅行、親族への支払い

2018年11月の逮捕後、日産は外部法律事務所などを使って長期間の内部調査を実施しました。2019年9月に公表された調査結果では、ゴーン氏による会社資産の利用や資金支出について複数の問題が認定され、その後の有価証券報告書にも記載されています。

大きな項目の一つが住宅です。日産によると、将来性のある技術への投資を目的として設けたZi-A Capitalの資金のうち約2,700万ドルが、ゴーン氏が使用するベイルートとリオデジャネイロの住宅取得に使われました。会社資金で購入・賃借した住宅を私的に利用していたことも調査結果に含まれています。

親族への支払いも調査対象となりました。日産は、ゴーン氏の姉との間で2003年から10年以上にわたりコンサルティング契約を結び、総額75万ドル超を支払ったものの、実際に役務が提供されたことを示す証拠を確認できなかったとしています。

コーポレートジェットについては、ゴーン氏本人だけでなく家族が私的に利用したと日産は認定しました。家族旅行や休暇、個人的な贈答品の費用にも会社資金が使われたとしています。レバノンの大学への200万ドル超の寄付についても、業務上の必要性が確認できない支出として挙げられました。

日産が公表したこれらの内容は、経営トップに集中していた権限と、会社資産をチェックする仕組みの弱さを同社自身が検証した結果でもあります。逮捕後の日産は、指名委員会等設置会社への移行などガバナンス改革を進めました。

豪華ヨット「Shachou」とオマーンを経由した資金

ゴーン氏をめぐる資金問題の中で、後に裁判所の判断まで進んだのが豪華ヨット「Shachou(シャチョウ/社長)」です。ヨットは後に「The Twig」へ改名されました。

英領ヴァージン諸島(BVI)高等法院の資料によると、ヨットはFerretti Custom Line Navetta 37で、購入価格は現在の円換算で約21.8億円に相当します。所有会社としてBeauty Yachtsが使われました。

日産とNissan Middle EastはBVIで、CEO Reserve Fundから3,200万ドルが中東の複数の人物・企業を経由して流出し、その一部がBeauty Yachtsに渡ってヨット購入に使われたと主張しました。

2024年7月に本案審理が行われ、同年8月9日にBVI高等法院が判決を出しました。日産側代理人MKSの公表によると、裁判所は日産がヨットについて衡平法上の権利を持ち、Beauty Yachtsが日産のために保有していると判断しました。ゴーン氏には3,200万ドル、Beauty Yachtsには1,366万5,000ドルの支払いを命じていますが、同じ損害について日産が二重に回収することは認めていません。

Beauty Yachtsの株式がゴーン氏から妻キャロル氏へ移された取引についても、BVI高等法院は日産側の主張を認めました。日産側代理人による判決説明では、株式移転は無効とされ、債権者を害する意図が認定されています。

2024年の判決文によると、被告側はそれ以前の裁判所命令への不履行などを理由に防御手続きへの参加を禁止され、本案審理にも出廷しませんでした。裁判所は判決文で、被告側が不在でも日産側の主張が立証されたかを審査するとしています。ゴーン夫妻側はその後もBVIで手続きを続け、2025年の東カリブ最高裁の日程には関連する控訴手続きが掲載されています。

妻キャロル氏をめぐる資産とヴェルサイユのパーティー

妻キャロル氏の名前は、BVIのBeauty Yachts株式だけでなく、フランス側の調査や報道にも登場します。

2019年2月、Renaultはヴェルサイユ宮殿とのメセナ契約を調べ、2016年10月8日にGrand Trianonで開かれた私的な催しについて、通常なら約893万円に相当する施設利用などの便益がゴーン氏個人のために使われたと確認しました。Renaultは司法当局へ情報を提供しています。

Le Mondeは、この催しがキャロル氏の誕生日を祝う私的パーティーだったと報じました。ヴェルサイユ側はRenaultとのメセナ契約に基づく企業利用と認識し、会場利用や警備などを無償提供していたとされています。ゴーン氏は後に、企業向けの商業上の厚意だと認識していたという趣旨の説明をし、費用を返す用意があると述べました。

