Palo Alto Networks、AIネイティブ基盤「Console」を買収 Cortexで自律型セキュリティ運用を強化へ

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Palo Alto Networks、AIネイティブ基盤「Console」を買収 Cortexで自律型セキュリティ運用を強化へ

Palo Alto Networksは2026年9月1日、AIネイティブの業務自動化プラットフォームを提供するConsoleを買収したと発表しました。

Consoleは、利用者が自然言語で業務上の目標を伝えると、AIエージェントが必要な分析や判断、外部システムとの連携、処理を組み合わせて実行するプラットフォームです。

Palo Alto Networksは、Consoleの技術をセキュリティ運用プラットフォーム「Cortex」のエージェント型AI機能強化に活用し、アラート調査、優先順位付け、対応などのワークフローを自動化していく方針を示しています。

同社のNikesh Arora会長兼CEOは、従来の「ダッシュボードを確認し、チケットを処理して人の作業を速くする」モデルから、自然言語でデータと対話し、AIエージェントが問題を自動的に調査・修復する「software-as-an-agent」へ移行すると説明しています。

一方、今回の発表はConsoleの買収完了と今後の統合方針を示したもので、Cortexのすべてのセキュリティ運用が直ちに完全自律化されたという意味ではありません。買収金額も公式には公表されていません。

Palo Alto NetworksによるConsole買収のサマリー

  • Palo Alto Networksは2026年9月1日、Consoleの買収完了を発表しました。
  • ConsoleはAIネイティブのエンタープライズ業務自動化プラットフォームです。
  • 自然言語で業務目標を指示し、AIエージェントが分析やアクションを実行する仕組みを提供しています。
  • Palo Alto NetworksはConsoleの技術をCortexへ取り込み、エージェント型AI機能を強化する方針です。
  • 想定される用途には、セキュリティシグナルの調査、優先順位付け、問題対応などがあります。
  • Palo Alto Networksはこの方向性を「software-as-an-agent」と表現しています。
  • Consoleでは従来からITサポート、アクセス管理、インシデント対応、脆弱性対応などの自動化機能を提供していました。
  • ConsoleのAndrei Serban共同創業者兼CEOとチームは、Palo Alto NetworksのCortex部門に加わります。
  • 買収金額は公式リリース、決算発表、Form 8-Kでは公表されていません。
  • Palo Alto Networksは同日の2026年度第4四半期・通期決算でもConsole買収を公表しています。
  • 5月にはAIエージェントの制御基盤を提供するPortkeyの買収を完了しており、AIエージェントの「利用」と「防御」の両面を強化しています。
  • 現時点ではConsole統合後のCortex製品機能、提供時期、価格体系の詳細は公表されていません。
項目 内容
発表日 2026年9月1日
買収企業 Palo Alto Networks
被買収企業 Console
Consoleの領域 AIネイティブ業務自動化、AIエージェント
主な統合先 Cortex
主な目的 調査、優先順位付け、対応のエージェント型自動化
操作方法 自然言語によるワークフロー構築
買収状況 完了
買収額 公表されていません
Console経営陣 Andrei Serban氏らがCortexの取り組みに参加
製品統合時期 詳細未公表
完全自律運用の提供開始 現時点でそのような発表ではありません

Consoleは自然言語で業務を自動化するAIネイティブ基盤

Consoleは、ITやセキュリティの運用業務をAIエージェントで自動化するプラットフォームです。

同社は従来から、利用者が自然言語で「何を実現したいか」を記述すると、必要な処理ロジック、外部サービスとの連携、制御条件などをAIが組み立てる仕組みを提供してきました。

Consoleの公式情報では、ITサポートのTier 1・Tier 2業務、MFAリセット、アクセス権付与、脆弱性影響調査、インシデント対応、ユーザーアクセスレビューなどへの利用例が紹介されています。

例えば、OktaのMFAリセットでは、本人確認、MFAリセット、利用者への通知までを一連のワークフローとして自動化できます。

セキュリティ運用では、新たな脆弱性が公開された際に、自社環境への影響を確認し、対応アクションを組み立てるといった用途も示されています。

Cortexへエージェント型AI機能を統合

Palo Alto Networksは、Consoleの技術をCortexへ取り込むことで、セキュリティ運用のエージェント型AI機能を強化するとしています。

Cortexは、SOCにおけるアラート分析、インシデント調査、エンドポイント対応などを担うPalo Alto Networksのセキュリティ運用プラットフォームです。

今回の買収により、従来の「AIがアナリストへ情報を提示する」モデルから、AIが実際にワークフローを実行するモデルへ踏み込む狙いがあります。

Palo Alto Networksは、Consoleによってセキュリティチームが、

  • シグナルを調査する
  • 対応優先度を判断する
  • 必要な処理を実行する
  • 複数の企業システムをまたいでアクションする

といった処理を、自然言語で設計できるようにする方向性を示しています。

「software-as-an-agent」を掲げる

Palo Alto NetworksのNikesh Arora会長兼CEOは今回の買収について、セキュリティ運用が「ダッシュボードとチケットを管理し、人の作業を速める」だけでは不十分になっていると説明しています。

同社が掲げるのが「software-as-an-agent」という考え方です。

これは、人がソフトウェア画面を操作して一つずつ作業を実行するのではなく、人が目的を与え、AIエージェントが必要な情報を取得し、判断し、複数のシステムを操作して結果を返すモデルです。

