サンコーテクノ株式会社は2026年8月28日、海外連結子会社のSANKO FASTEM (VIETNAM) LTD.が第三者による不正アクセスを受け、ランサムウェアによるサイバー攻撃の被害が発生したと公表しました。
8月25日、同子会社の社内システムでサーバーおよびパソコン内の各種ファイルが暗号化されていることを確認し、調査の結果、ランサムウェアによる被害と判明しました。サンコーテクノは外部通信の遮断や侵害が疑われる機器の運用停止を実施し、外部専門家と影響範囲の調査、復旧を進めています。
現時点で、SANKO FASTEM (VIETNAM) LTD.以外のグループ各社のネットワークや業務への影響は確認されていません。一方、情報流出の有無や侵入経路などは第一報では明らかにされていません。
サンコーテクノのランサムウェア被害のサマリー
- 確認済み:2026年8月25日、SANKO FASTEM (VIETNAM) LTD.の社内システムでサーバーおよびPC内の各種ファイルが暗号化されていることを確認しました。
- 確認済み:調査の結果、ランサムウェアによる被害と判明しています。
- 確認済み:サンコーテクノは第三者による不正アクセス、ランサムウェア攻撃を受けたと正式に公表しています。
- 確認済み:被害拡大防止のため、すべてのサーバーの外部通信を遮断し、侵害が疑われる機器の運用を停止しています。
- 確認済み:外部専門家の支援を受け、影響範囲の調査と復旧を進めています。
- 確認済み:ベトナム当局へ本件を報告しています。
- 確認済み:現時点で、被害子会社以外のサンコーテクノグループ各社のネットワークおよび業務への影響は確認されていません。
- 未確認:情報が外部へ流出したかどうかは第一報では公表されていません。
- 未確認:侵入経路、ランサムウェアの種類、攻撃者、身代金要求の有無は公表されていません。
- 調査中:被害の全容と業績への影響は精査中です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公表日 | 2026年8月28日 |
| 発生日・確認日 | 2026年8月25日 |
| 対象組織 | SANKO FASTEM (VIETNAM) LTD. |
| 親会社 | サンコーテクノ株式会社 |
| インシデント | 第三者による不正アクセス、ランサムウェア攻撃 |
| 被害内容 | サーバーおよびPC内の各種ファイルが暗号化。一部サーバーの暗号化を確認 |
| 侵入経路 | 確認できませんでした |
| 漏洩・流出した情報 | 情報流出の有無を含め公表なし |
| 対象件数 | 確認できませんでした |
| 対応状況 | サーバーの外部通信遮断、侵害疑い機器の運用停止、外部専門家による調査・復旧 |
| 他グループ会社への影響 | 現時点でネットワークおよび業務への影響は確認されず |
| 当局への報告 | ベトナム当局へ報告 |
| 個人情報保護委員会への報告 | 公表資料では確認できませんでした |
| 業績への影響 | 精査中 |
8月25日にサーバーとPC内のファイル暗号化を確認
サンコーテクノによると、2026年8月25日、ベトナムの連結子会社SANKO FASTEM (VIETNAM) LTD.の社内システムで、サーバーおよびパソコン内の各種ファイルが暗号化されていることを確認しました。
その後の調査でランサムウェアによる被害であることが判明しました。サンコーテクノは8月28日の公表で、同子会社が第三者による不正アクセス、ランサムウェア攻撃を受け、一部サーバーが暗号化されたことを正式に明らかにしています。
SANKO FASTEM (VIETNAM) LTD.はサンコーテクノの海外連結子会社で、同社の公式サイトによると、あと施工アンカーの製品化とベトナム国内での販売を行っています。
第一報では、ランサムウェアの種類や攻撃者、侵入経路、最初に侵害された機器・アカウントなどは公表されていません。また、脆弱性の悪用や認証情報の窃取が侵入につながったことを示す情報も確認できません。
すべてのサーバーの外部通信を遮断、侵害疑い機器も停止