フランスのオマーン資金捜査でも、キャロル氏に関係する会社が調査対象として報じられています。Le Mondeは捜査資料を基に、日産やRenault-Nissanに由来すると捜査側がみている資金の一部が、オマーンの販売会社やGood Faith Investmentsなどを経由し、キャロル氏が代表を務めていた会社の口座へ流れた疑いが調べられていると報じました。

この捜査は現在も司法手続きの一部として続いています。

Shogun Investments オマーン資金から息子の事業へ流れたとの疑惑

オマーンを巡る資金経路では、ゴーン氏と息子アンソニー氏に関係するShogun Investmentsも調査・報道の対象になりました。

日産は2019年の社内調査で、国外販売代理店の関係者から「ゴーン氏自身またはその関係企業」へ数千万ドルが支払われていた一方、日産子会社から同販売代理店へCEOリザーブを使って販売奨励金名目で3,200万ドルを支払わせたと認定しました。この社内調査結果は2026年3月期決算短信でも継続して記載されています。日産の開示では、資金を受け取った「関係企業」の会社名までは明示されていません。

2019年にRenaultの内部調査を取材したReutersは、Renaultと日産からオマーンの販売会社Suhail Bahwan Automobiles(SBA)へ支払われた資金の一部が、レバノンのGood Faith Investmentsを経由し、アンソニー・ゴーン氏が関係するShogun Investments LLCへ流れた可能性を示す資料が確認されたと報じました。Reutersの記事では、アンソニー氏が資金の出所を知っていたことを示す情報はないとも記されています。

Le Mondeも、フランスの捜査当局がGood Faith Investmentsからゴーン家に関係する複数の会社への資金移動を調べ、その一つとしてShogun Investmentsを挙げていると報じています。

資金額について最も具体的に報じたのはWall Street Journalです。同紙の関係者取材を転載したBusiness Standardによると、2015年から2018年にGood Faith InvestmentsからShogun Investmentsへ合計2,720万ドルが移り、Shogunには他の資金源からの入金がなかったとされています。

同じ報道では、Good Faith Investmentsにはオマーン販売会社SBAの当時の幹部Divyendu Kumar氏から、2015~2018年に現在の円換算で約70.7億円相当の資金が入ったとされています。ゴーン氏側に近い関係者は、Good Faithの資金はKumar氏の個人資産であり、Shogun InvestmentsはKumar氏のためにも投資を行っていたと説明しました。

Shogunからアンソニー氏へ520万ドルを貸し付けたとの報道

Wall Street Journalの調査では、Shogun Investmentsの資金がアンソニー氏の事業にも使われたとされています。

同紙によると、アンソニー氏はShogun Investmentsの投資先を探し、小規模投資は自身で判断し、大きな投資については父カルロス氏の承認を得ていました。アンソニー氏が創業したShogun EnterprisesにはShogun Investmentsが創業初期から投資し、アンソニー氏自身もShogun Investmentsから2年間で合計520万ドルの貸付を受け、その資金をShogun Enterprisesへ投じたと報じられています。520万ドルは、当時Shogun Enterprisesが調達していた資金のおよそ4分の1に相当したとされています。

Shogun Enterprisesは現在「Hearth」のブランドで住宅リフォーム業者向けの金融サービスを展開しており、Hearthの公式サイトはアンソニー氏を共同創業者兼Executive Chairmanとして掲載しています。米SECへの2026年提出資料でも法人名は「Shogun Enterprises, Inc. (d/b/a Hearth)」と確認できます。

Wall Street Journalは、カルロス氏自身がShogun Investmentsの大型投資にも関与していたと報じています。同紙が確認したとする2017年12月のメールでは、カルロス氏がアンソニー氏に合計300万ドルの送金を手配したと伝え、200万ドルを東南アジアの配車サービスGrabへ投資し、残り100万ドルをアンソニー氏が有望と考える別企業へ投じる趣旨を記していたとされています。

長女Caroline Ghosn氏が共同創業したLevo Leagueの株式についても、ゴーン氏が2011年に取得した後、Shogun Investmentsへ移したと同紙は報じています。

