システムやアプリの受託開発会社で新規案件を受注する方法
弊社ではシステムやアプリの受託開発会社、デザインやホームページの制作会社の営業・マーケティングの支援事例があり、今回はある程度再現性がある施策を紹介します。
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目次
営業を実施して案件を受注する施策概要
こちらは、社内に営業担当が存在する場合や代表がある程度営業提案が可能な場合の施策です。
エンジニアリソースのみで案件を獲得したい場合は記事内の、エンジニアのリソースだけで案件を受注する施策概要 をご覧ください
営業を実施する:インバウンドで案件を受注する
インバウンド営業とは、自社サイトからの問い合わせや外部サイトへ出稿し、
ある程度ニーズのある顧客からのリード(見込み顧客の情報)を獲得し、営業する手法です。
ニーズがある程度発生している顧客からの問い合わせが多いため、アポ率が高いですが、
自社サイトでWebコンテンツやホワイトペーパーなどの各種コンテンツの準備が必要でしたり、
アポ率は高いが、受注率には営業力に左右されたり と注意が必要です。
参考
・リードとは?マーケティング・営業での意味や種類を解説
・リード獲得とは?BtoBマーケティングのリード獲得施策の概要を解説
以下からシステム、アプリの受託会社で使えるインバウンド案件を受注する施策例です。
発注サイトへの登録
発注サイトはサイトやアプリ、システム開発の新規発注を行いたい企業から案件情報が流れてきます。有料サイトなら発注ナビやミツモア、アイミツなどがあります。
発注サイトのメリット
毎月10万円や1案件5万〜10万円など低価格で利用でき案件情報も豊富です。さらにサイトによっては登録するだけなら無料の場合もあります。
発注サイトのデメリット
案件に立候補したからといって、アポが確定したわけではありません。そのためどうしても営業的なフォローが必要です。また発注側にスキルがない場合や依頼情報と実態に乖離がある場合もあります。
展示会への出展
Japan IT Weekのソフトウェア&アプリ開発展やDXExpoなど、企業の情報システム担当やマーケティング担当が参加する展示会への出展でも案件を受注できます。
展示会のメリット
展示会はその場で商談も可能で、ある程度熱いリードを獲得可能です。また介護向けや文教向けなど
自社が得意な業界や進出したい業界があれば、その業界の展示会へ出展しリード獲得が可能です。
展示会のデメリット
単純に出展するだけでは効果を発揮せず、最低出展料でも100万円〜は必要です。出展料は補助金の利用も可能ですが、それでもある程度の費用負担は覚悟する必要があります。
リスティング広告の出稿
ユーザーがグーグルやヤフーで「受託開発」などのキーワードで検索すると、広告枠で検索エンジンで上位表示される広告です。一般的には自社のHPやLPなどへ送客を行います。
リスティング広告のメリット
1クリック課金のため、1日と1ヶ月の予算を設定しやすいです。
リスティング広告のデメリット
自社の強みや受注したい業界などのターゲットが決めなければ、リードが発生しません。
その為
・サイトやLPの「どの部分で問い合わせをさせるか?」
・どういったコンテンツを記載するか
などコンテンツと顧客動線を考える必要があります。
営業を実施する:アウトバウンドで案件を受注する
未問い合わせの企業へこちらから営業を行う手法です。テレアポや飛び込み営業など手法は様々ですが「営業職」のイメージと言えばアウトバウンド営業でしょう。
テレアポ
テレアポは企業の代表電話から担当者へ接続を行いアポを取得する手法です。
低コストで案件を受注できるので、古くから存在する手法です。
予算が存在する場合は、テレアポ自体を外注することも可能です。
テレアポのメリット
自社で実施する場合は追加コストが必要なく実施できます。また大量に架電すれば「ちょうど発注先を検討していた」という企業も存在します。
テレアポのデメリット
受注までに、かなりの件数をコールする必要があり、架電リストも大量に用意する必要があります。
テレアポのアポ率目安
一般的にアポ率は、架電が得意な人で1%で、普通の方で0.2%、
さらに商談した後の受注率は5%前後となります。
1件受注するには単純に10,000件のリストとコールが必要になります。
※アポ率0.2%換算
フォーム営業
企業の問い合わせフォームへテンプレートの文章を送付する手法です。SESや人材紹介では一般的で、
皆様も自社のお問い合わせメールで受信した事があるのではないでしょうか?