サンコーテクノはランサムウェア被害を認識した直後、追加の被害拡大を防ぐため、すべてのサーバーの外部通信を遮断しました。あわせて、侵害された疑いがある機器の運用を停止するなどの対応を実施しています。
現在は外部専門家の支援を受けながら、影響範囲の調査と復旧を進めています。会社側は被害の全容把握にはしばらく時間を要する見込みとしています。
同子会社のネットワークは、サンコーテクノグループ各社のネットワークから遮断されています。8月28日時点では、SANKO FASTEM (VIETNAM) LTD.以外のグループ各社について、ネットワークや業務への影響は確認されていません。
ランサムウェア事案では、暗号化された端末の復旧と並行して、侵入経路や横展開の範囲、認証情報へのアクセス、外部通信などを確認する必要があります。本件については、こうした詳細な調査結果はまだ公表されていません。
情報流出の有無は第一報では公表されず
サンコーテクノの第一報では、ファイルの暗号化は確認されていますが、情報が外部へ持ち出されたかどうかについて記載されていません。
そのため、本件について「情報流出が確認された」「個人情報が漏洩した」と断定することはできません。一方で、「情報流出はなかった」と判断できる段階でもありません。
近年のランサムウェア攻撃では、ファイルを暗号化する前にデータを外部へ取得し、公開を材料に金銭を要求する二重恐喝が行われることがあります。ただし、サンコーテクノが今回の事案でデータ窃取や二重恐喝を確認したとの発表はありません。
今後の調査では、暗号化されたシステムの範囲に加え、外部への通信履歴やデータ取得の痕跡が確認されるかが重要なポイントになります。
他のグループ会社への影響は現時点で確認されず
今回の被害は海外連結子会社で発生していますが、サンコーテクノは同子会社のネットワークをグループ各社のネットワークから遮断しており、8月28日時点で他のグループ会社のネットワークや業務への影響は確認されていないとしています。
グループ企業でランサムウェア被害が発生した場合、確認が必要なのは被害拠点だけではありません。ネットワーク接続、共通のID基盤、VPN、クラウドサービス、管理用アカウントなどを通じて他拠点へ影響が広がっていないかを確認する必要があります。
今回、サンコーテクノは現時点で他グループ会社への影響を確認していないとしていますが、被害の全容把握には時間を要する見通しであり、今後の調査結果が注目されます。
ベトナム当局へ報告、業績への影響は精査中
サンコーテクノは本件をベトナム当局へ報告しています。
一方、ランサムウェア被害によるサンコーテクノグループの業績への影響については精査中です。今後、業績に大きな影響が見込まれる場合には速やかに開示するとしています。
第一報では、復旧までに要する期間や生産・販売活動への具体的な影響は明らかにされていません。SANKO FASTEM (VIETNAM) LTD.はあと施工アンカーの製品化とベトナム国内での販売を行っているため、今後はシステム復旧状況に加え、現地事業への影響の有無も確認ポイントになります。
情報システム部門への示唆
今回の事案では、ランサムウェアを確認した後、すべてのサーバーの外部通信を遮断し、侵害が疑われる機器の運用を停止しています。ランサムウェア発生時には、復旧を急ぐ一方で、感染・侵害範囲を広げないための封じ込めを早期に実施することが重要です。
また、海外子会社を持つ企業では、本社だけでセキュリティ水準を高めても十分とは限りません。各拠点の端末管理、脆弱性管理、認証、バックアップ、ログ保存、EDRなどの対策状況を把握し、グループ共通の最低基準を設ける必要があります。
ネットワーク分離も重要ですが、ネットワークだけで境界を考えることはできません。クラウドサービスや共通アカウント、リモートアクセス環境などを通じた横展開も想定し、子会社で侵害を確認した場合に、他拠点の認証情報や接続経路を速やかに確認できる体制が求められます。
さらに、ランサムウェア被害では「暗号化されたか」と「情報を外部へ取得されたか」を分けて調査する必要があります。復旧用バックアップだけでなく、認証ログ、EDRログ、ファイアウォールやプロキシの通信ログなど、情報流出の有無を事後調査できる証跡を確保しておくことが重要です。