セキュリティ運用に当てはめれば、

「この脆弱性が自社に影響するか調べる」

「該当端末を特定する」

「優先順位を決める」

「必要な対応を実行する」

といった複数工程を、一つのエージェント型ワークフローとして処理する方向性になります。

買収額は非公表

Palo Alto Networksは9月1日の公式リリースで、Consoleの買収完了を発表しました。

同日の2026年度第4四半期・通期決算発表でも、Consoleを買収し、Cortexの役割を企業全体のエージェント型変革へ拡張すると説明しています。

また、9月1日提出のForm 8-Kでは同日の決算発表を開示しています。

一方、公開されたリリース、決算資料、8-Kでは、Consoleの買収金額は明らかにされていません。

5月にはPortkeyを買収、AIエージェントの「防御」も強化

Palo Alto Networksは2026年5月29日、AI Gatewayを提供するPortkeyの買収完了も発表しています。

Portkeyの技術はPrisma AIRSへ統合され、AIエージェントやLLMへの通信を監視、制御、統治するAI Gatewayとして展開されています。

Palo Alto NetworksはPortkeyについて、企業がチャットボットから自律型AIエージェントへ移行すると、AIが独立してタスクを実行することで、

  • 未承認操作
  • データ露出
  • コスト暴走
  • 意図しないAI動作

などのリスクが生じると説明しています。

今回のConsole買収は、AIエージェントを「守る」Portkeyとは異なり、AIエージェントをセキュリティ運用そのものへ「使う」側の強化と位置付けられます。

Palo Alto NetworksはAIセキュリティ領域で買収を継続

Palo Alto Networksは近年、AI関連の買収を継続しています。

セキュリティ対策Labでは2025年、AIモデルやAIサプライチェーンのセキュリティを手がけるProtect AIの買収について取り上げました。

Palo Alto NetworksがProtect AIを買収:AIセキュリティ強化に向けた戦略的投資

その後もPortkeyを買収し、Prisma AIRSでAI Gatewayを展開しました。

今回のConsole買収まで含めると、Palo Alto Networksは、

  • AIモデルやAI開発基盤を守る
  • AIエージェントの通信と実行を制御する
  • AIエージェントをセキュリティ運用へ活用する

という複数の層を自社プラットフォームへ取り込んでいることになります。

AIエージェントはセキュリティ運用をどう変えるか

従来のSOARでも、条件に応じて複数のセキュリティ製品を操作する自動化は可能でした。

一方、従来のSOARでは、人が事前にワークフローや条件分岐を細かく定義する必要がありました。

エージェント型AIでは、自然言語で目標を与え、AIが状況に応じて必要な情報源や操作を選択することで、定型化しにくい業務まで自動化できる可能性があります。

例えば脆弱性対応では、

  • 新しいCVEを確認
  • 自社資産に対象製品があるか照合
  • インターネット公開状況を確認
  • 悪用有無を確認
  • 優先順位を算定
  • 担当チームへ通知
  • 承認後に隔離や設定変更を実行

といった一連の作業が対象になります。

ただし、AIが判断だけでなく実際の操作まで担う場合、誤判断によるサービス停止や権限変更など新たなリスクも生じます。

AIエージェントに「何を実行させるか」が新たな管理対象に

セキュリティ対策Labでは、AIセキュリティについて、企業の管理対象が「AIへ何を入力するか」だけではなく、「AIに何を実行させるか」へ広がっていると整理しています。

AIセキュリティとは?生成AI・AIシステムのリスクと企業のセキュリティ対策を解説

ConsoleのようなAIエージェントがCortexや企業内システムと連携する場合、この論点はより重要になります。

AIエージェントへ広い権限を与えれば自動化できる業務は増えますが、誤判断やプロンプトインジェクション、権限悪用が発生した際の影響も大きくなります。

そのため、

  • 最小権限
  • 承認フロー
  • 操作ログ
  • 実行可能なシステムの限定
  • 人によるオーバーライド
  • 緊急停止
  • AI判断の監査

などを設計する必要があります。

情報システム・セキュリティ部門への示唆

今回の買収は、SOCやIT運用におけるAI活用が「アナリスト支援」から「実行主体」へ移る流れを示しています。

これまでの生成AI導入では、要約、検索、文章生成など、AIが回答を返すだけの用途が中心でした。

今後のAIエージェントでは、ID管理、EDR、クラウド、SaaS、ITSM、メール、チケットシステムなどへ接続し、AI自身が操作を実行する場面が増える可能性があります。

企業側ではAIエージェント導入時に、

  • どのシステムへ接続するか
  • どのAPI権限を与えるか
  • 自動実行を許可する処理
  • 人の承認を必要とする処理
  • 操作ログの保存期間
  • 誤操作時のロールバック方法
  • AIエージェント用IDの管理
  • シークレットやAPIキーの保管
  • モデルやエージェントへの入力データ
  • 外部サービスへのデータ送信範囲

を確認する必要があります。

AIエージェントがSOCの人手不足を補う可能性はありますが、自律性が高まるほど「誰がAIの行動を統制するか」が重要になります。

Palo Alto NetworksがConsoleをCortexへどこまで統合し、どの操作を自律化するのか、またPrisma AIRSなど同社のAIセキュリティ製品とどのように連携させるのかが今後の確認ポイントです。

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