Shogun Investmentsへの資金流入を違法と認定した公開判決は、2026年9月時点では確認されていません。フランスではオマーン販売会社を巡る資金移動について捜査が続き、ゴーン氏に国際逮捕状が出ています。

Renault・Nissanのオランダ法人 支出管理の欠陥を共同監査で指摘

RenaultとNissanは、両社がオランダに設けていたRenault-Nissan B.V.(RNBV)について共同監査を実施しました。

Renaultは2019年6月、財務の透明性や支出管理手続きに重大な欠陥が確認されたと公表しました。監査で疑問が示された支出は、現在の円換算で約19.7億円規模でした。ゴーン氏の航空機移動に伴う追加費用、一部の個人的支出、非営利団体への寄付などが含まれるとされています。

Renault取締役会はNissanと協議し、法的措置と損害回復策を検討する方針を決めました。

別のオランダ法人Nissan-Mitsubishi B.V.(NMBV)を巡っては、裁判所の判断が確定しています。ゴーン氏は自身の解任が不当だったとしてNMBVなどを提訴しましたが、NMBV側はゴーン氏が受領した資金の返還を求めました。

2021年5月、アムステルダム地方裁判所はゴーン氏の請求を退け、資金返還を命じました。2022年8月23日にはアムステルダム控訴裁判所もゴーン氏の請求の大部分を棄却し、現在の円換算で約7.5億円の返還を命じました。日産の2024年有価証券報告書によると、上告期限の経過により判決は確定しています。

日産の内部調査では、2018年4月以降、NMBVからゴーン氏へ取締役会の決議を経ずに現在の円換算で約13.9億円相当が支払われたと認定していました。

個人の為替取引で生じた約18.5億円の評価損を日産へ移転

会社と個人の資産管理という点では、2008年の為替スワップ取引も日産の内部調査に記載されています。

日産によると、ゴーン氏は個人的な為替スワップ取引で約18億5,000万円の評価損を抱え、その取引を一時的に日産へ移転しました。日産は、取締役会への説明が実態と異なっていたとしています。

金融当局から問題を指摘された後、2009年に取引はゴーン氏の関係会社へ戻されました。

この件は2008年の金融危機時に発生したもので、後の特別背任事件の背景の一つとしても注目されました。

フランスでの評価 経営実績への評価と報酬への反発が併存

フランスでゴーン氏が一貫して否定的に評価されてきたわけではありません。

2018年11月に日本で逮捕された直後、Renault取締役会は直ちにゴーン氏を解任しませんでした。日本の捜査当局とNissanが保有する証拠を自ら検証できないとして、暫定的に職務を停止しながら会長兼CEOの地位を維持しました。

2019年1月24日、ゴーン氏がRenault会長兼CEOを辞任した際も、Renault取締役会はRenault・Nissan・Mitsubishiのアライアンスが世界最大級の自動車グループに成長した歩みを評価しています。

一方、経営者報酬を巡っては逮捕前から株主との緊張がありました。2016年4月のRenault株主総会では、ゴーン氏の2015年分報酬に関する「say on pay」が反対多数となりました。当時は諮問投票だったため取締役会は報酬を維持しましたが、フランス国民議会の報告書でもこのケースが取り上げられています。

Renaultは株主との協議後、ゴーン氏が会長兼CEOを続けることは会社にとって重要だとしながら、報酬体系をより簡潔で透明なものにする必要があると認め、変動報酬部分を減額しました。

逮捕後の2019年4月、Renaultの倫理・コンプライアンス調査は、2010~2018年の報酬・福利厚生の多くは規則に適合していたとしつつ、一部の支出について「問題のある、隠された慣行」、利益相反管理上の問題、グループ資産保護原則への抵触を指摘しました。

なぜ日本から逃亡したのか

ゴーン氏は2019年12月、日本の裁判所から保釈されている最中に日本を出国し、レバノンへ入りました。

法務省によると正規の出国記録はなく、何らかの不正な手段で国外へ出たとみられています。裁判所は保釈を取り消し、日本の要請を受けてICPOが国際手配書を発行しました。

