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KGIとは何か?KPIとの違いを分かりやすく解説

企業が持続的にビジネスを成長させていくことにおいて「KGI」「KPI」の設定は欠かせません。「KGI」「KPI」を設定することで社内外の信頼や理解を深めることができます。

今回の記事では似たような言葉である「KGI」「KPI」について、「KGI」に焦点を当てて解説していきたいと思います。

KGIとは

KGIとは、平たく言うと最終目標のことを指します。Key Goal Indicator(キーゴールインジケーター)の略称で日本語では「重要目標達成指標」あるいは「経営目標達成指標」などと呼ばれています。

企業が目指す最終的な目標を社内外に示すため、分かりやすく、他者と共有しやすい点が特徴です。具体的には売上高や成約数、利益率などが該当します。基本的には定量的に表せるものを指標として掲げます。

KGIが必要な理由

企業にKGIが設定されていない場合、つまり企業の最終目標が明確化されていない場合、目指すべきゴールが設定されていないことを指します。ゴールが設定されていなければ、当然、ゴールまでどのくらいの距離にいるのか図ることができません。

社員に対して、あるいは外部の関係者(投資家や株主、取引先など)に対して、最終目標に対して今どの位置にいるのかを定量的に示す意味でも重要な指標と言えます。

KGIの設定期間

KGIの設定期間は最終目標の規模や内容によっても異なりますが、概ね1年や3年などにわたる場合が多い傾向です。

KGIの具体例

業種や職種ごとの適切なKGIが存在します。ここでは多くの業種に共通する2つの職種のKGIについて紹介します。

営業職

営業職の成績や成果はもともと数字で出るものが多いためKGIは設定しやすい部門と言えます。特に設定される機会が多いKGIは下記の通りです。

  • 売上高
  • 成約数
  • 成約率

マーケティング職

マーケティング職、特にWebマーケティング領域ではKGIを比較的設定しやすい部門と言えます。主なKGI[の候補は下記の通りです。

  • ECサイトの売上高
  • ECサイトの商品やサービスの認知拡大

KGIを設定するメリット

KGIは社内外へ目指すべきゴールを示す重要な指標である点は上段で述べました。ここでは、KGIを設定するメリットについて触れたいと思います。

ゴールの明確化

企業が達成すべき目標をKGIとして定量的に数値で設定することにより、「何をいつまでにすべきか」が明確になります。KGIを企業が設定することにより従業員が会社の戦略を理解することができ、社員の向かうべき方向性が定まります。ひいては業務の効率化にも繋がります。

社員のモチベーションの維持・向上

KGIを設定することにより社内共通の向かうべき目標が設定されることになります。会社全体の向かうべき方向性が定まり、社員の士気向上に繋がります。

外部の関係者への理解が得られる

KGI設定により外部の関係者に対して、自社が向かうべきゴールを示すことができ、方向性や進捗についての説明がしやすくなり、理解を得やすくなります。

KGIの設定方法

KGIは最終目標であり定量的に設定する必要があります。KGI設定に対して特に意識される手法として、以下の「SMART」を意識して設定することがポイントです。

  1. 明確性(Specific)
  2. 測定可能(Measurable)
  3. 達成可能(Achievable)
  4. 結果指向または関連性(Result-oriented or Relevant)
  5. 期限を定める(Time-bound)

明確性(Specific)

具体的で分かりやすい目標を設定することを意味します。例えば、「顧客価値の最大化」ではなく、「LTV○○円」など数値で設定することにより、ゴール地点が見えやすくなります。

測定可能(Measurable)

最終目標までの進捗を数値で測定できるかどうかを指します。例えば「売上げ前年比150%」のKGIを設定するのであれば、KPIで「半年後の売上げ前年比100%達成を目指す」といった指標を掲げることができます。

達成可能(Achievable)

KGIは達成できる現実的な目標を定める必要があります。目標が低すぎると企業の成長・発展に繋がらなく、一方で、目標が高すぎると社員のモチベーションの低下につながります。市場環境などを鑑み、現実的に達成可能な目標を定めることが重要です。

結果指向または関連性(Result-oriented or Relevant)

最終目標が企業の目指すべき姿や経営戦略に沿った目標に沿っているかを確認するためのポイントです。また、企業の目標と個人目標、最終目標とKPIなどに関連性を持たせることを指します。

期限を定める(Time-bound)

KGIの達成までに要する期間のことを指します。期間を定めなければ、KPI設定も曖昧なものになってしまい、計画性が失われてしまう恐れもあります。

KPIとは

上段まではKGIについて紹介しました。ここからはKPIについて触れていきたいと思います。

KPIとは、Key Performance indicator(キーパフォーマンスインジケーター)の略称で、日本語では「最重要業績評価指標」あるいは「経営業績評価指標」を意味します。

KGIが最終目標を示すのに対し、KPIはKGIを達成するために適切なプロセスが実行されているかどうかを定量的に評価する指標であり、中間目標とも呼ばれています。

KPIはKGIに紐づけられて設定されるため、KPIの進捗を継続的に測定することにより、KGIの達成に向けて進捗が順調か芳しくないかなどを数値で追うことが可能となります。進捗の度合によって、戦術を見直すかどうか、課題や問題の洗い出しや、業務の見直しなどを検討します。

KPIの具体例

KPIは大前提としてKGIに関連する指標を設定する必要があります。KPIはKGIの内容によりますが、ここではWebマーケティングなどでの代表的なKPIを具体例として下記に紹介します。

WebマーケティングにおけるKPI

  • UU数(ユニークユーザー数)
  • PV数(ページビュー数)
  • CVR(コンバージョン率)
  • 問い合わせフォームのクリック数、入力完了率
  • サービスページの閲覧数
  • 新規訪問者数
  • 再訪問者数
  • 再訪問率

アプリマーケティングにおけるKPI

  • 月間アクティブユーザー数(MAU)
  • 継続率
  • 課金率

オウンドメディアにおけるKPI

  • 記事数
  • PV数
  • UU数
  • オーガニック流入数
  • CV数
  • 検索順位

KPIの設定方法

KPIもKGIと同じく「SMART」を意識しながら進めることが重要です。先にも触れましたがKPIは中間目標的な位置づけですので、KGIと関連する必要があります。KPI設定の進め方としては、KGIを達成するためにどのような目標を設定する必要があるのか、KGIを分解して、より詳細な数値として設定する必要があります。

イメージとしてはKGIを「売上○○%アップ」とした場合は、KPIを①「受注数を増やす」②「受注単価を上げる」という2つのKPIを設定します。

その上で、①「受注数を増やす」ための方法として「問い合わせ数を増やす」「受注率を上げる」を設定したり、②「受注単価を上げる」ための方法として「オプションの増加」「月額費用の増加」を設定したりします。

KPIの項目が決定したら、それぞれのKPIについて具体的な数値を設定していきます。「SMART」を意識して、数値は最終目標であるKGIの達成を可能にする現実的な数値で設定することが重要です。

まとめ

今回記事ではKGIとは何かについて、KPIとの違いも交えながら紹介しました。KGIを設定することにより社内外の理解・信頼を得ることができ、効率的な事業運営の推進、また事業の成長に役立てることができます。本記事が皆様のお役に立てると幸いです。

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