半導体関連会社の元営業課長を逮捕、内部不正リスクが改めて浮き彫りに
千葉県警は、勤務していた会社の顧客情報などを同業他社に漏えいしたとして、台湾出身の会社員の女を不正競争防止法違反の疑いで逮捕しました。
逮捕されたのは、横浜市在住の台湾出身の会社員、陳心彤容疑者(55)です。
目次
退職直前に電子データを外部送信した疑い
千葉県警によりますと、陳容疑者は2024年7月まで、千葉県内にある半導体関連会社で営業課長を務めていました。
退職直前、顧客情報や製品の作業内容などが記載された電子データを、国内の同業他社にメールで送信した疑いが持たれています。
これらの情報は、営業活動や製品開発に関わる重要な内部情報であり、不正競争防止法で保護される「営業秘密」に該当する可能性があります。
容疑を一部否認「悪いことだと思っていなかった」
陳容疑者は警察の調べに対し、
「書類をメールで送ることが、いけないと思っていなかった」
と話し、容疑を一部否認しているということです。
警察は、送信先の同業他社を利する目的があった可能性も含め、詳しい動機や経緯を調べています。
【疑似事例】東京エレクトロン台湾、TSMC技術流出事件で法人起訴
今回の事件と構造的に類似する事例として、東京エレクトロン台湾(Tokyo Electron Taiwan Ltd.)が関与したとされる営業秘密漏えい事件が挙げられます。
東京エレクトロン株式会社は2025年12月3日、台湾子会社である東京エレクトロン台湾が、顧客である台湾積体電路製造(TSMC)の機密技術情報流出事件を巡り、台湾検察当局から起訴されたと発表しました。
なお、日本の東京エレクトロン本体が起訴された事実はないとしています。
「具体的な防止策の証拠欠如」法人責任を追及
台湾検察当局は、
-
元従業員による営業秘密侵害行為
-
それに対する企業としての監督義務違反
を問題視しました。
内部規程は存在していたものの、
「具体的な防止管理措置を実施していた証拠が不十分」
として、法人としての刑事責任を問う判断に至ったとされています。
検察は営業秘密法および国家安全法違反で同社を起訴し、
最大で新台湾ドル1億2,000万(約6億円)の罰金を求刑しました。
台湾で国家安全法を法人に適用して起訴するのは、初のケースと報じられています。
元社員が中心、法人は「監督責任」を問われる構図
事件は、TSMCが自社技術の不正流用の疑いを当局に通報したことから発覚しました。
報道によると、
-
元TSMC社員で、東京エレクトロン台湾に転職した技術者が中心人物
-
2ナノメートル世代の製造プロセスに関する機密技術を不正に取得しようとした疑い
が持たれ、元社員ら3名はすでに起訴済みです。
東京エレクトロン側の社内調査では、
-
組織的関与
-
機密情報の対外流出
はいずれも確認されていないと説明しています。
一部参照








