Temu(テム)はなぜ安い
Temu(テム) 日本版の利用者は1500万人、世界の登録ユーザー数は4億6700万人 とされており、世界中でダウロードされています。この記事ではTemu(テム)がなぜ安いのかを解説します。
安い理由として制度をハックし送料を安くし、製造コストを下げているから安く提供できています。
目次
Temu(テム)はなぜ安いのか?
Temu(テム)が安い理由は、制度をハックし送料を安くし、製造コストを下げているからです。
また、WIREDの調査でTemu はアメリカ市場への参入に資金を投じているため、1 件の注文につき平均 30 ドルの損失を出していることが明らかになっており、中国が欧米や米国、日本を含む親米アジアの国の個人情報を窃取する事を目的としたアプリではないか?と長らく危険性を指摘されています。
送料をハックして安くしている
以下2つの方法で送料をハックしやす価格を安くしているとされています。
万国郵便連合(UPU)で中国は途上国扱いにされているから
万国郵便連合(UPU)は国際郵便の規則などを定めている団体で、中国やアメリカ、日本も加盟しています。
万国郵便連合(UPU)では途上国は郵便事業者が郵便物の重さや量に応じ、相手国の事業者に支払う「到着料」について、現行制度では途上国は割安に設定されており、
万国郵便連合(UPU)では中国が途上国扱いとなっています。
米国の発表によると、例えば重さ2キログラムの荷物を米企業が国内向けに発送する場合の料金は20ドル(3200円)程度かかります。中国企業が同じ重さの荷物を米国へ発送した際、中国が米国に支払う料金はその4分の1程度で、
その差額は結果的に国内の郵便料金に転嫁され、米国が負うコストは年3億~5億ドルに及ぶとされています。
上記手法でTemu(テム)やSHEIN(シーイン)はこの送料規定をハックして送料を安くしています。
2018年のアメリカのトランプ政権では上記理由から、万国郵便連合(UPU)の脱退を明言しましたが、結局2024年にも脱退していません。
関税がかからない
品物を海外に発送すると、到着した時点で関税が発生し、一般的にはその税金は発送者が支払います。
しかし低価格の品物には関税がかからない規定があり、Temu(テム)は低価格製品の為、この関税が発生しないため安くなっています。
米下院の中国共産党特別委員会の報告書によると、アメリカでは800ドル未満の製品は関税が免除され、EUでも150ユーロ未満は関税が免除されます。
毎日米国に輸入される基準額以下の荷物のうち、約60万個(約30%)が中国系ネット通販プラットフォームの「Temu(テム)」と「SHEIN(シーイン)」によって出荷され、米国の税関当局と国境警備隊による課税と検査を免れているとされいます。
EUでの関税撤廃議論
前述した通りEUでは現在、150ユーロ未満の製品は免税が撤廃になります。ただ、Temu(テム)やSHEIN(シーイン)などの中国製の格安ECサイトの登場により、2024年7月にこの免税撤廃基準の廃止が議論され始めました。
製造コストを下げている
製造コストを下げる為にウイグル人を強制労働させたり、模倣製品を素早くリリースし問題視されています。
ウィグル人を強制労働をさせている
米下院の中国共産党特別委員会の報告書によると、アメリカ国内のウイグル強制労働防止法(UFLPA)で禁止されているにもかかわらず、
Nike、Adidas、Shein(シーイン)、およびTemu(テム)がウイグル人の強制労働製品を流入させていると指摘されています。
委員会は強制労働で生産されていないことを確認するための措置に関する情報を求め、特にTemuI(テム)とShein(シーイン)へ強制労働に関して質問し、各社回答をしましたが
その詳細さ、徹底さ、透明性にはばらつきがあります。
中国のデフレ
Temu(テム)は中国の電子商取引業界の発達で出現した、広州などの場所に出現した効率の高い製造業界に支えられています。
これらは、繋がりのある企業グループが自己完結型のマイクロサプライチェーンを運営し、迅速に製品の設計、材料の調達、製造を行っており、多くの場合、短い納期で済みます。
また、こうした小規模メーカーは現在、 中国国内小売市場の減速に直面し 、海外市場へのアクセスに苦戦しており、大量の在庫をかかえています。
Temu運営の拼多多(ピンドゥオドゥオ)はすでに多数のメーカーと取引していたため、Temuの米国や日本などへの海外発売準備を進める中で彼らにアプローチし、低価格で大量の製品を海外へ輸出しています。
模倣製品を素早くリリースしている
Temu(テム)やSHEIN(シーイン)はSNSや各種サイトでクリエイターが個人で公開されている
・イラスト
・独自デザインの家具
などをコピーして低価格の製品としてリリースしたり、ハイブランドや他のファストファッションのデザインを模倣しています。
売れているデザインを解析し、素早く商品を投入する事は
製品開発に関するコストを下げる事ができ、Temu(テム)やSHEIN(シーイン)は模倣製品を素早くリリースする事で製品を安く提供しています。
個人情報を窃取する目的だから
Temu(テム)はあまりにも安いECアプリのため長らく、欧米や親米のアジア国の国民の個人情報を窃取する事が目的ではないか?と指摘されていました。
実際2024年6月にはアメリカのアーカンソー州で訴訟を提起され、
Temu(テム)はユーザーの個人情報を窃取する危険なマルウェアだと指摘されています。
訴状によると、Temuはユーザーの同意なしに、カメラ、位置情報、連絡先、SMS、ドキュメントなどのデータにアクセスし、ユーザーのプライバシーを侵害し、セキュリティリスクをもたらしているとのことです。
Temu(テム)の安全性への不安
2024年7月10日 米国のEC アプリ Temu(テム)で販売された子供用 パジャマセット 4万5千セット以上が火傷の危険性と連邦可燃性基準違反でリコールとなりました。 Temu(テム)は過去にも米国で複数のリコールが発生しており、安全性への不安が叫ばれています。
また、2024年7月10日時点で、Temu(テム)はリコールに関して公式リリースを出していません。
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