フォーム営業のメリット
フォーム営業のSaaSやシステムが存在し、低コストで大量の企業へアプローチ可能です。
フォーム営業のデメリット
アポ率がかなり少ないのと、柔らかい案件が多い為どうしても受注に遠い案件が多くなります。
エンジニアのリソースだけで案件を受注する施策概要
会社によっては営業がいない、社長が営業が苦手な会社もいるので、エンジニアのリソースだけで新規案件を受注する方法を記載します。
基本的な施策は以下です。
1:自社の得意な技術領域を棚卸
2:技術ブログを執筆
3:並行してセミナーを実施
となります。
システムエンジニアは仕事中にググりまくるので、ブログとの親和性は非常に高いです。
実際に貴方もクラスメソッド社のDevelopersIOやBPS株式会社のTechRachoなどを
ご覧になったかと思います。
クラスメソッド社、BPS株式会社ブログ経由での受注を行っておりシステム開発会社の中でも独自のポジションを確立しています。
つまりオンライン、オフラインでの情報発信は非常に有効であり、弊社実績ですが愚直にやれば8ヶ月程度で1案件獲得できます。
以下から具体的な手順を解説していきます。
自社の得意な技術領域を棚卸
ブログ・セミナーの実施前に、まずは自社の得意な技術領域を決めていきます。
得意な技術領域は
- フロントエンド
- サーバサイド
- インフラ
- BtoB BtoC
- アプリ Web
などで順に考えていきます。
ここで、重要なのはフロントエンドやサーバサイドの全て領域で強みを考えるのではなく
まずは、
- フロントエンドならコーディング規約やPug TypeScript
- サーバサイドならPHP Laravel
- インフラならGCP
など、自社で利用している技術から
なぜそれを利用しているか、何のメリットがあるのか?を深ぼって自社の強みを考えていく事が必要になります。
多くのアプリ/システム受託開発会社のエンジニアの方は、自社に強みはない と考えてしまう方が非常に多いですが、事業として行っているのであれば何かしらの強みはあるはずなので、まずは自社が何が得意であるか?を整理していき、その上でその技術情報を発信していきます。
技術ブログを執筆
自社の強みが決まったところで
- 開発中に発生したエラーとエラーの解決方法
- 利用したライブラリの紹介
- エンジニアが個人で体験した技術TIPS
- 社内で利用している開発手法
- 社内の開発に関する設計ルールやコードチェックの体制
などを執筆していきます。
文字数は気にせず、まずは定期的に執筆していく必要があります。
特にエラーに関しての解決方法についてはかなりニーズがあるので、エラーが発生したタイミングでエラー内容をメモし、エラーが解決したタイミングで記事を公開していきます。
QitaやZennで執筆している記事について
ブログは資産ですので、既に会社でQitaやZennで情報発信している場合は、
同じ文章でよいので自社ブログへ移行していく事をおすすめします。
移行する際はQitaやZennで執筆している内容を技術ブログへそのまま移行し、
QitaやZennの記事内容は消去し、技術ブログへ記事を移転している旨をリンクを記載します。
また、ブログはSEO的な観点から会社ドメイン配下で実装する事をおすすめします。
記事の外注について
技術ブログの外注は可能ですが、しっかりした外注会社へ依頼すると1記事1万以上になりますし、
クラウドワーカーへの発注は質の面でもおすすめしません。
その為ブログは資産化しますので、社内で対応する事をおすすめします。
並行してセミナーを実施
技術に関するセミナーも案件獲得で非常に有効です。
コロナでオンラインイベントが定着しており、特にエンジニア向けにはオンラインイベントは非常に好評です。
セミナーは
- 内容を決める
- 資料作成
- 社内で資料フィードバック
- 資料修正
- その後内容をブログ化
までの一連の流れがあるため、比較的工数が必要です。
その為月1回開催を目標とし、慣れてきたら徐々に月2回程度開催をしていく事を目標とします。
また、オンライン/オフラインのもくもく会を主催し、勉強の場としてのHubになる事で
コミュニティ化する事も可能です。
もくもく会については、エンジニアを目指している方なども参加されるので、
どこまで間口を広げるか?を決める必要もあり、自社に合わない人間やコミュニティに害を及ぼす方を排除するなど、コミュニティの安全性を担保する人員も必要になる為、ただ、やれば良いという訳ではないのでご注意ください。
セミナー募集媒体について
無料で利用できて、エンジニアの数が多いのは以下です。
- connpass
- techplay
- Peatix
セミナーページに技術ブログのURLを貼り付ければ被リンクも獲得できSEO的にも有効です。
また申し込み受付はconnpassのみで行い、techplay Peatixでは告知だけ行うと
参加者の管理も楽になります。
記事/セミナー共に必要なら金銭的なインセンティブも設ける
社員によっては、ただ「ブログを書いて」やセミナーへ登壇してと通知しても対応してくれない方もいます。
その為、必要であれば1記事、1セミナーでいくら などインセンティブも必要になります。
何をすればいいか分からない
- 基本的なことから相談したい
- 営業マンを育成する方法を知りたい
- どういう風にブログ、セミナーを実施すればいいか分からない
などあればまず弊社へお問い合わせください