台湾近海の海底ケーブルが中国船により損傷

台湾近海の海底ケーブルが中国船による妨害行為の疑いで損傷

台湾北東沖の海底ケーブルが損傷し、台湾当局は中国と関係を疑われているカメルーン船籍の貨物船「順鑫39」が今回の海上事故の犯人である可能性が高いと見ています。

なお、順鑫39号の次の目的地は韓国であるため、台湾政府は韓国に捜査協力を依頼しています。

海底ケーブル切断の概要

台湾海警局(CGA)は、1月3日午後12時40分に海底ケーブルの管理者、中華電信からケーブル損傷の報告を受け、巡視船を派遣したと発表しました。

台湾当局は、船舶自動識別システムの信号と衛星データの追跡データから、順鑫39号がケーブルが破断した場所で錨を曳航していたことが示されているとされています。

なお、4本の海底ケーブルが損傷しましたがバックアップシステムが働いたため、国内の通信に影響は発生していません。

沿岸警備隊の船が船の外部検査を実施し、船長と無線連絡を取ったが、荒天のため乗船できず、また事件から時間が経ちすぎたため、国際法に基づいてさらなる調査のために拿捕を命じることができなかったため、台湾当局は同船の次の寄港先である韓国に協力要請を依頼しています。

海底ケーブルを切断した船の船籍

順鑫39号はカメルーンに船籍登録されていますが、台湾当局は同船の所有者は杰洋貿易有限公司であると述べています。

なお、香港に登録されているこの会社の唯一の取締役は中国本土の市民である郭文潔氏とされています。

バルト海でも中国保有の船が海底ケーブルを切断

2024年11月にはバルト海の海底ケーブルが中国船により切断され、2023年にも海底ケーブルとガスのパイプラインが損傷を受けています。

これらの一連の行動は中国によるグレーゾーン戦略(長い時間をかけて敵を弱体化させる)ではと懸念されています。

参照

Undersea cable near Taiwan damaged in suspected sabotage by China

Taiwan asks South Korea for help over Chinese ship after subsea cable damaged

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