名古屋市議が市民26人の個人情報を無断で利用-アジア大会ボランティアに登録 「ノルマに焦り」と釈明

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名古屋市議が市民26人の個人情報を無断で利用-アジア大会ボランティアに登録 「ノルマに焦り」と釈明

2026年秋に愛知県を中心に開催予定のアジア競技大会およびアジアパラ競技大会を巡り、名古屋市議会副議長の上園晋介氏(49)が、市民26人を本人の同意なくボランティアとして登録していたことが明らかになりました。

名刺情報を基に無断登録、生年月日は「想像」

上園氏は5月25日、市役所で記者会見を開き、自身の行動を認めて謝罪。「個人情報への意識が低く、勝手にやってしまった」と述べました。無断登録されたのは、過去3年ほどの間に上園氏が名刺交換をした市民26人で、登録には名刺に記載された名前や連絡先を使用し、生年月日は想像で記入したと説明しました。

背景に「議員ノルマ」と焦り

この行為の背景には、上園氏が所属する旧民主党系の市議会会派「名古屋民主市議団」内でのノルマがあったとされます。同会派では、市議1人あたり30人のボランティアを集める目標が設定されており、4月25日が会派への提出期限でした。

「自分と家族を含めても4人分しか集まらず、焦りがあった」「いつバレるかと内心ビクビクしていた」などと記者会見で心境を明かしました。

発覚の経緯と今後の対応

問題は、5月13日以降、大会組織委員会に「申し込んでいないのに応募完了のメールが届いた」との市民からの問い合わせが複数寄せられたことで発覚。市が調査を行い、上園氏の無断登録が明るみに出ました。

上園氏は、既に3人に謝罪を済ませており、今後は他の23人にも順次謝罪する方針です。また、進退については「まずは全員に謝罪を行ったうえで、会派と相談して対応したい」と述べ、現時点での副議長辞任や議員辞職は否定しました。

市の対応と今後の課題

名古屋市では大会運営のために9,780人のボランティアを目標として昨年10月から募集を開始。当初の締切(1月末)までに定数に達せず、4月末まで募集期間を延長した結果、最終的に1万236人の応募があったとされています。

今回の件は、市議会と大会運営の信頼性を揺るがす問題として波紋を広げており、市と会派は再発防止策と透明性のある情報管理の徹底が求められています。

参照

名古屋市議会の副議長が市民ら26人をボランティアに無断登録、生年月日は推測…来年のアジア大会