2020年1月、ゴーン氏はベイルートで記者会見を開き、日本の刑事司法制度では公正な裁判を受けられないと考えたと説明しました。長期拘束、弁護人が取り調べに立ち会えない制度、妻との接触制限、裁判開始までの時間などを批判しました。

同時に、日産社内の一部経営陣がRenaultとの統合を阻止するため自分を排除したという主張も展開しました。ゴーン氏は、自らの出国について日本の司法そのものから逃げたのではなく、不公正な扱いから逃れたという趣旨の説明を続けています。

日本政府は、裁判所に「逃亡しない」「海外へ渡航しない」と約束して保釈された被告人が国外へ出た行為を強く批判しました。法務省は、ゴーン氏に主張があるなら日本の法廷で証拠に基づいて争うべきだったとしています。

日本の拘禁については国連人権理事会の「恣意的拘禁に関する作業部会」が2020年、一部期間を恣意的拘禁と評価しました。日本政府は2021年、裁判官による勾留審査や不服申立て、再逮捕の対象事実などについて作業部会の意見に多数の事実誤認があると反論しています。

フランスでも捜査 オマーン販売会社を巡る約26.8億円規模の支払い

フランスでは、日本の事件とは別に、Renault-Nissan B.V.とオマーンの販売会社Suhail Bahwan Automobilesを巡る資金移動が捜査されています。

2022年、ナンテールの司法当局はゴーン氏に国際逮捕状を発付しました。Le Mondeによると、捜査対象となったのは現在の円換算で約26.8億円規模の支払いです。

フランスの捜査当局は、販売会社への支払いの一部がGood Faith Investmentsなどを経由し、ゴーン氏や家族に関係する資産・会社へ流れた可能性を調べています。ゴーン氏は不正を否定しています。

2026年9月時点で、この事件についてゴーン氏に有罪判決が確定したとの公的発表は確認できません。

2026年9月のパリ刑事裁判 検察は禁錮4年を求刑

2026年9月には、フランスで別の刑事裁判が開かれました。

争点となったのは、Renault-Nissan B.V.から、当時欧州議会議員だったラシダ・ダティ氏へ支払われた現在の円換算で約1.6億円の報酬です。検察側は、法律業務への通常の報酬ではなく、Renault-Nissanの利益のために欧州議会で影響力を行使することと関連した支払いだったと主張しました。ダティ氏は合法的な弁護士業務への報酬だったとして争っています。

ゴーン氏も汚職、影響力行使、背任、権限乱用などを巡る訴追対象となり、パリ刑事裁判所で2026年9月16日から28日まで審理されました。ゴーン氏はレバノンから出廷せず、欠席のまま裁判が進みました。

9月28日、フランス国家金融検察庁(PNF)はゴーン氏に禁錮4年、罰金約6,700万円、5年間の会社経営禁止などを求刑しました。2026年9月29日時点では判決は出ていません。

現在のカルロス・ゴーン レバノンから活動を継続

2026年9月現在、ゴーン氏はレバノンに居住しています。

Le Mondeは2026年6月、ゴーン氏がレバノンからオンラインで起業家や経営者へ戦略、リーダーシップについて助言し、ビデオ会議やSNSを通じた情報発信を続けていると報じました。

一方、日本からの国際手配に加え、フランスでも複数の司法手続きの対象となっています。2026年9月のパリ刑事裁判にも本人は出廷しませんでした。

日産再建で示した収益改善の実績は、日産とRenaultの公式資料に残っています。同じ企業の公表資料には、逮捕後の調査で判明した住宅、航空機、家族旅行、親族との契約、中東やオランダ法人を経由した資金の問題も記録されています。BVIとオランダでは日産側に有利な民事判断や返還判決が出ており、フランスではなお複数の司法手続きが続いています。

出典

日産・日本の一次資料、公的資料

Renault・フランスの一次資料、公的資料

英領ヴァージン諸島・オランダの裁判関連資料

フランスでの捜査・裁判・現在を確認した報道

Shogun Investments・オマーン資金経路の調査報道

国際機関